エンターテイメント界長者番付:2022年にもっとも稼いだのはだれ?

『フォーブズ』誌がランキングを発表
ヒント:ほとんどが男性
ヒント:ほとんどが白人
ヒント:ほとんどが高齢
俳優業だけでは稼げない
ビリオネアではない
10位 バッド・バニー:8800万ドル(約114億円)
9位 テイラー・スウィフト:9200万ドル(約120億円)
8位 ジェームズ・キャメロン:9500万ドル(約123億円)
7位 ローリング・ストーンズ:9800万ドル(約127億円)
6位 ブラッド・ピット:1億ドル(約130億円)
5位 ジェームズ・L・ブルックスとマット・グレイニング:1億500万ドル(約136億円)
4位 トレイ・パーカーとマット・ストーン:1億6000万ドル(約208億円)
3位 タイラー・ペリー:1億7500万ドル(約227億円)
2位 スティング:2億1000万ドル(約273億円)
1位 ジェネシス:2億3000万ドル(約300億円)
『フォーブズ』誌がランキングを発表

『フォーブズ』誌が2022年芸能界でもっとも稼いだ人のランキングを発表した。上位十人は合計で13億ドル(約1700億円)稼いだというのだから衝撃だ。ランキングには意外な人も含まれている。まずはいくつかヒントを提示するので、予想してみてほしい。

写真:カニエ・ウェスト(2021年の5位)

ヒント:ほとんどが男性

2022年はさまざまな女性の活躍も目立った年だったが、ランキング入りした女性はひとりだけ。個人だけでなくグループも対象だが、それもすべて男性で構成されるグループだけだった。とはいえ、2021年のランキングトップ10がすべて男性だったことを考えれば、少しは男女平等に近づいたといえるのかもしれない。

写真:ピーター・ジャクソン(2021年の1位)

ヒント:ほとんどが白人

2022年のトップ10に名を連ねた人のうち、アフリカ系はたったひとり。ほかにはプエルトリコ出身のラテン系の人物がひとりいるだけで、残りはみな白人だ。

写真:ブルース・スプリングスティーン(2021年の2位)

ヒント:ほとんどが高齢

リストを見ればわかるとおり、キャリアは長いほうが有利なようだ。トップ10のうち50歳以下はふたりだけ、しかもその二人は9位と10位という結果となっている。

写真:ポール・サイモン(2021年の7位)

俳優業だけでは稼げない

ハリウッド俳優はセレブの代表という印象だが、トップ10入りした役者はふたりだけ。しかも、どちらも演技だけで大きく稼いだわけではなく、プロデュースにも関わったことが大きかった。それとは対照的に、ミュージシャンはアーティスト業だけで大きく稼いでいた。

写真:ボブ・ディラン(2021年の10位)

ビリオネアではない

もちろんほかの人も経済的に困窮しているわけではないものの、トップ10入りした人のうち真にビリオネアと呼べるのはひとりだけ。さて、ヒントはこのくらいにして、実際にランキングを見てみよう。

写真:ライアン・テダー(2021年の9位)

10位 バッド・バニー:8800万ドル(約114億円)

バッド・バニーは28歳のプエルトリコのラッパー。レゲトンを中心にしたスタイルで広い支持を集めて2022年には二つの大型ツアーを実施、スタジアムでかつてない規模の聴衆を前にパフォーマンスした。コロナビールやチートス、アディダスなどのスポンサーがついたことも大きく、総額8800万ドル(約120億円)を稼いだ。

9位 テイラー・スウィフト:9200万ドル(約120億円)

女性で唯一のトップ10入りとなったテイラー・スウィフト。アルバム販売やストリーミング、ライセンス販売など昨年の収入源は多岐にわたる。そんな彼女だが今年もワールドツアーを予定しており、その人気はチケット販売サイトがクラッシュするほど。というわけで来年もこのリストに顔を出していても驚きではない。

8位 ジェームズ・キャメロン:9500万ドル(約123億円)

ジェームズ・キャメロン監督の最新作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は大成功し、歴代興収ランキング入り。同じく監督を務めた『タイタニック』(1997年:3位)『アバター』(2009:1位)に続く快挙となった。監督もその恩恵にはもちろんあずかり、『アバター』続編で9500万ドル(約123億円)を稼ぎ出した。

7位 ローリング・ストーンズ:9800万ドル(約127億円)

ベテランロックグループのローリング・ストーンズは昨年夏にヨーロッパで15都市縦断ツアーを実施。『フォーブズ』の推計では一晩当たり850万ドル(約11億円)になったという。わずか数週間のツアーにしてはすごい数字だ。

6位 ブラッド・ピット:1億ドル(約130億円)

ブラッド・ピットは自身の映画製作会社「プランB」の株式をフランスの巨大メディアに売却、それが大きな収入となった。プランBが製作した映画には『ディパーテッド』(2006)『それでも夜は明ける』(2013)『ムーンライト』(2016)などのアカデミー賞受賞作品も多い。ブラッド・ピット自身も三作の映画に出演したことも無視できない。

5位 ジェームズ・L・ブルックスとマット・グレイニング:1億500万ドル(約136億円)

ジェームズ・L・ブルックスとマット・グレイニングは有名アニメ『ザ・シンプソンズ』の製作者。もともとアメリカの放送局「FOXテレビ」のシリーズだったが、2019年にFOXテレビをディズニーが買収。『ザ・シンプソンズ』がディズニーの配信サービス「Disney+」で配信されるにあたって、製作陣は年額1億ドル強の契約を交わしたと伝えられている。シリーズは少なくとも2025年まで継続が決定しており、全800話を達成する日も近そうだ。

4位 トレイ・パーカーとマット・ストーン:1億6000万ドル(約208億円)

トレイ・パーカーとマット・ストーンはブラックなユーモアで知られるアニメ『サウスパーク』の製作者。二年連続のトップ10入りとなり、物議をかもすとお金になるというのが証明された形だ。二人が大きな収入を手にしているのは、パラマウントのために製作した『サウスパーク』の新エピソードが9億3500万ドルという巨額の契約になったため。この契約金は6年間にわたって分割して支払われることになっている。

3位 タイラー・ペリー:1億7500万ドル(約227億円)

タイラー・ペリーはハリウッドの何でも屋。俳優として映画に出るほかにも監督・脚本・プロデュースもこなし、自分の会社も所有している。そんなペリーの昨年の収入の多くはアメリカのアフリカ系視聴者向けケーブルチャンネル「ブラック・エンターテインメント・テレビジョン」での出演料やアトランタにある自分の製作会社からの収入だ。ペリーは昨年からの連続トップ10入り。その資産は推計で10億ドル(約1300億円)に達し、トップ10の中で唯一のビリオネアとなっている。

2位 スティング:2億1000万ドル(約273億円)

ミュージシャンのスティングは昨年、ソロ曲や自身が参加していたグループ「ポリス」の楽曲を含めたすべての作品の著作権をユニバーサル・ミュージック・グループに売却、その額は3億ドル(約390億円)にも達すると見積もられている。17回もグラミー賞を受賞したアーティストだけに、レコード会社としてはこれでも元が取れるとの計算だろう。

1位 ジェネシス:2億3000万ドル(約300億円)

歌手のフィル・コリンズらで構成されるロックバンド、ジェネシスは昨年9月、楽曲の著作権をコンコード・ミュージック・グループに3億ドル(約390億円)で売却。契約額はスティングと同等だったが、ツアー収入やロイヤリティなども追加されてトップとなった。

ほかのおすすめ