配信で観られる! ギャング・マフィア映画10選
ギャング・マフィア映画というジャンルは人気が高く、さまざまな映画プロダクションがこの方面でしのぎを削っており、多くの作品が今では配信で視聴できるようになっている。一度観ておいて損はない珠玉のギャングスターものを紹介しよう。
2022年をもって、『ゴッドファーザー』は公開50周年の節目を迎えた。マリオ・プーゾによる同名小説の映画化である。本作の大ヒットにより続編が二本作られたのは、今更言うまでもない。
ストーリーは、第二次対戦後のアメリカを舞台に、抗争に明け暮れるマフィアの一族「コルレオーネ・ファミリー」をめぐって展開する。
監督はフランシス・フォード・コッポラ。マーロン・ブランドがファミリーの長であるヴィトー・コルレオーネを演じ、アル・パチーノがその息子マイケルを演じる。その他、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートンなどが顔を連ねる。
マーティン・スコセッシ監督の『アイリッシュマン』は、2020年のアカデミー賞で、作品賞を含む10のノミネートを獲得した。チャールズ・ブラント(元捜査官という経歴を持つ作家)が上梓したノンフィクション『アイリッシュマン』(邦訳は早川書房から出版)にスコセッシ監督が惚れ込み、ついに映画化に漕ぎつけた。
物語の主人公はフランク・シーランという男で、ギャングの元ヒットマン。死期が近づいた2003年、自分がこれまで見聞きしてきた出来事を包み隠さず語ろうと決めた老人だ。フランク・シーランが明かすのは、とある著名な組合指導者の失踪事件の容疑者として、自身が検挙された頃の話である。
写真:Netflix
映画のキャストはベテラン揃い。マフィアものではおなじみの、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシが物語を盛り上げる。
こちらもマーティン・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』(1990年)。ギャングの一味、ヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)と、彼の旧友ジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)、トミー・デヴィート(ジョー・ペシ)の3人が、犯罪の巷にずぶずぶと入り込んでいく過程が描かれる。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)も、このジャンルの名作の一つに数えられている。友情で結ばれた一団が、犯罪を積み重ねながら成長していく物語。
配役は、ロバート・デ・ニーロがヌードルス役、ジェームズ・ウッズがマックス役を演じている。マカロニ・ウェスタンの伝説的監督、セルジオ・レオーネの遺作である。
『アンタッチャブル』(1987年)では、ギャングを追う捜査官、警官の側からストーリーが語られる。舞台は禁酒法時代のシカゴ、買収になびかない正義感あふれる4人の男が、歴史上最も有名なギャングの大ボス、アル・カポネを追い詰めていく物語だ。
配役は、ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、チャールズ・マーティン・スミスという忘れがたい顔ぶれで、ギャングの大ボス、アル・カポネ役をロバート・デ・ニーロが演じている。
『アナライズ・ミー』(1999年)も、ロバート・デ・ニーロが主演だが、こちらはコメディ。闇社会のストレスに神経をすり減らしたマフィアのボス(デ・ニーロ)が、精神科医(ビリー・クリスタル)を受診するというストーリー。かたぎの医者のプライベートがひっかき回されるドタバタコメディである。
マフィアのボスとごくありきたりの精神科医は、それぞれ属する世界をまったく異にしているので、二人のやりとりは根本的に噛み合わない。文化と文化が摩擦を起こし、互いのマナーがぶつかり合い、守るべき道徳規範が共有されない。ちぐはぐな会話は結局どこに行き着くのか、そのおかしさが印象的な映画だ。
『スカーフェイス』(1983年)は、1930年代の古典的ギャング映画『暗黒街の顔役』のリメイクである。キューバのお尋ね者がマイアミに逃れ、やすやすとギャングの頭領にのしあがる物語。
『スカーフェイス』はギャング映画の傑作として、しばしば『ゴッドファーザー』や『グッドフェローズ』と並び称される。監督はブライアン・デ・パルマ、配役はアル・パチーノ、スティーヴ・バウアー、ミシェル・ファイファー。
『バグジー』(1991年)は、ラスベガス建設の実話に基づく映画である。主人公はベンジャミン(バグジー)・シーゲル。彼はマフィアの一員で、ロサンゼルスに出張になるが、売れないハリウッド女優と恋仲になり、西海岸に腰を落ち着ける。当時のラスベガスはさほど大きい町ではなく、バグジーはそこでマフィア・ビジネスを始めようとするのだった。
バグジーはネバダ砂漠の真ん中にカジノ付き豪華ホテルを建てるのだが、世界に名だたるギャンブル都市「ラスベガス」が産声を上げたのはまさにそのときだった。主演はウォーレン・ベイティ、アネット・ベニング。
『フェイク』(1997年)のアル・パチーノは、レフティーこと、ややくたびれた中年ギャングを演じている。レフティーはあるとき、ジョニー・デップ扮する若きドニー・ブラスコに出会い、宝飾品鑑定の才能を見込んでマフィアの世界に招き入れる。
ところが、ドニー・ブラスコの正体がFBIの潜入捜査官であることなど、レフティーには知るよしもなかった。
伝説的ギャング、アル・カポネが題材の『カポネ』(2020年)は、新型コロナウイルスのパンデミックで映画館のほとんどが休業に追い込まれたアメリカにて、デジタル配信で公開された。主演はトム・ハーディ、11年間の刑務所暮らしを経て、梅毒と痴呆に苦しむ晩年のアル・カポネが描かれる。
写真:『カポネ』のトム・ハーディ/ YouTube
映画のあるシーンでは排泄物をまともに写し、一部の観客に多大なる不快感を与えたことで賛否が分かれた。監督をつとめたジョシュ・トランクは、どうか “開かれた心で” 観ていただきたいとコメントしている。
写真:『カポネ』のトム・ハーディ/ YouTube