世界で最も不動産価格の高い地域

高級エリアは一握りの国に集中

世界で最も不動産価格の高い地域は数えるほどの国に集中している。もっともラグジュアリーな地区や通りという観点から言うとアメリカ合衆国、中国、フランス、イギリス、シンガポールのたったの5か国が上位を独占している。

平均価格

他の地域にも高級物件などはあるだろうが、通りや地区全体となると話は別。平均値が問題となってくるので、有名な高級住宅地でもこのランキングに入っていないということもあり得る。

ニューヨーク：トライベッカ

ニューヨークの高級住宅地と聞いて、トライベッカの名前が思い浮かぶ人は少ないかもしれない。だが、同じサイトによると、この地区の平均不動産価格は370万ドル（約4億８千万円）に達するという。

イギリス：イーシャー

インターネットサイト『rarest.org』によると、イギリスのロンドン郊外にあるイーシャー地区の不動産平均価格は241万ドル（約3億1千万円）にものぼるという。

写真：Heather Mitch / Wikimedia Commons

セントラルパーク周辺の通り

だが、『ビジネス・インサイダー』によると、通りのレベルまで対象を狭めると、ニューヨークでも最も地価の高い地域は次の３つになるという。すなわちセントラル・パーク・サウス、パーク・アヴェニュー、フィフス・アヴェニューの3つで、それぞれ世界で3番目、4番目、7番目に地価が高いという。

パリ：サン・ジェルマン・デ・プレ

『エコノミスト』紙の調査部門が出している「世界生計費調査レポート」によると、パリは世界でも最も生活費のかかる街のひとつと言われている。そのため、地価の観点から言ってもパリが上位にランクインしているのは驚くに値しないだろう。じっさい、パリのサン・ジェルマン・デ・プレ地区の不動産平均価格は420万ドル（約5億4000万円）にも達している。

ワシントン：メディナ

ワシントン州のメディナにはテック企業オーナーの大富豪が多く住んでおり、ビル・ゲイツやジェフ・ベゾスもここの住民だ。この地区には住民を守る個別の監視プログラムがあり、平均不動産価格は620万ドル（約8億円）ほど。

ネバダ：グレンブルック

タホ湖を擁するネバダ州のグレンブルックにはアメリカでも有数のリゾート地がある。『フォーブズ』誌によると、マーク・ザッカーバーグが2018年に物件を購入、ほかのテック企業の役員なども後に続いた。平均価格は750万ドル（約9億8千万円）だが、数億ドル規模の物件も並んでいる。

カリフォルニア：アサートン

BBCによると、カリフォルニア州のアサートンは2020年にはアメリカでも最も裕福な地域だったという。小さな村だが、シリコンバレーの大富豪が何人も居住。物件は最低でも250万ドル（約3億2千万円）ほどで、平均価格は1070万ドル（約13億9千万円）。

ロサンゼルス：パシフィック・コースト・ハイウェイ

同じカリフォルニアならロサンゼルスも負けてはいない。『ビジネス・インサイダー』によるとパシフィック・コースト・ハイウェイは世界で8番目に地価が高いという。この通り沿いにある10の物件は少なくとも2500万ドル（約32億円）以上で取引されたという。

フロリダ州ネイプルズ：ポート・ロイヤル

フロリダ州のネイプルズにあるポート・ロイヤルはメキシコ湾沿いの地域。物件平均価格は1790万ドル（約23億3千万）だ。

パーム・ビーチ：サウス・オーシャン大通り

ちょうどフロリダ半島の反対側に位置するサウス・オーシャン大通りも『ビジネス・インサイダー』の地価ランキングで10位につけている。

シンガポール：パターソン・ヒル

ブルームバーグ社によると、シンガポールは国全体で約720平方キロメートルの面積しかないが、金融では強い存在感を放っている。『rarest.org』によると、そんなシンガポールのパターソン・ヒル地区は平均不動産価格3500万ドル（約45億円）を誇っている。

ロンドン：ケンジントン

『ビジネス・インサイダー』ではケンジントンがロンドンの中でももっとも地価の高い地域とされている。多くのビリオネアや大使館、そしてケンジントン宮殿が軒を連ねる高級住宅地だ。イギリスの不動産サイト『Zoopla』によると、平均価格は3610万ドル（約47億円）とのこと。

ロンドン：グロブナースクエア

ケンジントンのすぐ近く、ハイド・パークを越えたところには世界で5番目に地価の高い通りがある。『ビジネス・インサイダー』によると、13件ものウルトラ・プライム物件（2500万ドル（約33億円）以上の物件）がこの地域で取引されたという。

香港

香港の事情は複雑だ。最も地価が高い通りとしては3つがランクインしているが、地区全体ではそれほどの平均価格になっていない。『ビジネス・インサイダー』によると、マウント・ニコルソン・ロード（聶高信山道）、マウント・ケレット・ロード（加列山道）、コンデュイット・ロード（干德道）の3つの通りで、合わせて55件のウルトラ・プライム物件が取引されたという。

アメリカではかつてない売り上げに

新型コロナウイルスによるパンデミックにもかかわらず、アメリカの高級不動産市場は活況だった。『フォーブズ』誌によると、2021年、市場では1億5000万ドル以上の取引があり、かつてない規模となったという。2022年の数字はまだ明らかになっていないが、おそらくは2021年同様活発な動きがあっただろう。