79歳で現役!ハリウッドの大女優、ヘレン・ミレンの軌跡
演劇の3冠王を達成し大英帝国勲章も受勲した大女優ヘレン・ミレンは、1945年にロンドンで生まれた。19歳の時に舞台女優としてキャリアをスタートさせ、79歳を迎える今でも女優として活躍し続けている。
初舞台は『アントニーとクレオパトラ』のクレオパトラ役だった。ミレンは1998年にこの役を再演し、アラン・リックマンと共演している。
初めて映画に主演したのはマイケル・パウエル監督の『としごろ』(1969年)で、オーストラリア出身の芸術家が崇めるミューズ「コーラ」を演じた。
ミレンはリーアム・ニーソンとSF映画『エクスカリバー』の撮影現場で出会い、1980年から1985年まで交際していた。そのうちの4年間は一緒に暮らしていたという。
現在の夫であるテイラー・ハックフォードとは1985年に出会った。ミレンがガリーナ役を得た『ホワイト・ナイツ/白夜』の監督を務めていたのがハックフォードだった。
出会いから12年後の1997年、ミレンが52歳の時に二人は結婚した。二人の間に子供はいないが、ハックフォードには以前の交際相手との間に2人の息子(アレクサンダーとリオ)がおり、残念なことにリオは2022年にガンで亡くなってしまった。
大ヒットした警察ドラマ『第一容疑者』のジェーン・テニソン主任警部役はミレンの当たり役となった。俳優としての才能を発揮しながら、1991年から1996年までこのシリーズで主役を務めた。
2003年、演劇芸術分野への貢献が認められ、故エリザベス女王から大英帝国勲章を受勲し「デイム」の敬称をもつことになった。
1994年、ミレンは『英国万歳!』のシャーロット王妃役でアカデミー賞に初ノミネートされた。また『第一容疑者 』シリーズではエミー賞を3回受賞した。
2006年、『クィーン』で主役のエリザベス2世を演じたミレンは大絶賛され、アカデミー賞主演女優賞をはじめ、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー映画賞、批評家賞、映画俳優組合賞など数々の賞を総なめにした。
2014年、69歳になったミレンがロレアル・パリのCMに起用された。以降、広告キャンペーンに起用され、パリのファッションウィークではランウェイを歩いている。
いつも堂々と自分らしく生きるミレンは、すべての女性に対し、年齢に左右されない生き方をしようと力強いメッセージを発信し続けている。
また2008年にはイラスト入りの回想録『In the Frame: My life in Words and Pictures』を発表。何十年にも渡り活躍し続けた女優ミレンの人生のハイライトが収められている。
大ヒットしたTVシリーズ『イエローストーン』のスピンオフ作品『1923』で、ミレンは『モスキート・コースト』(1986年)以来36年ぶりにハリソン・フォードと共演した。『1923』はシーズン1が終了し、ファンはシーズン2の公開を待ち望んでいる。
2017年、ミレンは『ワイルド・スピード ICE BREAK』でジェイソン・ステイサムが演じるデッカード・ショウの母親クイニー役でカメオ出演した。それ以降、最近公開された『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』を含むシリーズの3作品に同役で出演している。
5本の出演作が公開された2023年は、多忙を極めた年となった。3月に公開されたスーパーヒーロー映画『シャザム!~神々の怒り~』ではヘスペラを演じている。
80歳を間近に控えたミレンは、多くの人が引退の道を選んでいるにもかかわらず、現役の女優として活躍している。年齢を重ねるにつれ魅力を増し、美しく輝き続けるミレンから今後も目が離せない。