世界各地の「気候非常事態」を伝える映像

世界各地で報告される異常気象
雪に覆われたマドリード
アマゾン地域の森林破壊
地球全体の問題
海洋汚染
バリ島に押し寄せるプラスチックごみ
海洋ごみの75%がプラスチック
ヨーロッパに押し寄せる海洋プラスチックごみ
首都パナマの海洋ごみと鳥の群れ
海洋ごみの量は?
インドの大気汚染
過剰な消費、過剰な廃棄物
万年雪の氷解
海面水位の上昇
水没の危機
大規模な山火事
前例のない洪水被害
地球はどこへ向かうのだろう?
世界各地で報告される異常気象

地球の気候変動に関連した異常気象は、年を追うにつれて頻繁に起こるようになっている。2021年にはカナダのブリティッシュ・コロンビア州で史上例がないほど強烈な熱波が発生し、現地の報道によれば猛暑を原因として500人以上が命を落としたという。

 

雪に覆われたマドリード

その一方、2021年1月にはマドリードが記録的豪雪に襲われた。南ヨーロッパを襲った嵐「フィロメナ」がかつてない規模の雪を降らせ、スペインの首都は1週間というもの事実上の麻痺状態に陥ってしまった。

アマゾン地域の森林破壊

アマゾン地域の熱帯雨林の17%はすでに破壊されたと推定されている。ジャイル・ボルソナロ大統領率いるブラジル政府は、こうした森林破壊を止めることができないばかりか、地球の肺といわれる熱帯雨林の保護レベルを引き下げる措置さえとっているのだ。

地球全体の問題

これはアマゾン地域だけではなく、地球全体の問題だ。国連食糧農業機関(FAO)によれば、1990年以降に地球上では8,100万ヘクタールの森林が失われている。そして、地球の肺として大量の酸素をもたらしてくれるのがこうした森林地帯なのだ。

海洋汚染

現在、海洋プラスチック問題は悲劇的な状況に陥っており、観光を主な収入源とする国の人々の暮らしを脅かす存在にさえなっている。 例えば、こんな海で泳ぎたいと思う人が果たしているだろうか?写真はタイの海だが、同じような景色は世界中に存在する。

バリ島に押し寄せるプラスチックごみ

楽園のようなバリ島のビーチは、モンスーンの季節になるとプラスチックごみの山と化す。大勢の観光客により海に捨てられたごみは、嵐や高波が来るとすべて海岸に戻されてしまうのだ。その回収量は、モンスーンの季節になると1日当たり80トンにまで達するという。この画像はバリ島のジンバランビーチのもの。

海洋ごみの75%がプラスチック

インドネシア当局が行った統計によれば、ビーチに押し寄せるごみの75%はプラスチックだという。プラスチックが環境保護の大きな障害となっていることは明らかだ。

ヨーロッパに押し寄せる海洋プラスチックごみ

こうした問題はすでに地球規模で共有されている。これはイタリアのナポリ近郊のビーチの写真だ。

首都パナマの海洋ごみと鳥の群れ

海から漂着するゴミは、人間が海の生態系をいかに破壊しているかの証明にほかならない。海洋動物がプラスチックで死滅していること、人間や鳥が食用とする魚にマイクロプラスチックが含まれていることはすでに科学的証明がされている。人類は何らかの形でマイクロプラスチックを体内に取り込んでいるのだ。

海洋ごみの量は?

2018年の「ニューヨークタイムズ」誌の見出しは、「太平洋に存在するごみの量は8万7千トン......しかもその量は増え続けている!」これも科学的調査に基づいた数字だ。それにも関わらず、人類はごみの削減に成功しているとはいいがたい。そして、こうした海洋ごみの大部分を占めるのがプラスチックだ。

インドの大気汚染

これは都市部の深刻な大気汚染を示すインド・ラホール市の様子。科学誌「エンバイロンメンタル・リサーチ(Environmental Research)」に発表された研究によれば、化石燃料の焼却で発生する大気汚染によって、毎年世界で800万人以上の人々が早死している。

過剰な消費、過剰な廃棄物

使い捨て文化は持続不可能だ。際限なく増えていくごみは、豊かな国でも貧しい国でも大きな問題になっている。写真はバングラデシュの埋立地で、同国の都市部では毎日2万5千トンのゴミが出ているという。日々増加の一途をたどるごみに地球はいつまで耐えられるのだろう。

万年雪の氷解

地球の温暖化がすすみ、かつて万年雪に囲まれていた地域でも雪や氷が消えつつある。NASAが人工衛星で観測したところ、夏のグリーンランドでは地表のほぼ半分で氷が解けているという。数年前までは考えられなかった事態だ。

海面水位の上昇

海面上昇はすでにさまざまな国で大きな問題を引き起こしている。写真はキリバス共和国の浸水被害の様子。海が陸地を侵食し、年々国土面積が狭まっているのだ。

水没の危機

このままでは、キリバス(写真)を始め、ほかのさまざまな島国もいずれ水中に消えてしまうかもしれない。

画像:キリバス政府職員- キリバス政府、CC BY 3.0

大規模な山火事

森林の減少、干ばつの増加、気温の上昇など、気候変動は大規模火災の一因となっている。さらに、豊かな自然が広がっていた地域を侵食する都市部の存在がそれに追い打ちをかける。その結果、2021年にはカリフォルニアとギリシャ(写真)という地球上の遠くはなれた2つの地域で記録的な山火事が起こった。

前例のない洪水被害

大洪水についても同じことが言える。もちろん過去にも洪水はあったが、科学的見解によれば、地球の温暖化によりその規模が大きくなっている。さらに生態系や河川流域に変化が生じたことで被害は深刻化。その結果、2021年にはドイツ(写真)とベルギーで記録的な大雨が発生し、甚大な被害が生じた。

地球はどこへ向かうのだろう?

こうした画像に見られる通り、地球は気候非常事態に陥っている。各国が問題意識を高めつつあり気候変動対策に合意はしたものの、その内容はまだまだ不十分だ。国連の気候変動委員会の科学者たちによれば、取り返しのつかない気候崩壊を招くかどうか、そのリミットは2030年だという。

ほかのおすすめ