次回「ツール・ド・フランス」のルートが明らかに:最終ゴールはパリのシャンエリゼ大通り!
来年に第112回目を迎えるツール・ド・フランスのルートが明らかになった。今度の大会は7月5日にリールからスタートし、白熱の平坦ステージや熾烈を極める山岳ステージなど、多くの見どころが配されている。
前回大会がフランス国外からのスタートだったのに対し、第112回ツール・ド・フランスはオー=ド=フランス地域圏の首府ニースから出発し、パリでゴールを迎えるという伝統的なルートをたどる。ニースを出発し、第3ステージまではフランス北東部のオー=ド=フランス地域圏をめぐる。
第4ステージからは、北西部のノルマンディーに移動し、カーンの町での33kmのタイムトライアルを含む3つのステージを行う。比較的平坦なルートが続くため、スプリンターや短距離のアタックが得意なパンチャーが有利になるだろう。
サン・マロから始まる第7ステージは急勾配を含む過酷なステージ。ライダーたちはブルターニュの田園地帯を抜け、「ブルターニュの壁」と呼ばれる山岳を駆け抜ける。上りを得意とするクライマーとパンチャーとの間で激戦が繰り広げられるだろう。
第8ステージからは、南下してピレネー山脈に向かうが、途中でオーヴェルニュの山岳地帯を越えなければならない。2025年大会の最初の山岳ステージは第10ステージに設定されており、合計7回の登りが予定されている。その翌日にランナーは休息日をとり、次のステージが行われるトゥールーズに向かう。
第12ステージからは、ピレネー山脈で3連戦が行われる。第12ステージは、オタカム峠での山頂フィニッシュに設定されており、ランナーにとっては試練の始まりと言えるだろう。
写真提供:ツール・ド・フランス
第13ステージは、山岳でのタイムトライアル。11kmのコースのうち8kmにわたる登り坂は、平均勾配7.9%の急勾配。このステージが総合優勝に向けて勝負を分けることになるだろう。
翌日の第14ステージでは、ピレネーの4つの峠にランナーが挑む。このコースが採用されたのは1989年以来で、勝負を分ける山場になることだろう。
写真提供:ツール・ド・フランス
ピレネー山脈を抜け、カルカソンヌでスプリンター向きの第15ステージを終えると、2度目の休息日となる。第16ステージでは、「プロヴァンスの巨人」の異名をもつモン・ヴァントゥの山頂を目指す。
第17ステージは比較的平坦な道のりで、スプリンターにとっては勝負のステージになるだろう。アルプスでのステージとパリでのフィニッシュを控えて、ランナーたちにとっては束の間の平穏な行路となる。
第18ステージでは、2年前にタデイ・ポガチャルが大きく遅れ、観客に衝撃を与えたロゼ峠がコースに組み込まれている。マドレーヌ峠での勝負にも注目だ。第19ステージは、多数の峠を通過する今大会最大の難所だ。そして最後は、23年ぶりにラ・プラーニュの頂上がフィニッシュ地点に設定されている。
スイスとの国境地帯を通る第20ステージを経て、ツールは2年ぶりにパリのシャンゼリゼでフィニッシュを迎える。果たして第112回大会にはどんなドラマが待ち受け、誰が王者に輝くのだろうか。今大会から眼が離せない。