ヨーロッパでもっとも美しい列車ルート
近年、列車の旅が再び注目を浴びるようになっていますが、これには様々な理由があります。たとえば、飛行機よりも手軽で環境にも優しい、じっくり風景を楽しむことができる、などです。しかも、途中下車もできるため、旅の自由度も高まります。つまり、ヨーロッパ中に広がる鉄道網を利用すれば、旧大陸に広がる素晴らしい景色を存分に楽しむことができるのです。
スイスのクールとイタリア北部の街ティラーノを結ぶこの路線はアルプス山脈の高地を貫いており、ベルニナ峠で標高2,300メートル以上に達します。世界有数のパノラマで旅人を楽しませてくれるでしょう。
一方、氷河急行はスイス国内を横断する路線です。ライン渓谷から海抜2,000メートルの高地までゆっくりと走り抜けるため、アルプスの路線の中でも屈指の美しさを誇る景色をじっくり楽しむことができます。
この豪華な寝台特急はバスク地方の街ドノスティアとガリシア地方の巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラを結び、スペイン北部アストゥリアス地方を横断します。路線は有名な巡礼路にあたっており、オビエド大聖堂など歴史的建造物のほか自然遺産など見所がたくさんあります。
近年人気の高い旅行先ボスニアの二大都市、モスタルとサラエボを結ぶ129キロの路線。目がくらむような山脈とヤブラニッツァ湖のエメラルドグリーンの水面が印象的な風景を作り出しています。
ドイツ南部、オッフェンブルクとコンスタンツをつなぐ路線。巨大なモミが生い茂る雄大な山脈、シュヴァルツヴァルトを横断します。スイスとフランスの国境にほど近いこの一帯には、グリム童話の世界が広がっています。
この路線もドイツですが、先ほどとは異なり同国北部の街マインツとコブレンツの間をライン川西岸沿いに走っています。ブドウ畑や絵画のような村落、古城の間を走り抜けるロマンチックなルートです。
わずか約20キロメートルの区間ですが、高低差は865メートルもあり、線路は5%以上の急勾配。山と滝が織りなす素晴らしい景色を眺めることができるでしょう。2014年には『ロンリープラネット』で世界一素晴らしい路線に選ばれています。
ノルウェーの二大都市、オスロとベルゲンを結ぶ路線。ヨーロッパでもっとも標高の高い高原、ハルダンゲル高原を横断する7時間の旅は、旅行者にフィヨルドの広がる雄大な景色を見せてくれます。
黄色い車体にちなみ「カナリア」の愛称で親しまれるセルダーニュ線。フランスで最も標高の高い路線であり、ピレネー山脈の中でもカタルーニャにあたる地域を走っています。歴史的建造物に指定された2つの立派な吊り橋と、息を呑むような山岳風景を楽しむことができます。
ミシュリーヌの愛称で親しまれるコルシカ鉄道はアジャクシオとバスティアをつなぐほか、カルヴィ行きの分岐線もあります。あらゆる面で独特な島の素晴らしい山岳風景を楽しみましょう。
スコットランドを横断し、グラスゴーとハイランド地方を結ぶウェストハイランド線。この壮大な路線では、車窓から荒野の風景を眺めることができます。豆知識:ハリー・ポッター映画版では「ホグワーツ・エクスプレス」として撮影に利用されました。
ポルト市からドウロ川沿いを走る、総延長200km以上の路線。乗客はブドウ園と川の流れが織りなす景色を眺めたり、素敵なピニャン駅に立ち寄ったりできます。
コート・ダジュールの向こう側、イタリアのリグーリア州を走るチンクエ・テッレ急行。この一帯は素晴らしい景色に恵まれているものの、旅行者たちにはまだあまり知られていません。山と地中海に挟まれた5つの街にはカラフルな家が立ち並んでおり、登山愛好家にも海水浴客にもオススメ。
19世紀半ばに敷設されたヨーロッパ最古の山岳鉄道。その一部はユネスコの世界遺産に登録されています。アルプスの壮大な森を走り抜ける41キロの素晴らしいルート。
その名の通りスウェーデン内陸部を縦断するインランド線。スウェーデンの大地を南北1,000キロメートル以上にわたって走り抜けます。湖と森が連なるおとぎ話のような景色には、時おりトナカイの群れが姿を現します。
かつて、選ばれし旅行客たちを西ヨーロッパ、さらにはトルコまで運んだ伝説の路線。現在では、改装された17両の豪華車両がパリを経由してロンドンとヴェネツィアを往復しているほか、ヨーロッパの他の都市に向かうこともあります。そして、年に一度だけイスタンブール行きの特別列車がかつてのルートを辿ります。