サウジアラビアに出現する超高層ビル「ザ・ムカーブ」:エンパイアステートビル20個分
超高層ビル20個分の巨大建造物を建設することが可能であれば、なぜいくつもの超高層ビルを建てる必要があるだろう?
写真: The Mukaab - Web New Murabba
こうした「大きければ大きいほどいい」といった考えは、サウジアラビアの首都リヤドで進行中の新たな建設プロジェクトにも反映されている。現在リヤドでは、エンパイアステートビル20個がすっぽり収まるような超巨大ビル「ザ・ムカーブ」の建設がすすめられている。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
「ザ・ムカーブ」は幅400メートル、奥行き400メートル、高さ400メートルの立方形をした建築物で、首都リヤドの中心部におかれる予定だ。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子が議長を務める「サウジアラビア公的投資基金」(PIF)は、「ザ・ムカーブ」プロジェクトについて「最新かつ革新的なテクノロジーを取り入れた、並外れたランドマーク」としている。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
建設プロジェクトの目的はきわめて明快:インパクトのある立方体フォルムに幾何学模様を壁面に配した印象的な外観を実現し、同じリヤド市内にそびえるPIFタワー(385メートル)やブルジュ・ラファル・ホテル(308メートル)を超える過去最大の建物をつくることだ。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
「ザ・ムカーブ」の内部には壮大なアトリウムそしてらせん状の塔がいくつもおかれる予定だ。つまり、インパクトのある外観に対し、内部空間では伝統的なナジディ建築の特徴を反映させるというアイデアだ。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
「ザ・ムカーブ」はほかに類を見ないとくべつな設備を備え、空間を最大限に活用できるフォルムをもった、世界最大の建造物のひとつつになるでしょう、と「サウジアラビア公的投資基金」はコメントしている。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
ところで、「ザ・ムカーブ」にはいったいどんな施設が入るのだろう?200万平方メートルにおよぶ内部空間には、住宅、ホテル、ショップ、文化施設および観光スポットがおかれるという。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
建設プロジェクトのプレゼンテーションでは、「ホログラフィーを始め、最新のデジタルやバーチャルテクノロジーを活用したとくべつな体験ができる、世界初のイマーシブ(没入型)空間になるでしょう」と述べられている。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
しかもプロジェクトはそれだけにとどまらない。「サウジアラビア公的投資基金」では「ザ・ムカーブ」を中心とする新たな地区「ニュー・ムラッバ」を開発、リヤドを「世界最大の現代都市」とすることを目指しているのだ。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
新地区「ニュー・ムラッバ」は広さ19平方キロメートルを予定、数十万人が居住でき、10万個を超える住宅、客室合計9,000を数えるさまざまなホテル、約90万平方メートルの商業施設がおかれる予定だ。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
さらに140万平方メートルのオフィス、62万平方メートルのレジャー施設、180平方メートルの共用エリアが加わる予定だ。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
新地区「ニュー・ムラッバ」の仕上げとして、高い文化レベルを象徴するミュージアム、工科デザイン大学、没入型シアターも置かれる。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
PIFによれば、このメガプロジェクトの目的は「独自の内部輸送システムに加えて徒歩15分の範囲内に、生活、仕事、レジャーをひとつにした唯一無二のエクスペリエンスを提供すること」としてしている。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
当然ながら「ザ・ムカーブ」の建設は長い期間を要し、竣工は2030年を予定している。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
「ザ・ムカーブ」プロジェクトはその発足以来、サウジアラビアのGDPに約500億ドルという数字で貢献したほか、33万4,000件におよぶ直接的および間接的な雇用を創出。世界でも稀にみる建築プロジェクトとして注目を集めている。
写真: The Mukaab - Web New Murabba
関連記事:イスラエルの砂漠にそびえる輝く塔:高さ240mの「サウロンの目」