相次ぐ失格を乗り越え活躍するスピードスケート選手、ジョイ・ブウネ
オランダ最高のスピードスケート選手、ジョイ・ブウネ。だが、そんな彼女のキャリアには多くの波乱があった。その経歴を振り返ってみよう。
ブウネは1999年4月28日、オランダの都市ボルネで生まれた。9歳の時に地元のクラブでスケートを始め、後にオランダの若手養成チーム「RTC オースト」に参加、プロ選手への道を歩み始めた。
ブウネは若いころから才能を発揮し、ジュニア時代から輝かしい成績を収めてきた。2017年の世界ジュニアスピードスケート選手権大会では3000mで金メダルを獲得、翌年はなんと1000m、1500m、3000mのすべてを制覇し、ジュニア世界記録も樹立した。
2018年には名門チーム「LottoNL-Jumbo」に2年契約で加入。期間中は個人記録も更新する大活躍でさらに2年間の契約更新を獲得した。
2022年には2017年創設の新チーム「Team IKO」に移籍した。
2023年はさらなる挑戦の年となり、オランダのヘーレンフェーンで開催された世界距離別スピードスケート選手権大会に参加。世界的にも評価の高い大会への参加となった。
ブウネの調子も良く、チームは最速記録を出すなど好調に思えた。だが、レース中にブウネの足首が露出していた(スピードスケートでは違反行為とされる)ことが発覚、チームが失格になってしまう。結局金メダルはカナダの手に渡り、喜びはつかの間のものとなった。大会後、ブウネは「ぜんぶ私のせいです」と語っていたとオランダのオンライン紙『Nu.nl』が伝えている。
2023年にはさらなる波乱が待ち構えていた。ポーランドのトマシュフ・マゾビエツキで開催されたワールドカップでのレース中、ブウネはタイム記録用のトランスポンダをつけ忘れてしまったのだ。オランダチームはこの時も最速で滑っていたが、またしても失格となった。ブウネはオランダの公共放送「NOS」キャスターにこう語っている:「レース前にトランスポンダをチェックしたのですが、無くなっていました。誰かが取ったんです。とはいえルールはルールですから、滑りはじめるしかありませんでした」
ブウネは罪悪感に苛まれこそしたものの、自らの挑戦をやめることはしなかった。2023年末にはダイキン・オランダ・スピードスケート・シングル距離別選手権大会で1500mで金、5000mで銀と好成績を収めて雪辱を果たす。2024年に入ってからも、欧州スピードスケート選手権大会でチーム戦での金メダル獲得に貢献したほか、1500mで銅メダルも獲得している。
そんなブウネだが、実はスケートリンクの外でも人気があり、インスタグラムでは30万人ものフォロワーを集めている。投稿は私生活を写したオフショットが中心で旅行や普段着の様子が見られるほか、練習風景を紹介することも。また、インフルエンサーとしてスポンサーのブランドの商品を紹介することもある。
画像:Instagram, @joybeune
2019年から交際中のスピードスケート選手、キエルド・ナウシュとのツーショットが投稿されることもある。これからの活躍に期待しよう。
画像:Instagram, @joybeune