モロッコ大地震:過去120年余りで最大の揺れを観測
今月8日午後11時11分(現地時間)、北アフリカのモロッコ中部でマグニチュード6.8の強い地震が発生。15日で一週間がたつが、現地の状況はいまだ混乱をきわめている。
モロッコ内務省によれば現在死者が約3,000人、負傷者は5,600人を超えている。モロッコで起きた地震の死者数としては、1960年2月に南西部のアガディール沿岸を襲った地震で13,000人以上が死亡して以来、最多となっている。
いまだがれきの下敷きになっている人は多く、現地では崩れた建物の撤去や行方不明者の捜索が続けられている。
負傷者には重症あるいは重体のケースもあり、死傷者の数は各地でさらに増える可能性がある。
モロッコ内務省はスペイン、英国、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)の4カ国の支援受け入を発表、各国から救助隊が派遣された。さらに、フランス、ベルギー、イタリア、イスラエルなども支援の用意を示している。
サッカー界のレジェンド、クリスティアーノ・ロナウドがマラケシュに保有するホテル「ペスターナ CR7 マラケシュ」を被災者に開放したというニュースが流れたが、ホテル側はこれを否定。フェイクニュースだったようだ。
9月9日、国王モハメッド6世は国として3日間喪に服すことを宣言、全国で半旗が挙げられた。
被災地では家々が崩壊し、地域全体ががれきと化し、地面も見えなくなっている。人々は着の身着のままで戸外に飛び出し、余震を恐れて夜は路上で寝ているという。
今回の震源は古都マラケシュから南西約75キロのアトラス山脈で、深さは約20キロとされる。これまで地震が多い地域とは見なされていなかった地方だ。
モロッコではジブラルタル海峡に近い北部が地震多発エリアとされている。2004年には地中海に面した港町アル・ホセイマでマグニチュード6.3の地震が発生、630人が命を落としている。
今回震源地となったアトラス山脈は国の南西部にあり、山岳地帯では道路が寸断されるなど支援物資が届きにくくなっている。
今回発生した地震はマグニチュード6.8。米地質調査所によれば、モロッコでは1900年以降にマグニチュード5以上の地震が9回起きているが、6.8の大きさは初めてで、過去120年余りで最大規模となった。
前代未聞の地震により甚大な被害が広がっているモロッコ。救助活動が進展し、1人でも多くの命が救われることが望まれる。