サッカー史上、もっとも物議を醸したゴールとは

物議を醸したゴール判定
アリエン・ロッベン/オランダ対メキシコ(2014年)
本人も認めたダイブ
ディエゴ・マラドーナ/アルゼンチン対イングランド(1986年)
「神の手」
ジェフ・ハースト /イングランド対西ドイツ(1966年)
現在でも論争の的
フランク・ランパード/ドイツ対イングランド(2010年)
「幻のゴール」
ルイス・ガルシア/リヴァプール対チェルシー(2005年)
リヴァプールは決勝へ
ファビオ・グロッソ/イタリア対オーストラリア(2006年)
イタリアが優勝
ティエリ・アンリ/フランス対アイルランド(2009年))
手を使ってゴールをアシスト
リバウド/ブラジル対トルコ(2002年)
ハカン・ウンサルが退場
ハラルト・シューマッハ/西ドイツ対フランス(1982年)
反則すら取らなかった主審
ティノ・リブラメント/パリ・サンジェルマン対ニューカッスル(2023年)
ビデオアシスタントレフェリー
物議を醸したゴール判定

近年ではVAR判定が主流になったが、サッカーでは時に物議を醸すようなゴールが生まれてきた。今回は際どい判定で世界中に物議を醸したゴールを紹介していこう。

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アリエン・ロッベン/オランダ対メキシコ(2014年)

同世代最高峰の卓越したドリブルとシュートの技術で知られているアリエン・ロッベン。しかし、2014年ワールドカップ・ブラジル大会の決勝トーナメントで披露したのは別の特技だった。

本人も認めたダイブ

メキシコのジオバニ・ドス・サントス(写真右)のゴールで先制されるも、ヴェスレイ・スナイデルのゴールで同点にしたオランダ。さらに後半の土壇場で、ラファエル・マルケスに倒されたロッベンにペドロ・プロエンサ主審がPKを与え、2-1の逆転勝利をおさめた。本人もダイブだと認めるPK判定にメキシコ国民は憤慨し「PKではなかった」というオンライン・キャンペーンを立ち上げた。このゴールにちなんだ歌まで流行ったという。

ディエゴ・マラドーナ/アルゼンチン対イングランド(1986年)

ワールドカップ史上最も物議を醸したゴールといえば、1986年メキシコ大会のディエゴ・マラドーナのものだろう。飛び出してきたゴールキーパーのピーター・シルトンより先にマラドーナの左手がボールに到達した。ボールはそのままゴールに吸い込まれ、主審はゴールと認定。最終的にアルゼンチンが試合を制し、国民を大いに熱狂させた。1982年の「フォークランド紛争」でイングランドに敗れたリベンジの象徴となったのだ。

「神の手」

イングランド側は激怒しハンドを主張したが、主審のアリ・ベンナシュールはゴール判定を覆さなかった。アルゼンチンはこの大会で2度目の世界王者となったが、マラドーナのゴールは「神の手」として永遠に語り継がれるようになった。

ジェフ・ハースト /イングランド対西ドイツ(1966年)

1966年、ワールドカップの決勝戦で、開催国イングランドが満員となったウェンブリー・スタジアムで西ドイツと対戦した。延長前半の11分、ジェフ・ハースト(写真右)の放ったシュートがクロスバーに直撃しライン上に落ちた。

現在でも論争の的

スイス出身の主審ゴットフリート・ディーンストはゴールに確信が持てず、線審のトフィク・バフラモフに判断をゆだねた。その結果、ゴールと認められイングランドが4-2でワールドカップ初優勝を遂げた。ハーストはこの試合でハットトリックも達成している。

フランク・ランパード/ドイツ対イングランド(2010年)

2010年ワールドカップ・アフリカ大会の決勝トーナメント1回戦で、イングランドとドイツが対戦した。ドイツが2-0と先行していたが、イングランドが1点を返し追い上げムードとなったところでフランク・ランパードが同点となるシュートを放った。

「幻のゴール」

ランパードのシュートは、GKのマヌエル・ノイアー(写真)の頭上を抜けクロスバーに当たって地面に落ちた。ボールはラインを割っていたようにみえたがゴールとは判定されず、最終的にイングランドは4-1で敗退してしまった。

ルイス・ガルシア/リヴァプール対チェルシー(2005年)

ワールドカップ同様大きな盛り上がりをみせるチャンピオンズリーグ。2005年にリヴァプールとチェルシーが準決勝で対戦した時のゴールも大きな論争となった。スタンフォード・ブリッジでの第1戦を0-0で終え、地元で行われた第2戦でリヴァプールのルイス・ガルシアがシュートを放った。チェルシーのウィリアム・ギャラスが、このシュートをクリアしたかに見えたが、主審はゴールの判定を下した。

リヴァプールは決勝へ

このゴールが決勝点となり、リヴァプールは決勝へ進出。次のACミランを相手に逆転勝利をおさめた「イスタンブールの奇跡」へとつなげた。しかし、ガルシアの際どい判定のゴールは、後々まで大きな物議を呼んだ。

ファビオ・グロッソ/イタリア対オーストラリア(2006年)

2006年ワールドカップ・ドイツ大会のラウンド16でオーストラリアと対戦したイタリア。後半にファビオ・グロッソがルーカス・ニールと接触しPKを得た。このPKをフランチェスコ・トッティが冷静に決め、イタリアはベスト8に進出。

イタリアが優勝

最終的にイタリアはドイツ大会で王者となったが、オーストラリア戦でグロッソに与えられたPKが後々まで大きな論争を呼んだ。

ティエリ・アンリ/フランス対アイルランド(2009年))

2009年、フランスとアイルランドが2010年ワールドカップ・南アフリカ大会の本戦出場をかけたプレーオフを行った。延長前半の終了間際、フランスのティエリ・アンリがマラドーナを彷彿させる「神の手」を披露し大きな論争を呼んだ。

手を使ってゴールをアシスト

ウィリアム・ギャラスの同点ゴールをアシストしたアンリは、明らかに左手を使ってボールをピッチ内に戻していた。だが審判団はそれを見逃し、アイルランドの選手達の抗議にもかかわらずフランスのゴールが認められた。

リバウド/ブラジル対トルコ(2002年)

2002年、ワールドカップ・日韓大会のグループステージでトルコと対戦したブラジル。その時のリバウドの名演技が、ゲームの流れを変えた。

ハカン・ウンサルが退場

試合終了間際、トルコのハカン・ウンサルがリバウドに向けてボールを蹴った。ボールが当たったのは足だったが、リバウドは顔面をおさえて悶絶。ウンサルは2枚目のイエローで退場となり、2-1でブラジルが勝利を収めた。

ハラルト・シューマッハ/西ドイツ対フランス(1982年)

1982年のワールドカップ準決勝で、西ドイツとフランスが対戦した。試合は3-3に終わり、PK戦にもつれこむ。5-4で西ドイツに軍配が上がったが、この試合のハラルト・シューマッハ(写真中央)のラフプレーが、国をあげての論争となった。

反則すら取らなかった主審

GKのシューマッハはゴールから飛び出し、フランスのパトリック・バティストンに体当たりをかました。バティストンは意識を失い、歯が2本折れたほか肋骨と脊椎にも深刻な損傷を負った。現在の基準なら一発レッドのプレーだが、主審は反則をとらなかった。

ティノ・リブラメント/パリ・サンジェルマン対ニューカッスル(2023年)

最近では、チャンピオンズリーグ2023-24のグループステージ第5戦が大きな物議を醸した。パリ・サンジェルマン対ニューカッスル・ユナイテッドの後半アディッショナルタイムに、パリ・サンジェルマンのFWウスマン・デンベレがあげたクロスがDFティノ・リブラメントの手に当たったとされ、VARによってPK判定となったのだ。

ビデオアシスタントレフェリー

VAR(ビデオアシスタントレフェリー)は、複数のアングルの試合映像を見ながら主審をサポートする審判員を意味する。その結果、シモン・マルチニアク主審はパリ・サンジェルマンにPKを与え、キリアン・ムバッペが冷静に決めて1-1となり、重要な勝ち点3を得ることになった。

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