ウクライナ軍が旧ソ連製防空ミサイルで敵のSu-25攻撃機を撃墜

携帯式防空ミサイルで敵機を撃墜
ターゲットはロシア軍のSu-25攻撃機
「9K38 イグラ」とは?
初めて配備されたのは1983年
旧式だが、いまだに現役
防空ミサイル発射を捉えた動画
墜落・爆発したSu-25攻撃機
「ウクライナ領空はより安全になった」
親露派ブロガーもSu-25の撃墜を確認
パイロットは入院中?
パイロット救出作戦を妨害したウクライナ軍
攻撃を受けたロシア軍ヘリ
自力で飛び去ったロシア軍ヘリ
撃墜の現場はどこ?
昨年8月にもロシア軍のSu-25を撃墜
ロシア軍は敵陣地を攻撃するためSu-25を使用
ロシア軍が失ったSu-25は38機
携帯式防空ミサイルで敵機を撃墜

ウクライナ軍は最近、携帯式の防空ミサイルを用いてロシア軍のSu-25攻撃機を撃墜したと発表。その様子を捉えた動画もSNS上で公開されており、撃墜は事実だと見てよさそうだ。

 

 

ターゲットはロシア軍のSu-25攻撃機

ウクライナの軍事情報サイト「Militarnyi」によれば、ウクライナ軍の第28独立機械化旅団および57独立自動車化歩兵旅団の兵士らは携帯式防空ミサイル「9K38 イグラ」を用いて、ドネツク州トレツク近郊で敵のSu-25攻撃機を撃ち落としたそうだ。

画像:Telegram @ombr_28

「9K38 イグラ」とは?

ロシア製の携帯式防空ミサイル「9K38 イグラ」。軍事情報サイト「Army Recognition」はこの兵器について、やや旧式だと指摘している。

 

初めて配備されたのは1983年

「9K38 イグラ」が旧ソ連軍に配備されたのは1983年のこと。以来、この兵器は多くの国々で採用されることとなった。本来のターゲットは軍用機や巡航ミサイル、ヘリコプターだが、現在では無人機やドローンの撃墜にも使用されている。

画像:Wiki Commons By Vitaly V. Kuzmin, CC BY-SA 4.0

旧式だが、いまだに現役

旧式であるとはいえ、「9K38 イグラ」はいまだに現役だ。例えば、2024年12月にはウクライナ軍の防空部隊がこの兵器を利用して、ロシア軍の発射した巡航ミサイルを撃墜している。その様子はウクライナ軍によって動画に撮影されており、ウクルインフォルム通信によって公開されることとなった。

画像:Facebook @kpszsu

防空ミサイル発射を捉えた動画

さて、今回のSu-25撃墜を撮影した動画には、ウクライナ兵が塹壕から「9K38 イグラ」を発射する様子が捉えられていた。ただし、防空ミサイルの軌道や敵戦闘機に命中する瞬間は映っていなかった。

画像:Telegram @ombr_28

墜落・爆発したSu-25攻撃機

動画ではその後、Su-25攻撃機がゆっくりと墜落するシーンに切り替わる。映像からはこの戦闘機がどちらの軍に所属するものなのか定かではないが、ウクライナ・ロシア双方の報道でロシア軍のものだと伝えられている。

画像:Telegram @ombr_28

「ウクライナ領空はより安全になった」

『ニューズウィーク』誌によれば、ウクライナ軍の第28独立機械化旅団はTelegram上に、「第28独立機械化旅団の兵士らが敵のSu-25を撃墜しました! わが軍の防空部隊のおかげで、トレツクの戦線からロシア軍機が1機減ったのです。ウクライナ領空はより安全になりました!」と投稿したとのこと。

画像:Telegram @ombr_28

親露派ブロガーもSu-25の撃墜を確認

同誌いわく、同機パイロットの安否は不明。一方、親露派軍事ブロガーの「Fighterbomber」は撃墜された機体について、ロシア軍所属のSu-25攻撃機であり、パイロットは病院に搬送されたと主張している。

画像:Telegram @ombr_28

パイロットは入院中?

同ブロガーいわく:「わが軍は航空機を1機失ったが、これはよくあることだ。パイロットは入院しているが、命に別状はない。歩兵隊のおかげだ」けれども、ウクライナ軍が公開した動画には、撃墜されたパイロットを救助するためにやってきたロシア軍ヘリがウクライナ軍に妨害される様子も映っていた。

画像:Telegram @ombr_28

パイロット救出作戦を妨害したウクライナ軍

「Militarnyi」によれば、ロシア軍はSu-25を脱出したパイロットを救出するため、ヘリコプター2機を出動させたという。しかし、第28独立機械化旅団の兵士らによって、この救出作戦は妨害を受けることとなった。

画像:Telegram @ombr_28

攻撃を受けたロシア軍ヘリ

第28独立機械化旅団はドローン4機を用いてロシア軍ヘリを攻撃。うち2機は地上に着陸したロシア軍のMi-8を襲撃し、残りの2機は飛行中の敵ヘリに攻撃を仕掛けたという。

画像:Telegram @ombr_28

自力で飛び去ったロシア軍ヘリ

「Militarnyi」いわく:「映像から判断すると、ドローンは敵のヘリコプターに重大な損傷を与えることはできず、ロシア軍ヘリは自力で現場から飛び去ることができたようだ。とはいえ、パイロットの救出を妨害することには成功している」

画像:Telegram @ombr_28

撃墜の現場はどこ?

Telegramチャンネル「War in Ukraine. Loss of equipment.」はSu-25攻撃機の撃墜現場について、ドネツク州ザイツェヴェ村付近だと特定。

画像:Telegram @ombr_28

昨年8月にもロシア軍のSu-25を撃墜

ウクライナ軍の第28独立機械化旅団がロシア軍のSu-25を撃墜したのは今回がはじめてではない。2024年8月にも、同旅団は対空砲を用いて敵のSu-25を撃墜したと報じられているのだ。

画像:Telegram @ombr_28

ロシア軍は敵陣地を攻撃するためSu-25を使用

「Militarnyi」によれば、ロシア軍は「ウクライナ国防軍の陣地を空中から無誘導ミサイルで攻撃するために」Su-25攻撃機を使用しており、ロシア軍パイロットらは「前線付近にあるウクライナ軍防空部隊の射程圏内」に入らざるを得ないとのこと。

ロシア軍が失ったSu-25は38機

画像や映像を用いて両軍の損失を推計しているオランダのオープンソースインテリジェンス大手「Oryx」によれば、ロシア軍は開戦以来、Su-25を38機失ったとされている。

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