WHO報告書:ヨーロッパの成人の59%が体重過多または肥満

ヨーロッパの成人の59%が体重過多または肥満
コロナ禍の影響
アメリカ大陸に次いで高い、欧州の人々の肥満率
身体障害や死亡の要因
体重過多と肥満
男性は体重過多、女性は肥満
コロナ禍の影響
欧州の肥満対策の遅れ
肥満を原因とする病気
肥満は13種のがんの要因
身体障害の危険因子
子どもの体重過多と肥満の増加
男子の29%、女子の27%が肥満または体重過多
5歳未満の8%が体重過多または肥満
地中海沿岸では子どもの肥満が多い
キプロス、ギリシャ、イタリア、スペインでは子どもの40%が体重過多
肥満は一生の問題
「より良い再建」
国境知らずの肥満
肥満増加の軌道を修正
ヨーロッパの成人の59%が体重過多または肥満

2022年、WHO(世界保健機関)欧州地域事務局が最新報告書を公表し、肥満および体重過多が“流行病”の規模に達していると警告した。それによれば、ヨーロッパでは成人の59%、未成年者の3人に1人が肥満または体重過多となっている。

コロナ禍の影響

新型コロナウィルス感染症は、体重過多や肥満の人々に大きな打撃を与えた。過去2年間のロックダウンで、こうした人々が消費する食品の品質および運動量の低下していったのだ。

 

アメリカ大陸に次いで高い、欧州の人々の肥満率

欧州地域の肥満率は現在、北米と南米を別にすれば、世界のWHO加盟国の中で最も高い水準にある。

身体障害や死亡の要因

体重過多と肥満は、欧州における身体障害と死亡の主な原因のひとつとなっており、年間約120万人の死につながっている。

体重過多と肥満

欧州ではボディマス指数(BMI)が25以上29.9以下の場合は体重過多、30以上は肥満と判定されている。

男性は体重過多、女性は肥満

WHOの報告書によれば、男性は女性よりも体重過多の傾向にある一方、女性は男性より肥満率が高い。現在、ヨーロッパの女性の24%、男性の22%が肥満に分類されている。

コロナ禍の影響

世界のほとんどの国が「ニューノーマル」に移行し、ロックダウンを過去のものにしつつある。とはいえコロナ禍がもたらした一般市民の体重や体力レベルに及んだ悪影響を取り除くには、まだ数年、そして相当な努力が必要となるとWHOは指摘している。

欧州の肥満対策の遅れ

WHO欧州地域事務局の肥満に関する最新報告書によれば、欧州地域加盟国53ヵ国の中で、2030年までにNCDs(非感染性疾患:循環器疾患・がん・糖尿病・慢性呼吸器疾患などを指す)による死亡率を下げるため肥満の増加を抑え込めている国はひとつもないという。

肥満を原因とする病気

肥満によって2型糖尿病、がん、心血管疾患、呼吸器疾患などの非感染性疾患にかかるリスクが高まることが、研究で明らかになっている。

肥満は13種のがんの要因

WHOによれば肥満は少なくとも13種のがんの要因になると考えられ、ヨーロッパでは毎年20万件を超える新たながんの症例に肥満が関連しているという。医師たちは、肥満に関連するがんの発生率は今後増加の一途をたどると予測した。

身体障害の危険因子

体重過多や肥満は、身体障害の危険因子にもなる。WHOによれば、欧州の人々が身体障害を抱えて過ごす期間のうち、その7%は体重過多状態におかれているとしている。

 

子どもの体重過多と肥満の増加

成人の肥満や体重過多の増加は間違いなく憂慮すべきことではあるが、さらに懸念されているのが子ども達にそれが広がっていることだ。

男子の29%、女子の27%が肥満または体重過多

WHO報告書によれば、欧州地域では6歳以上の29%の男子、27%の女子が肥満または体重過多であるという。

5歳未満の8%が体重過多または肥満

2022年の報告書では、5歳未満の8%が体重過多または肥満であることも判明している。

地中海沿岸では子どもの肥満が多い

2021年、WHO欧州地域事務局は子どもの肥満に関する正式な報告書を発表し、とくに地中海沿岸の国々が最も高い肥満率であることを明らかにした。

 

キプロス、ギリシャ、イタリア、スペインでは子どもの40%が体重過多

2021年にWHOが発表した子どもの肥満に関する報告書によれば、36カ国の6歳から9歳までの子ども25万人のうち、キプロス、ギリシャ、イタリア、スペインでは40%が体重過多であることが分かった。

肥満は一生の問題

子どもの肥満は大人になっても継続することが多く、懸念を呼んでいる。このままいけば、欧州の成人の体重過多と肥満の割合は増加の一途をたどることは明らかだ。

「より良い再建」

WHOは、欧州における肥満率増加に対処するさまざまな介入策や政策オプションを推奨しているほか、今回のパンデミックが人々の健康習慣にもたらしたさまざまな悪影響を取り除くべく「より良い再建」に重点を置いている。

国境知らずの肥満

WHOのハンス・クルーゲ欧州地域事務局長は「肥満に国境はない。欧州と中央アジアでは、肥満の増加を食い止めるというWHOのNCD対策の目標が達成できていない」と指摘した。

肥満増加の軌道を修正

クルーゲ欧州地域事務局長はこう続ける。「欧州の国々はきわめて多様だが、どの国も一定の問題を抱えているのは同じ。より良い環境を整え、健康への投資と技術革新を促進し、強くしなやかな健康システムを開発することで、この地域の肥満増加への軌道を変えることができるだろう」

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