ミャンマーの元指導者の凋落
秘密裁判?
非公開で行われた審議
刑期を合計すると
終身刑の可能性
首脳会談での議題
軍事政権から追放されたスーチー氏
抗議活動の継続
1万人を超える政治犯
「国民防衛隊」の結成
「まやかしの裁判」
ヨーロッパによる制裁
軍事政権に対する圧力
歴史的背景:ビルマからミャンマーへ
父親は革命家
「8888」民主化運動 
民主化運動とノーベル平和賞
軍の介入
覆された選挙結果
自宅軟禁
新たな政治の時代
20年ぶりのノーベル賞受賞スピーチ
オバマ大統領との会談
2016年の入閣
物議を醸したロヒンギャ族弾圧
ダライ・ラマとツツからの批判
国連によるミャンマー軍非難
堕ちた人権の女神
2020年:再び軍が介入
アウンサンスーチーの不透明な未来
Internacional
アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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ミャンマーの元指導者の凋落

軍事政権下にあるミャンマーの裁判所は、同国の政治家でノーベル賞受賞者でもあるアウンサンスーチー氏に対し、汚職を理由に禁固5年を言い渡した。一部の専門家は、これによりスーチー氏が残りの生涯を獄中で過ごす可能性もあると指摘している。

写真:2019年、ハーグにて

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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秘密裁判?

「アウンサンスーチー氏が自由な女性でいられる日々は事実上終わった」、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)のアジア部副部長、フィル・ロバートは「ザ・ガーディアン」紙にそうコメントした。「ミャンマー軍事政権と同国の裁判所は足並みをそろえ、アウンサンスーチーの年齢を考慮に入れ事実上の終身刑に処そうとしている」

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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非公開で行われた審議

一般市民や報道機関の傍聴なしに行われたこの裁判では、アウンサンスーチー氏は国内最大のヤンゴン地域の元トップから現金および金塊の形で60万ドル(約7700万円)の賄賂を受け取ったとされた。同氏の弁護士は本件についてコメントを禁じられているが、アウンサンスーチー氏はこの裁定を「不条理だ」としている。

画像:Pyae Sone Htun / Unsplash

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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刑期を合計すると

2021年12月、アウンサンスーチー氏は軍への反体制派を扇動した罪と、新型コロナウイルス対策の規則に違反した罪で有罪とされた。BBCによれば刑期を合計すると11年に上るという。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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終身刑の可能性

アウンサンスーチー氏は2021年2月の軍事クーデターにより拘束され、少なくとも10の罪で起訴されている。『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、当局が主張するすべての罪状で有罪となった場合、スーチー氏の禁固年数は100年を超えるという。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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首脳会談での議題

ニューヨーク・タイムズ紙は、ジョー・バイデン米大統領が5月にワシントンで開催するASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議において、ミャンマーの現状は主な議題の一つになるだろうとしている。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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軍事政権から追放されたスーチー氏

2020年11月、ミャンマーで総選挙が行われアウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が勝利した。ミャンマー国軍はこの選挙を不正と断定し翌年2月にクーデターを決行。以来、同氏は自宅軟禁の状態に置かれている。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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抗議活動の継続

2021年2月の軍事クーデター以降、ミャンマーでは軍事政権に対する抗議活動が続いており、BBCの報道によれば数千人の抗議者が投獄されているという。

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1万人を超える政治犯

ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会」は、同国ではクーデター以降に軍事政権が政治犯として拘束した人々の数は1万人以上に上ると指摘。

画像:Saw Wunna / Unsplash

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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「国民防衛隊」の結成

軍事政権に反対する民主派勢力は「統一政府」を樹立。さらに独自の武装勢力として「国民防衛隊」を結成した。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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「まやかしの裁判」

アウンサンスーチー氏に対する裁判は国際社会から激しく批判されている。国連人権局長のミシェル・バチェレ氏は2021年11月の有罪判決に関し、政治的動機に基づく「まやかしの裁判」であり、国際社会に「クーデターへの拒絶反応を深める」だけだと非難した。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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ヨーロッパによる制裁

2022年2月、欧州連合はミャンマーの現軍事政権に対し新たな制裁を承認した。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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軍事政権に対する圧力

英国、カナダ、米国もこれに続いて新たな制裁を決定し、アウンサンスーチー氏の拘束が行われた軍事クーデター記念日にその発表を行った。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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歴史的背景:ビルマからミャンマーへ

ミャンマーは1989年に国名をビルマから現在の名称に変えた人口5千300万人余りの国だ。かつては英国の植民地であり、1962年以降は国の大部分が軍事政権の支配を受けていた。写真は高台から見た旧首都ヤンゴン。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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父親は革命家

アウンサンスーチー氏の父親は、1948年にビルマの独立運動を主導した革命家アウンサン氏だ。スーチー氏が2歳の時に父親は暗殺され、かつての首都ヤンゴンに建国の父としてアウンサン氏の銅像がおかれている。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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「8888」民主化運動 

アウンサンスーチー氏は海外で学び、その後は国際機関に勤めていた。ミャンマーで民主化を求める「8888民主化運動」が起こった1988年に帰国すると、たちまちミャンマーの民主化運動の指導者の一人となった。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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民主化運動とノーベル平和賞

1991年、ノーベル委員会はアウンサンスーチー氏による「民主主義と人権のための非暴力闘争を評価」し、ノーベル平和賞を受容。それを通じ「平和的手段により民主主義、人権、民族融和を目指す多くの人々」への支持を明らかにした。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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軍の介入

1990年、ミャンマーでは60年代初頭以来初となる複数政党間の選挙が実施された。スーチー氏率いる「国民民主連盟(NLD)」が過半数を獲得して勝利したが、軍はこの結果を認めなかった。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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覆された選挙結果

そして、民主的に選出された政府ではなくふたたび軍事政権が誕生。1992年から2011年までミャンマー国軍最高のタン・シュエ上級大将が軍事政権(正式名称:国家平和発展評議会)のトップとなり、ミャンマーを統治した。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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自宅軟禁

軍事政権下でアウンサンスーチーは自宅軟禁となったが、ヤンゴンの湖畔にある古い自宅で政治活動を続け、許可がおりれば人々との面会も行っていた。2011年、軟禁期間の終了に伴い解放された。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(21/30)
新たな政治の時代

2010年末、軍事政権が20年ぶりの選挙を認め、ミャンマーの政治情勢に変化が起き始めた。軍部の承認を得てテイン・セイン(写真)率いる新政権が誕生したのである。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(22/30)
20年ぶりのノーベル賞受賞スピーチ

新政権が実施した改革によりアウンサンスーチー氏は海外への渡航が許され、受賞から21年を経てようやくノーベル賞の受賞スピーチを行うことができた。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(23/30)
オバマ大統領との会談

また、2012年には米議会から最高勲章にあたる「ゴールド・メダル」を受賞、バラク・オバマ米大統領をはじめ、世界各国の著名人と会談を行った。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
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2016年の入閣

2015年の総選挙でアウンサンスーチー率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝、翌年に入閣を果たし、事実上アウンサンスーチー政権が誕生したとみなされた。しかし、彼女の物語はそれで終わらなかった。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(25/30)
物議を醸したロヒンギャ族弾圧

仏教徒が多数を占める同国ではイスラム系少数民族ロヒンギャに対し軍部による虐待が行われており、国際的な非難にもかかわらずアウンサンスーチーの政権下でも続いていたのだ。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(26/30)
ダライ・ラマとツツからの批判

アウンサンスーチーと同じくノーベル平和賞を受賞した、チベット仏教の指導者ダライ・ラマや南アフリカの大主教デズモンド・ツツ等も彼女の沈黙に対し批判の声を上げた。2017年、『エコノミスト』誌は「少数民族ロヒンギャ問題について明確な態度を示さない彼女に対し、海外の人権活動家の間で失望が広がっている」とした。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(27/30)
国連によるミャンマー軍非難

2018年、国連特別調査団が「人道に対する罪」でミャンマー軍を非難し、報告書にはスーチー氏が「ロヒンギャの事態を食い止めるために政権トップの地位や自身の道徳的権威を行使してこなかった」と記された。

 

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(28/30)
堕ちた人権の女神

アウンサンスーチー氏はこうした疑惑を否定し、2019年に出廷した国際司法裁判所でミャンマー軍を擁護した。そんな彼女に対し、『ニューヨーク・タイムズ』紙は 「悪魔と契約してしまった人権の女神」と評した。

写真:Frank van Beek/ICJ

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(29/30)
2020年:再び軍が介入

国際的な批判にもかかわらず、ミャンマーではスーチー氏の人気が続いていた。2020年の総選挙では同氏率いる政党、国民民主連盟(NLD)が圧勝。しかし国軍は選挙結果を認めず、2021年2月にクーデターを起こした。

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アウンサンスーチー:禁固5年の判決を受けたノーベル平和賞受賞者
(30/30)
アウンサンスーチーの不透明な未来

アウンサンスーチー氏の今後は、ミャンマーが進んでいく方向に左右されるだろう。しかし、スーチー氏の支持者が政権を取り戻すにせよ、軍政が続くにせよ、かつて彼女がまとっていたオーラが失われるつあることは確かだ。

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