意外なものまでコワくなる恐怖症の数々:シャワー恐怖症、お金恐怖症......
お金が怖い、というのは奇妙に聞こえるかもしれないが、金銭恐怖症というものも存在する。自分でお金を所有して管理することを極端に恐れてしまうだけでなく、お金持ちのことも怖がり、まして自分がそうなるなどもってのほかだ。
最初に紹介するのはグロボフォビア、風船恐怖症だ。その名の通り風船に対する恐怖症で、お誕生日会や遊園地が恐怖のイベントと化す。風船が割れて大きな音を立てることへの不安感が増幅して感じられ、風船が目に入っただけで落ち着かなくなってしまうのだという。
説明不可能なほどに数字を恐れるのが数字恐怖症だ。学校の算数や数学の授業が大嫌いだったというあなたももしかしたら数字恐怖症かもしれない。数学の問題を解いたり、数字を扱わなければならないというだけで大きな不安感を覚えてしまうというものだ。実際、社会生活の上ではかなり大きな障害となる恐怖症でもある。
写真:Nick Hillier / Unsplash
ノモフォビアとは携帯電話を持たないことへの恐怖症で、その名前は「no mobile phone」という英語に由来する。手元に携帯電話がないと極端に不安になるほかにも、電池が切れそうになったり圏外になったりするだけで症状が引き起こされることも。
黄色を見ると顔が真っ青になってしまうのが黄色恐怖症だ。黄色いものが目に入るのが耐えられないというだけでなく、バナナやマンゴーなど黄色い食べ物も食べられなくなってしまう。
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シャワーやお風呂で体を洗うことを恐れるのが洗浄恐怖症だ。ときどき子供に見られることがあるが、一般に成長とともに治まるとされている。ほかにも、溺れかけるなどの水に関するトラウマ的な経験の結果発症することもあり、しばしば水そのものへの恐怖症と結びついている。
アラチブチロフォビアとは、ピーナッツバターが上あごに付着することへの恐怖症だ。非常にややこしい名前で会話で耳にしたことはないかもしれないが、れっきとした恐怖症のひとつとして知られている。また、大事なのは、怖いのはピーナッツバターそのものではなく、それが口の中に張り付く感覚のほうだということだ。
写真:Giorgio Trovato / Unsplash
数字全般に対する恐怖症もあるが、ある特定の数字への恐怖症も存在する。なかでもよく知られているのが数字の8への恐怖症で、オクトフォビアと呼ばれている。オクトフォビアの人が怖れるのは記号としての数字の8で、無限の記号∞ともよく似たこの形が怖いようだ。
色々な恐怖症の中でもひときわ意外なのがアントフォビア、花恐怖症だ。稀な恐怖症ではあるものの、それを抱える人は花を見るだけで冷や汗をかいたり動悸がしたりするし、ひどい場合にはパニック障害に陥ってしまうこともあるのだという。
雨を極端に怖がるのがオンブロフォビアだ。ネットフリックスのドラマ『窓辺の女の向かいの家の女』を見た人なら、クリステン・ベル演じる登場人物がこの恐怖症を抱えていたことを思い出すだろう。その作品では雨が降るだけで失神するほどだった。この恐怖症は洪水などの記憶と結びついていることが多い。
タイトルの単語を読むことができただろうか。もし最初の一文字をみただけで読み飛ばしていたら、あなたもヒポポトモンストロセスキッペダリオフォビアの可能性がある。というのも、大変皮肉な話だが、これはあまりにも長い単語に対する恐怖症、長大語恐怖症を指す言葉だからだ。子どもやディスレクシア(失読症)の人にはよくあることかもしれない。
特定の食物や、その食物特有の感覚に対して強い恐怖を覚える人もいる。特にチーズに対するものがテュロフォビア、チーズ恐怖症だ。チーズを食べられないのはもちろんのこと、見るのも触るのも嫌なのだとか。
驚きかもしれないが、服を恐れる衣類恐怖症というものも存在する。社会生活上大きな困難がともなうもので、衣類恐怖症を抱える人は、特定の種類の服を恐れることもあれば、衣類全般が耐えられないということもある。後者の場合、そもそも服を着ることもできないということに。
同じく日常生活が困難な恐怖症にオプトフォビアがある。これは自分の目を開けることへの恐怖症で、さまざまなストレス経験へのトラウマから引き起こされることがある。
接触恐怖症の人は人ごみや握手、肩へのちょっとした接触などがあっただけでパニックに陥ってしまう。他人に触られることが耐えられないのだ。
細長いひもが耐えられないのがリノノフォビアだ。服の繊維くらいなら問題はないが、靴紐のついた靴は履けないし、結ぶこともできない。
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へそ恐怖症のひとはへそに触ることができず、他人のへそを見るのにも耐えられない。へそのことを考えただけでも鳥肌が立ち、ほんとうに体調が悪くなってしまう。
もしあなたがひげを生やしていたら、それを恐れる人がいるということは知っておいた方がいいかもしれない。ポゴノフォビアはひげに対する恐怖症で、それを抱える人はひげを生やした人のことは避けている。
物事を決断するのが苦手? ならデシドフォビアのことは知っておいてもいいかもしれない。デシドフォビアの人は誤った決断をすることを恐れるあまり、社会から孤立して自分の生活すらないがしろにしてしまう。また、自分に自信が持てないため、何か決めるときにはつねに助けを求めている。頼る先が友人や家族ならまだしも、星占いに頼ることすらあるのだ。
アレクトロフォビアは別名ガリノフォビアとも呼ばれ、鶏に対する恐怖症を表している。これはオルニトフォビア、つまり鳥類一般への恐怖症と関連が深く、子どものころに鶏小屋で怖い思いをした人などに見られることがある。
エルゴフォビアは労働を極端に恐れることだ。働くこと、あるいは職場のことを考えただけでも強い不安感を覚えてしまう。こうなると仕事に行くのが困難になったり、早退を繰り返したりするようになる。また、就職活動でも症状が引き起こされる。原因は主に過労や職場での嫌な経験などにあるとされる。
わけもなく髪の毛のことが怖く感じたら、それはきっとキトフォビア、毛髪恐怖症だ。キトフォビアの人は長い髪の毛や床に落ちた毛玉、服についた髪の毛などが耐えられず、誰かが髪の毛に触っているのを見るだけでも強いストレスを感じてしまう。
アイソプトロフォビアはカタプトロフォビアとも呼ばれ、鏡を見ることへの恐怖症を指す。鏡恐怖症の人はあらゆる鏡面を恐れ、鏡を見ることができない。
1983年に医学誌『神経・精神疾患ジャーナル』に掲載された研究では、フォボフォビアのことを「漠然とした不安」だとしている。フォボフォビアの患者は不安感や息切れ、動悸など、恐怖によって引き起こされる諸症状を恐れている。それらの症状のせいで命に危険が及ぶと感じているのだ。
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飛行機に乗るのが怖いというのはよく聞くが、シデロドロモフォビアは耳慣れない言葉だ。これは鉄道に乗ることに対する恐怖症を指し、それにとらわれた人はどれだけ不便でも別の交通手段に頼るほかなくなる。鉄道事故を目撃したとか、鉄道旅行でトラブルに遭ったなどの経験が原因になることが多い。
トライポフォビアは小さな穴が集まる様子への恐怖症で、集合体恐怖症と言われることもある。スポンジやハチの巣、さらには蓮の実などをみると頭痛や不安が引き起こされてしまう。