容姿をけなされても大成功、見返してみせた女優たち
世界が認める美人女優たちの中にも、ハリウッドで容姿をけなされた経験のある人は珍しくない。
2008年、とある雑誌によって映画界一の不美人というレッテルを張られたとき、サラ・ジェシカ・パーカーはすでにベテラン女優だった。ハリウッドスターが受けたショックの大きさは想像に難くない。
しかし、『Maxim』につけられた不名誉な称号にもかかわらず、サラはハイブランドのモデルを務めるなど、世界でも屈指のエレガントなファッションリーダーとして活躍している。
さらに、『セックス・アンド・ザ・シティ』でのキャリー・ブラッドショー役は、テレビ・ファッション業界の伝説となっている。
アフリカ系アメリカ人女優として大活躍中のヴィオラ・デイビス。3度のアカデミー賞受賞歴に加え、数々のノミネート歴が彼女の実力を如実に物語っている。
さらに、『殺人を無罪にする方法』のアナリーズ・キーティング役では視聴者を大いに沸かせた。それにもかかわらず、彼女のことを「美人の典型には当てはまらない」と考えるプロデューサーも多い。
しかも、そんな扱いはいつものことだという:「遠回しに不細工だと言ってバカにしてくるのよ」
アカデミー賞受賞歴1回(ノミネート歴7回)、ゴールデングローブ賞受賞歴4回(ノミネート歴13回)という輝かしい記録を誇るケイト・ウィンスレットも容姿をけなされた1人だ。
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輝かしい経歴を誇る彼女だが、若いころは周囲の無理解に悩まされたこともあるようだ。ケイト自身のコメントによれば「14歳のころ演技指導の先生に、君は太っちょの役をやっておけば問題ないと言われた」という。
才能を見いだせる指導者は少ないということか。
1976年、メリル・ストリープはディノ・デ・ラウレンティス監督の息子に呼ばれ、『キングコング』の主役を選ぶオーディションに参加した。しかし、監督は「どうしてこんな不細工なやつを連れてきたんだ」とイタリア語で息子に愚痴をこぼした。
ところが、26歳のメリル・ストリープはイタリア語を話せたのだ。そして「『キングコング』に出られるほど美人でなくてごめんなさいね」とイタリア語で言い返したという。結局、主役はジェシカ・ラングの手に渡った。
わずか3年後、メリル・ストリープは最初のアカデミー賞を獲得。 そして、1982年にはすでにオスカー像2つを手にしていたほか、ノミネート経験も4回に上った。現在、彼女が誇る受賞歴3回、ノミネート歴21回以上という記録はハリウッド史上まれに見る偉業だ。ディノは見る目がなかったのだ。
ヒット曲ランキングの常連というだけでなく、業界で最も影響力のある女性の1人として雑誌などにもよく取り上げられるセレーナ・ゴメス。
この若手歌手兼女優は、世界中の人々に愛されているばかりか、SNS上でも今を時めくセレブの一人だ。
しかし、彼女自身が打ち明けたところによると、ハリウッドで常々「あいつは特別美人というわけではない。もしそうなら、もっと人気がでたのに」と言われ続けているそうだ。
1980年代後半から1990年代初頭にかけて、若者たちを虜にしたウィノナ・ライダー。『ビートルジュース』、『若草物語』、『ヘザース/ベロニカの熱い日』、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』などに出演し、世界中の子供たちの憧れの的だった。
ところが、彼女の無邪気な美しさにもかかわらず「ハリウッドでは通用しない」と言ってのけたキャスティングディレクターがいたという。
そして、ディレクターは彼女に「学生に戻る」よう忠告したのだ。まったく辛辣である。しかし、ウィノナ・ライダーはめげなかった。盗癖のため映画界から一時追放されていたが『ストレンジャー・シングス』で再び脚光を浴びたのだ。また、1993年と1994年にアカデミー賞にノミネートされている。
『SUITS/スーツ』シリーズを見ていた人にとって、メーガン・マークルの美しさと華やかさはお馴染みだろう。ところが、そんな彼女にも悩みはあったようだ。
実際、メーガン・マークル本人は『ダーリン』誌のインタビューに対して、「自分はあまりスリムでもきれいでもないと感じる日もあれば、痩せすぎだったりエキゾチック過ぎたり、あるいはとてもきれいだと思う日もある」とコメントしている。
忘れてしまっている人も多いかもしれないが、リジー・キャプランは『ミーン・ガールズ』で、リロの友人でゴシック趣味のジャニスを演じ、チャンスを掴んだ女優だ。
しかし、『ミーン・ガールズ』での役と同様、ハリウッドで孤立感と疎外感を味わっていることを打ち明けた。そして、その主な原因は、映画界では彼女の美貌もそれほどではないというレッテルを張ったプロデューサーにある。
しかし、リジー・キャプランは大物テレビスターとしてエミー賞のノミネート経験があるほか、映画では『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』で人気を博し、『ギャンビット』ではチャニング・テイタムと共演している。
アカデミー賞ノミネート歴2回、『ゼロ・ダーク・サーティ』でゴールデングローブ賞を獲得したジェシカ・チャステイン。46歳の今もハリウッドでは引っ張りだこだ。
しかし、昔から人気だったわけではない。実際、インタビューの中で「美人だと言われるようになったのはここ5年くらい。以前はあまりきれいじゃないと思われていたから、なかなか役が回ってこなかった」とコメントしている。
一体、彼女の何がいけないというのだろう?どうやら、それは髪色らしい。トレードマークの赤毛を金髪に染めるよう、プロデューサーから一提案されたことも一度ならずあるという。そう、ハリウッドが必要としているのは金髪美女なのだ。
ドラマ『グリー』のレイチェル・ベリー役で名をあげたリア・ミシェル。番組ではスターとして世界の憧れの的になったほか、若くしてこの世を去ったコリー・モンティスとの恋愛もあった。シリーズデビュー時、リアは23歳だった。
しかし、成功を勝ち取るまでに幾度となくキャスティングを逃し、不愉快な経験も少なくなかったという。なんと、ハリウッドでの成功を望むなら鼻を整形すべきだと忠告したキャスティングディレクターまでいたのだ。
その人物は誰かと尋ねられるたびに、リア・ミシェルは決まってこう答える:「あんなやつ、放っておきましょう」
ハリウッドで引っ張りだこのリース・ウィザースプーン。今では人気の大女優だが、ずっとそうだったわけではない。
『キューティー・ブロンド』で一躍脚光を浴び、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』で名誉ある賞(アカデミー賞・ゴールデングローブ賞など)を獲得した彼女は、『ビッグ・リトル・ライズ』でテレビプロデューサーとしての地位も確立。続くシリーズではエピソードあたり100万ドル以上も収益をあげた。
そんな彼女にも苦悩の時はあった。今は昔、ロサンゼルスにやってきたころは「そこまで美人ではないし背も高くない。おまけにセンスもない」と言われ続けていたのだ。しかし、彼女の「負けず嫌い」が功を奏した。