米大学バレーボール:トランスジェンダー選手が物議を醸す

トランスジェンダー選手を巡る議論
ブレア・フレミング
ブルック・スラッサー
メディアで自身の意見を表明
男女別スポーツを推進する女性アスリート代表
NCAAに対する集団訴訟に参加
タイトルIXとは
「体格的に相手チームを圧倒する」
アシスタントヘッドコーチが解任させられる事態に
「女子スポーツには女性だけが参加すべき」
厳重体制下で試合は実施
フレミングからの公式コメントはない
スラッサーの主張
コート上では団結力を見せる
コート上では勝つことに集中している
プレーオフ出場が確実視されている
トランスジェンダー選手を巡る議論

全米大学体育協会(NCAA)の女子バレーボールで、トランスジェンダー選手を巡り議論が巻き起こっている。

 

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

ブレア・フレミング

サンノゼ州立大学所属のブレア・フレミングはトランスジェンダーであり、キルと呼ばれるブロックを今シーズン250回記録するなど、華々しい成績を残している。

ブルック・スラッサー

一方、チームのキャプテンであるブルック・スラッサーは、自身の安全と競技の公平性を保つため、フレミングにチームから離脱するよう求めてきた。

メディアで自身の意見を表明

複数の大学がサンノゼ州立大との対戦を拒否した結果、今シーズンは7試合が棄権となり、スラッサーはフレミングとNCAAを激しく批判。「FOXニュース」や「アウトキック」などの米保守系メディアのインタビューに応じ、また定期的にXで自身の意見を投稿している。

男女別スポーツを推進する女性アスリート代表

2022年のNCAA女子選手権で、トランスジェンダーの水泳選手リア・トーマスと競い合ったライリー・ゲインズのように、スラッサーは男女別スポーツを推進する女性アスリートの代表となったのだ。

NCAAに対する集団訴訟に参加

英「ロイター通信」によるとスラッサーはフレミングが他チーム、そして自分自身に及ぼすリスクを懸念し、NCAAへの集団訴訟に参加。ゲインズが中心となり、5,000万ドル(約77億円)の賠償金を求めて提訴を行なったという。

タイトルIXとは

今回の集団訴訟では公的教育機関での性差別を禁止した、連邦法のタイトルIXが争点となっている。具体的には、NCAAが性自認に基づいて男性出身選手の女子スポーツへの出場を認めていることは、タイトルIXへの違反だと訴えたのだ。

「体格的に相手チームを圧倒する」

米紙『サンフランシスコ・クロニクル』によると、スラッサーは集団訴訟の中でフレミングのことを「身長は約185cmで、体格的に相手チームを圧倒するトランスジェンダーの選手」と表現。また平均的な男子大学生に比べると32kmも速い時速128km以上のスピードで、フレミングがスパイクを打てると主張している。

アシスタントヘッドコーチが解任させられる事態に

加えてスラッサーはフレミングが相手チームと共謀して、コート上で彼女を負傷させたと主張。米「FOXニュース」によると、アシスタントヘッドコーチのメリッサ・バティ・スムースとともに大学に苦情を申し立てたが、その後コーチは解任されてしまったそうだ。

「女子スポーツには女性だけが参加すべき」

「サンノゼ州立大学は言論の自由を妨げ、正義のために声を上げた人々を黙殺しようとしています。女子スポーツには女性だけが参加すべきです」と、スラッサーは米保守系ニュースサイト「アウトキック」に語った。

厳重体制下で試合は実施

フレミングに対する反発は激しさを増し続けている。10月以降の試合には警察官が常駐。11月9日のサンディエゴ州立大学との試合では、約200人が抗議のため集まったと同ニュースサイトは報じた。

フレミングからの公式コメントはない

一方のフレミングは今回の件について、正式なコメントを未だ発表していない。実のところ、彼女自身はトランスジェンダーであることを公言していないのだ。

スラッサーの主張

フレミングがトランスジェンダーであると公に抗議しているのはスラッサーだけであり、2人が遠征で同室になった際、フレミングから男性として生まれたと打ち明けられたそうだ。

画像:Instagram @brookeslusser04

コート上では団結力を見せる

コート外ではフレミングを厳しく批判するスラッサーだが、コート内では他のチームメンバーと変わらず、得点の合間にハイタッチやハグを交わす姿が見られると米紙『サンフランシスコ・クロニクル』は報じている。

コート上では勝つことに集中している

コロラド州立大学との試合後、スラッサーはこう語った。「コート上では、お互いを尊重することを一番大事にしています。私たちは全員、バレーボールの試合に勝つという一つの目標のためにここに来ているんです。私生活での出来事や、チームメイトの抱える事情は関係ありません」

プレーオフ出場が確実視されている

サンノゼ州立大学は現在、マウンテン・ウェスト・カンファレンスで2位であり、12月のプレーオフ出場は濃厚。コート外での問題が連日取り沙汰される中、変わらずレベルの高いパフォーマンスを続ける2人の動向に注目が集まっている。

 

Sports Unlimited News をフォローして世界のスポーツをいつも手元に

ほかのおすすめ