戦闘を放棄するロシア兵たちの証言:ウクライナで何が起こっている?

戦闘を拒否
ウクライナ侵攻に疑問を呈するロシア兵たち
戦闘放棄
知らされていなかった行き先
何も知らないロシア兵たち
「何しに来たんだ?」
不名誉な軍事行動
予想外の反撃
戦闘放棄の決断
訴追される可能性
「これは自分たちの戦争ではない」
守られない約束
ロシア兵の離脱が相次いでいると主張するウクライナ
「ロシア兵士の母の委員会連合」
脱走兵ではない
上官次第
悲惨な戦場の証言
統制のとれない軍隊
ロシア側の犠牲者は3万人?
「戦場に行くとは知らなかった」
「騙された」
大量の離脱者は出ない
国家総動員令は発令されるのか?
先行きの見えない戦争
戦闘を拒否

兵士が戦場で戦闘を拒否するのは容易なことではない。母国に対する裏切りとして、厳しく処断される可能性もあるのだ。

 

ウクライナ侵攻に疑問を呈するロシア兵たち

ウクライナに送られたロシア兵たちの一部には、この戦争の大義に疑問を抱いたり残虐行為に加わりたくないと考えたりして、戦闘を放棄する者も出ているという。

戦闘放棄

戦闘放棄を決断したロシア兵たちの証言は、ウクライナ侵攻の現実を雄弁に物語っている。

知らされていなかった行き先

CNN放送が取材したロシア軍将校(名前は明かされていない)の証言によれば、彼の所属する大隊はクリミアに向かうはずだったが、いつの間にかウクライナ領内に送り込まれていたという。彼自身も大隊の同僚たちも開戦を知らされていなかったにもかかわらず、戦場で武器を取らされることになってしまったのだ。

 

 

何も知らないロシア兵たち

CNNに証言を行った将校の場合、ウクライナの「非ナチ化」作戦に加わることは知らされていなかったという。

「何しに来たんだ?」

それどころか、ロシア兵たちも自分たちがウクライナに派遣された理由をよくわかっていないようだ。前述の将校はCNN放送に対し「自分たちは『ウクライナのネオナチ』に立ち向かうという大義を叩き込まれて戦場に送られたわけではない。大半の兵士たちは戦争の目的も、自分たちが何しにウクライナにやって来たのかもわかっていなかった」と証言した。

 

不名誉な軍事行動

このロシア軍将校は、母国のウクライナ侵攻を不名誉だと感じていると報道機関に述べた。

 

予想外の反撃

また、ウクライナ側の激しい反撃に晒されたことで「最初の1週間ほどはショックだった。何も考えることができなかった」という。

戦闘放棄の決断

このロシア軍将校は、ウクライナの人々がロシア軍に対して激しい拒否反応を示すのを目の当たりにして戦闘放棄を決断したとCNN放送に語った。

 

訴追される可能性

軍事専門家によれば、兵士の戦闘放棄は合法だという。しかし、前述の将校の場合、戦闘を放棄すれば訴追するという警告を押し切っての決断だった。幸い彼は戦場を離脱することができたが、必ずしもうまくゆくとは限らないのだ。

「これは自分たちの戦争ではない」

ロシア・ウクライナ両陣営ともに激しいプロパガンダ合戦を展開しており、戦場の実態ははっきりしない。しかし、かなりの数のロシア兵が戦闘を拒否しているというのは事実のようだ。匿名でロイター通信に証言したロシア兵は「これは自分たちの戦争ではない」と述べたという。

 

守られない約束

ロイター通信に証言した兵士によれば、ロシア軍は自軍の兵士に対する約束すら守っていないようだ。「(出撃前に)整列させられ、全員に日当が出るほか、戦闘に対する特別手当や表彰もあると言われた」しかし、その約束は果たされなかったという。「私たち14人は武器を置くことにしました」彼はそう続けた。

 

 

ロシア兵の離脱が相次いでいると主張するウクライナ

ウクライナ当局の発表によれば、ロシア軍では階級(兵士、将校、通常部隊、エリート部隊)を問わず戦闘を放棄する者が相次いでおり、70%近い離脱者を出した部隊もあるという。しかし、プロパガンダに過ぎない可能性もあり、どこまで事実に即した情報であるのか知るのは難しい。

 

 

「ロシア兵士の母の委員会連合」

「ロシア兵士の母の委員会連合」のヴァレンティナ・メルニコヴァによると、正確な数ははっきりしないものの、戦闘放棄を表明しているロシア兵は多数に及んでいるという。

 

脱走兵ではない

今のところ、ロシア兵は契約の内容に従って戦闘を放棄する権利を保持している。というのも、ロシア政府はウクライナに対し宣戦布告を行っていないため、強制的な徴兵はできないのだ。したがって、軍規に則って戦闘を放棄する限り、脱走には当たらないのである。

 

上官次第

しかし、ロシア兵士の母の委員会連合によれば、戦闘放棄は容易ではないという。上官に申請を行わなくてはならないが、却下されてしまうこともあるからだ。すべては上官の判断次第なのだ。

 

悲惨な戦場の証言

戦闘を放棄したロシア兵たちの証言は、当局の発表とは違って悲惨だ。CNN放送が取材したロシア兵は「私たちは薄汚れて疲れ切っていました。周囲では人々が死にかけているのです。私は自分がこんな災難の一部だとは思いたくありませんでしたが、事実そうだったのです」

 

 

統制のとれない軍隊

開戦直後こそ悲惨な状態に陥ったロシア軍だったが、徐々に持ち直し、占領地の拡大に成功しつつある。しかし、統制の欠如や物資不足に悩まされ、膨大な死傷者を出しているのもまた、事実である、

 

ロシア側の犠牲者は3万人?

ドイチェ・ヴェレ放送は、ロシア軍はウクライナ侵攻ですでに2万9,200人の犠牲者を出したと推定している。また、NATOはロシア軍の戦死者数を7,000から1万5,000人と推計。しかし、ロシア当局の公式発表では1,351人だとされている。

 

「戦場に行くとは知らなかった」

どこに派遣されるのか知らなかったと証言する兵士は少なくない。開戦直後には、捕虜となったロシア兵が母と電話することを許可され、ロシア軍が民間人を標的にしていると話す様子も公開された。ただし、ウクライナ側による、このような映像の公開はジュネーブ条約違反である。捕虜を人前に晒したり、プロパガンダに利用したりすることは禁止されているためだ。

 

「騙された」

また、世界中に拡散された別の映像では、単なる軍事演習だと思い込まされていた兵士たちが「騙された」と感じて、帰国を希望する様子も公開された。

 

大量の離脱者は出ない

しかし、西側のメディアが戦闘放棄したロシア兵たちの証言を手に入れたからといって、ロシア軍内で大量の離脱者が出るわけではない。

 

国家総動員令は発令されるのか?

プーチン政権には宣戦布告および国家総動員令の発令という手段も残されている。そうなれば、ロシア政府は多数の一般市民を動員することもできるようになるのだ。

 

先行きの見えない戦争

しかし、徴兵が強制されるような事態になれば、ロシア社会に大きな不安が広がるのは間違いない。万が一、プーチン政権がそのような手段に訴えた場合、この戦争はますます先行きが見えなくなってしまうかもしれない。

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