ロシアが分裂する可能性とは:英エコノミストの予測

ロシア敗北による影響とは
軽視できない事態
プーチン政権の崩壊
多民族国家ロシア
ロシアに勝ち目はない
勝利への道筋はない
時間の問題
劣勢になってからでは……
バイデン政権とNATOの反応
ウクライナがNATOに加盟する可能性は?
交渉の余地なし
対決姿勢を鮮明にする西側諸国
米国国防長官の声明
米国による支援
残された時間はわずか
供与が決まった戦車が決め手に?
目論みが裏目に
ロシア敗北による影響とは

英国の著名な経済学者ティモシー・アッシュは、ロシアがウクライナ侵攻で敗北を喫した場合、無数の国家に分裂する可能性があると各国の首脳たちに警告を発した。

 

軽視できない事態

英国の王立国際問題研究所でシニア・フェローを務めるアッシュは1月21日『キーウ・ポスト』紙に記事を掲載。その中で、戦争の成り行きを見守る専門家たちに対し、事態の深刻さを軽視すべきでないと述べたのだ。

プーチン政権の崩壊

アッシュいわく:「プーチン政権が終焉を迎える可能性は十分にあるでしょう。そして、1991年のソ連崩壊と同様に、ロシア連邦が多数の国家に分裂することもあり得ると思います」

 

多民族国家ロシア

ロシア連邦はEU諸国とは違って複数の共和国や自治区、民族から構成されており、すでに独立を望む地域も存在している。

 

ロシアに勝ち目はない

アッシュをはじめとする専門家たちの多くは、ロシアがウクライナ侵攻で勝利を収める可能性はもはや高くないという見方を示している。これは、開戦当初に比べてロシア崩壊のおそれが高まったということを意味する。

 

勝利への道筋はない

アッシュは「ロシアに勝利への道筋は残されていません。戦争が長期化すればするほど、ロシアおよびプーチン政権にとって事態は悪化するでしょう」としている。

時間の問題

アッシュはさらに、「クレムリンが何らかの形で和平を模索するのは時間の問題でしょう」と予測。

劣勢になってからでは……

しかし、プーチン政権がいまさら和平案を掲げたとしても、開戦直後と同様に受け止められるわけではない。

バイデン政権とNATOの反応

AP通信によれば、バイデン政権もNATOの当局者もロシア側に譲歩する意思はなさそうだ。

ウクライナがNATOに加盟する可能性は?

ウラジーミル・イサチェンコフ記者とマシュー・リー記者は記事の中で、「米国およびNATOは、ウクライナのNATO加盟について可能性を閉ざすことはしないと書簡でロシア側に通達した」と説明。

 

交渉の余地なし

記事の内容によれば、米国とNATOは「ウクライナのNATO加盟を永久に禁止するという(ロシア側の)要求を突っぱねたほか、東欧における連合軍部隊および装備の展開についても交渉の余地なしと回答した」という。

 

対決姿勢を鮮明にする西側諸国

実際、米国および西側諸国による軍事支援はますます膨れ上がっているのだ。

米国国防長官の声明

米国のロイド・オースティン国防長官は、「我々に残されたチャンスは、ウクライナ軍が反攻作戦を始める春までの間だけだ」という声明を発表。

 

米国による支援

この声明は、ウクライナ向けの援助パッケージとして25億ドル相当の軍事支援が米国内で議論されていた際に行われたものだ。

残された時間はわずか

オースティン国防長官いわく:「時間はあまり残されていません。しかし、我々は十分なリソースを確保しなくてはならないのです」

 

供与が決まった戦車が決め手に?

したがって、ロシアにとって困難が待ち受けているのは間違いない。さらに、ドイツと米国が足並みを揃えて主力戦車の供与を決めたことで、ロシアが危機に陥る可能性はますます高まっていると言えるだろう。

 

目論みが裏目に

前述のティモシー・アッシュは、「大ロシアを掲げて開戦に踏み切ったプーチンだが、逆にロシアを縮小する結果になってしまうでしょう」と結論づけた。

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