アンナ・カスプシャック:デンマークの大富豪オリンピアン
アンナ・カスプシャックの名前には、馬場馬術(ドレッサージュ)のファンの方でも聞き覚えがないかもしれない。彼女はそれほど広く知られているというわけではないが、しかしそのキャリアは実にユニークだ。
馬場馬術の騎手として、アンナ・カスプシャックはオリンピックの2大会でそれぞれ4位と6位に入賞した。これだけでもじゅうぶんユニークな経歴といえるかもしれないが、しかし彼女は他の分野の活躍もいちじるしい。
カスプシャックはビジネスパーソンとして途方もない成功を収めている。『フォーブズ』によると、彼女は30歳そこそこながら、総資産は13億ドルを超えている。アスリートの資産としては世界屈指といえるだろう。
米芸能サイト「Celebrity Net Worth」によると、クリスティアーノ・ロナウドが保有する純資産は5億ドル、リオネル・メッシは6億ドルだという。
従って、アンナ・カスプシャックは最高峰のサッカー選手の二人の資産を合わせたよりもさらに多くの資産を持っていることになる。
このデンマーク人女性は、繰り返すが騎手としても秀でており、デンマークのドレッサージュ・チームとして2012年ロンドンオリンピックでは4位、2016年リオデジャネイロオリンピックでは6位に入賞した。
馬場馬術の個人戦では、カスプシャックはロンドンで14位、リオで18位に終わっている。
2017年のヨーロピアン・ドレッサージュ・チャンピオンシップで、彼女は団体戦で2位というすばらしい成績を残した。
馬場では文字通り馬を巧みに操るカスプシャックだが、ことビジネスの分野では、フェラーリを乗り回しているといったほうがイメージとしては近いかもしれない。
彼女は母のHanni Toosbuy Kasprzakと兄のAndre Kasprzakとともに、デンマークの有名シューズブランド「エコー(ECCO)」を所有しているのだ。
スクリーンショット:Ecco website
エコーは1963年にKarl Toosbuyが創業した。彼はアンナ・カスプシャックの祖父にあたる。よって企業の経営陣は、現在は3代目に引き継がれつつある。
エコーは現在もちろん多国籍企業になっており、『フォーブズ』によると、2021年には14億6000万円の売り上げを得た。
エコーは現在、90の国と地域に事業を展げ、実店舗は2000店にのぼる。オンラインストアも充実している。
アンナ・カスプシャックは母と兄のあとに従い、4歳のときから乗馬を始めた。
スクリーンショット:ECCO website
それから20年後、また母と兄の後を追ってビジネスの世界に足を踏み入れ、エコーの経営陣となったのだ。
アンナ・カスプシャックはプライベートの厩舎をデンマークのHaderslevに所有しており、エコーの経営にかかりきりになって乗馬の腕を鈍らせないようここで練習しているのだとか。