ウクライナ軍の精鋭スナイパー、3.8キロ先にある目標の狙撃に成功:長距離狙撃の世界記録を樹立

3.8キロメートルの標的に命中
映像で狙撃成功を確認
本人のコメント
狙撃の実力を誇示
敵をパニックに陥れる奥の手
司令官たちを狙い撃ち
「悪魔と天使」
高価値目標を遠方から攻撃
音もなく任務を果たす
専門家の意見
司令官の排除で部隊は大混乱に
ウクライナの得意戦術
アンドレイ・スホヴェツキー少将
重要人物だったスホヴェツキー少将
さらなる戦果
銃撃せずに捕虜を確保
民間軍事会社「ワグネル」に対抗
ロシア兵524人を排除
「誇るようなことではない」
非常に重要な人材
前線が安定していれば……
3.8キロメートルの標的に命中

ウクライナ保安庁に所属するスナイパー、ヴィヤチェスラウ・コヴァルスキーがおよそ3.8キロメートル離れた地点にいたロシア兵を排除し、長距離狙撃の世界記録を塗り替えた。2023年11月のことだ。

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映像で狙撃成功を確認

弾丸は発射されてから9秒後にターゲットに命中。その様子を捉えた映像は『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌によって精査され、狙撃成功が確認されることとなった。

 

本人のコメント
コヴァルスキーは自身が打ち立てた最長記録について『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌上でコメント:「これでロシア兵たちもウクライナ人の腕前を思い知ったことでしょう。縮み上がって家から出てこられないんじゃないですか」
狙撃の実力を誇示

3.8キロメートルという前代未聞の記録で、狙撃の実力をセンセーショナルな形で誇示することとなったウクライナ。実際、同国のスナイパー集団は開戦以来、前線のロシア兵たちを混乱に陥れてきた。

 

敵をパニックに陥れる奥の手

ロシア軍との激しい戦闘が続く中、ウクライナ軍は戦場の敵をパニックに陥れるため奥の手を使い始める。つまり、スナイパー集団だ。

 

司令官たちを狙い撃ち

『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌は2023年8月、ウクライナが秘密裏に運用するスナイパー集団に密着。ロシア軍の司令官たちを狙い撃ちして敵の士気をくじくという、彼らの任務に迫った。

 

 

「悪魔と天使」

なかでも「悪魔と天使」を自称する狙撃チームは、ロシア軍の司令官たちを次々に排除したことで知られている。

高価値目標を遠方から攻撃

しかし、「悪魔と天使」の任務はそれだけに留まらない。この狙撃チームは敵の砲兵隊で重要な役割を担うロシア兵士など、高価値目標を重点的に攻撃しているのだ。

音もなく任務を果たす

この狙撃チームは3人のメンバーで構成されているが、うち1人は『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌に対して次のように語っている:「我々は音もなく任務を果たします。見つかりっこありません」しかし、狙撃は古典的な戦術でもある。最先端のドローンが飛び交うウクライナの戦場において、スナイパー集団は本当に効果的なのだろうか?

専門家の意見

退役陸軍少将で軍事史家でもあるロバート・スケールズ氏が『The Journal』紙に語ったところによれば、スナイパーは今日の戦闘においても依然として大きな影響力を持っているはずだという。

司令官の排除で部隊は大混乱に

スケールズ氏いわく:「攻撃に向けて集結しているときに司令官が狙撃されれば、部隊は大混乱に陥ります」

 

ウクライナの得意戦術

スケールズ氏はさらに、「ロシア軍の小部隊を率いる司令官を仕留めたとしましょう。その部隊は大パニックです」とコメント。これこそ、ウクライナのスナイパー集団が得意とするところだ。

 

 

アンドレイ・スホヴェツキー少将

ウクライナのスナイパーがロシア軍の司令官を排除したケースとしてもっとも顕著なのは、2022年3月にターゲットとなったアンドレイ・スホヴェツキー少将だろう。

写真:Wiki Commons By an Unkown Author

重要人物だったスホヴェツキー少将

ニュースサイト「ビジネスインサイダー」によれば、スホヴェツキー少将は第7親衛空挺師団の司令官であり、第41諸兵科連合軍の副司令官も務めていたという。

さらなる戦果

しかし、スホヴェツキー少将の排除はウクライナのスナイパー集団が遂行したとされる数々の戦果の一例でしかない。 伝えられるところによれば、2023年8月にはウクライナの狙撃チームがロシア兵20人を捕虜にしとのこと。

銃撃せずに捕虜を確保

ウクライナ特殊作戦軍の報道部は、第3独立特殊作戦連隊のスナイパー集団が銃弾を一発も放つことなくロシア兵20人を捕らえたと明かしたのだ。

民間軍事会社「ワグネル」に対抗

さらに、『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌によれば、バフムートを巡る戦闘でもスナイパー集団が力を発揮。民間軍事会社「ワグネル」の兵士たちを一時的に押し返したという。

 

 

ロシア兵524人を排除

2023年7月には、BBC放送が「バフムートの幽霊」と呼ばれたエリート狙撃兵チームを取材。確認されているだけでロシア兵524人が排除されていると報じた。

「誇るようなことではない」

この狙撃チームに所属するコードネーム「クジア」いわく:「誇るようなことではありませんが、殺人でもありません。敵を殲滅しているのですから」

 

非常に重要な人材

米国のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)で顧問を務めるマーク・カンチアンは、前線が安定している場合、スナイパーが非常に重要な人材になるかもしれないと発言。

写真:Twitter @csis_isp

前線が安定していれば……

同氏は『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌上で「前線が安定していれば、スナイパーは身を隠す場所や射撃に適したポイントを確保することができます」とコメント。実際、2023年の夏以来、ウクライナ軍はそのような戦術をとっているようだ。

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