ウィレム・デフォー(68)の輝かしいキャリアを振り返る:最新作はアカデミー賞受賞作『哀れなるものたち』

ウィレム・デフォー
ウィレム・デフォー
ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム
数々の傑作映画に出演
『ラブレス』(1981年)
『プラトーン』(1986年)
『最後の誘惑』(1988年)
『ミシシッピー・バーニング』(1988年)
『7月4日に生まれて』(1989年)
『クライ・ベイビー』(1990年)
『イングリッシュ・ペイシェント』(1996年)
『スピード2』(1997年)
『アメリカン・サイコ』(2000年)
『スパイダーマン』(2002年)
アニメ映画でも多彩な才能を発揮
『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』(2003年)
『アビエイター』(2004年)
『マンダレイ』(2005年)
『インサイド・マン』(2006年)
『パリ、ジュテーム』(2006年)
『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』(2007年)
『ジョン・カーター』(2012年)
『グランド・ブダペスト・ホテル 』(2014年)
『きっと、星のせいじゃない。』(2014年)
『ジョン・ウィック』(2014年)
『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2018年)
『ノースマン 導かれし復讐者』 (2022年)
『哀れなるものたち』 (2023年)
ウィレム・デフォー

数十年にわたり映画界で活躍を続け、今やハリウッドを代表するトップスターとなったウィレム・デフォー。

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ウィレム・デフォー

悪役や影のある役柄を演じることが多いが、その一方でアニメ映画にも数多く出演するなど多彩な活躍を見せている。

 

ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム

2024年1月、デフォーの名前が刻まれた星型のプレートがハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに埋め込まれることになった。 40年以上にわたり名作に出演してきた功績が認められることになったのだ。

数々の傑作映画に出演

数々の賞を受賞し、高い評価を受けてきたウィレム・デフォーの出演作をいくつ思い出すことができるだろうか。ウィレム・デフォーの記憶に残る傑作の数々を見ていこう。

『ラブレス』(1981年)

キャリアの最初期に出演した『ラブレス』の中で、デフォーは暴走族を従えてバイクレースの観戦に向かうヴァンス役を演じた。この映画は、後に『ハート・ロッカー』(2008年)で女性初のアカデミー監督賞を受賞することとなるキャスリン・ビグロー監督の長編映画デビュー作だった。

『プラトーン』(1986年)

オリバー・ストーン監督の『プラトーン』では、ベトナム戦争中、アメリカ軍に所属しながらもベトナム兵に非情になりきれず苦悩する三等軍曹役を演じた。この映画によって、デフォーは初めてアカデミー賞にノミネートされた。この写真では、デフォーの隣に主演のチャーリー・シーンとトム・ベレンジャーが写っている。

『最後の誘惑』(1988年)

また、『最後の誘惑』ではイエス・キリスト役で主演を果たした。この映画で監督を務めたマーティン・スコセッシは、1989年にアカデミー監督賞にノミネートされている。

『ミシシッピー・バーニング』(1988年)

『ミシシッピー・バーニング』では、公民権運動家の失踪事件を解決するためミシシッピ州を訪れるFBI捜査官を名優ジーン・ハックマンと共に演じた。同作は、20世紀アメリカの人種差別を描いた社会派映画として評価を受けている。

『7月4日に生まれて』(1989年)

ウィレム・デフォーの出演作の中でも異彩を放っているのは、『7月4日に生まれて』だろう。主演のトム・クルーズと共にベトナム帰還兵を演じ、戦争中に重傷を負い、時が経つにつれて戦争に疑問を持ち始める役柄を好演している。オリバー・ストーン監督の政治的な信念に基づいた傑作歴史映画である。

『クライ・ベイビー』(1990年)

『クライ・ベイビー』でデフォーが演じたのは、ジョニー・デップ演じる不良少年を収監した刑務所の看守役だ。監督兼脚本家のジョン・ウォーターズの代表作であると同時に、ジョニー・デップがスターとして、さらに注目されるきっかけになった作品でもある。

写真:Universal / YouTube

『イングリッシュ・ペイシェント』(1996年)

アカデミー賞を9部門受賞した『イングリッシュ・ペイシェント』では、1940年代のイタリアを舞台に、探検家ラスロー・アルマシーを尋問するためにやって来たカナダ軍諜報部隊のデヴィッド・カラヴァッジョ役を熱演している。レイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノシュ、コリン・ファース、クリスティン・スコット・トーマスと共演し、今では歴史的な名作として評価されている。

『スピード2』(1997年)

『スピード2』は、ウィレム・デフォーが出演した映画としては例外的に、出来があまり良くないことで有名になってしまった。デフォーはラジー賞の最低助演男優賞にもノミネートされた。しかし、実際に受賞しなかったことは不幸中の幸いと言えるだろう。

『アメリカン・サイコ』(2000年)

ウィレム・デフォーはサイコホラーの傑作『アメリカン・サイコ』でも主演を務めている。デフォーは、主演のクリスチャン・ベール演じる殺人犯を追う探偵役を演じた。この映画は、ブレット・イーストン・エリスの同名小説に基づいている。

『スパイダーマン』(2002年)

スーパーヒーロー映画の中でも、ウィレム・デフォーは素晴らしい演技力を発揮している。具体的には、2000年代初頭の『スパイダーマン』に登場する悪役グリーン・ゴブリンである。スパイダーマンを演じる俳優が、トビー・マグワイアからトム・ホランドに交代しても、ウィレム・デフォーは人気悪役の一人であり続けた。

アニメ映画でも多彩な才能を発揮

これまで見てきたように、多彩な演技力はウィレム・デフォーの大きな特徴である。その演技力を活かしてデフォーは俳優としてだけではなく、アニメ映画の声優としても『ファインディング・ニモ』や『ファインディング・ドリー』などで活躍している。デフォーは同作でタンクギャングを率いるツノダシのリーダー、ギルの声を演じている。

『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』(2003年)

この映画は、ロバート・ロドリゲス監督のメキシコ三部作の第3弾であるため、「デスペラード2」としても知られている。この映画でもウィレム・デフォーはFBI捜査官を演じ、共演者にはアントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、ジョニー・デップ、ミッキー・ローク、エヴァ・メンデスなどトップスターたちが名を連ねている。

『アビエイター』(2004年)

マーティン・スコセッシが監督を務め、アカデミー賞を5部門受賞した『アビエイター』で、ウィレム・デフォーはジャーナリストのローランド・スウィート役を演じた。レオナルド・ディカプリオ(本作でゴールデングローブ賞を受賞)が演じた主人公ハワード・ヒューズの周りを嗅ぎ回る多くのジャーナリストの一人である。

『マンダレイ』(2005年)

『マンダレイ』では、主演を務めるブライス・ダラス・ハワード、ラース・フォン・トリアー監督とデフォーのタッグが見られる。 『ドッグヴィル』の続編とされるこの作品では、奴隷制度がいまだ存在する1930年代の農園について描いている。

『インサイド・マン』(2006年)

デフォーはスパイク・リー監督の映画にも出演している。『インサイド・マン』では、銀行強盗が引き金となった人質事件が描かれている。デフォーは、クライヴ・オーウェンらが演じた強盗グループを追うジョン・ダリウス警部役を演じた。デフォーはこの作品の中で、デンゼル・ワシントン、ジョディ・フォスターとも共演を果たした。

『パリ、ジュテーム』(2006年)

『パリ、ジュテーム』は、パリを舞台に「愛」をテーマとした短編オムニバス映画である。デフォーは、「ヴィクトワール広場」という短編でカウボーイ役を演じている。

『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』(2007年)

ウィレム・デフォーは、人気コメディシリーズであるミスター・ビーンの映画にも出演している。全体的に愉快なこの作品の中で、デフォーは比較的マジメなアメリカ人映画監督を演じている。

『ジョン・カーター』(2012年)

その一方『ジョン・カーター』では、まったく異なるタイプの役柄を演じることになった。同作でウィレム・デフォーは、火星の戦士タルス・タルカスを演じている。デフォーは素晴らしい演技力を発揮し、タルス・タルカスを非常に共感できる登場人物として演じきった。

『グランド・ブダペスト・ホテル 』(2014年)

ウィレム・デフォーといえば、ウェス・アンダーソンの映画を欠かすことはできない。デフォーはアンダーソン作品に5作も出演している。アカデミー賞で4部門を受賞した『グランド・ブダペスト・ホテル』では、エイドリアン・ブロディとともにデフォーが悪役の1人を演じている。

『きっと、星のせいじゃない。』(2014年)

ウィレム・デフォーが主演を務め、高く評価された映画の1つが、『きっと、星のせいじゃない。』である。デフォーはアムステルダムにひっそりと暮らす作家ピーター・ヴァン・ホーテンを演じた。この作家の書いた本が、映画の主人公である二人の若いガン患者(シャイリーン・ウッドリーとアンセル・エルゴート)を魅了することになった。

『ジョン・ウィック』(2014年)

一方、『ジョン・ウィック』でデフォーが演じたのは主人公ジョン・ウィックの親友であるマーカス役だ。デフォーは、雇用主であるヴィゴの契約を遂行しているように見せつつ、実は親友のウィックを他の暗殺者から守っているという複雑な役を熱演している。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』(2018年)

ウィレム・デフォーは、フィンセント・ファン・ゴッホの生涯を描いた『永遠の門 ゴッホの見た未来』の中で、一筋縄ではいかない画家の姿を見事に演じきっている。デフォーはこの映画で、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。

『ノースマン 導かれし復讐者』 (2022年)

2022年には、まったく異なるジャンルであるアクションスリラー映画にも挑戦。父親を殺した叔父に復讐しようとするヴァイキングを描いたこの映画で、デフォーは「ヘイミール」という名の宮廷道化師を怪演している。

『哀れなるものたち』 (2023年)

最後に、ウィレム・デフォーが2023年に出演した映画の1つである『哀れなるものたち』 を紹介しよう。同作は、デフォー演じるゴドウィン・バクスター医師によって蘇生させられた患者ベラ・バクスター(エマ・ストーン)についての物語である。『哀れなるものたち』は、公開直後から話題になり、2024年の映画賞においてもっとも注目される作品の1つだ。

 

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