警察官が停止させた車のトランクに手を触れる理由とは
世界のどこの国でも、警察官には一般人の知らない任務や、気付きにくい使命やテクニックがあふれている。
警察官のさりげない行動や仕草には実は深い意味や根拠があり、対象となる人物をもれなく検挙するために役立っている。
そのひとつが、多くの人が見過ごしがちな、警察官が停止車させた車のトランク部分を右手で触る仕草だ。
写真:Youtube - Did You Know?
ハリウッド映画の監督たちはこの仕草を見逃さず、車や警察、道路が関係するシーンで取り入れている。
写真:Unsplash - Kenny Eliason
映画監督たちは現実世界で行われている取り締まりをそっくりそのまま再現しているのだ。
写真:Pexels - Erick McLean
実際、ソーシャルネットワークを見渡せば一目瞭然、こうした警察官の仕草を捉えた動画がたくさんアップされている。
この仕草は偶然なのだろうか。そうでないとすれば、警察官は車体の後部に触れて何をしようとしているのだろうか?
この仕草は、米国を含む多くの国で、とりわけ単独パトロールを行う警官のために設けているプロトコルだ。
写真:Unsplash - Jonathan Cooper
警察官は路上で車を停止させると、車のトランク部分に近づく。そして、手袋をしている場合は外して指でトランクを触る。
最初の理由は、トランクがきちんと閉まっているか、中に疑わしき人物が隠れていないかをチェックするためだ。
写真:Unsplash - Erik McLean
これはごく基本的な動作で、停止させた車が逃走した場合、車の運転手を起訴するために極めて重要な役割を果たす。
写真:Pexels - Kindel Media
手でトランクに触れることで、警察官は自分の指紋を車体に残している。
写真:Pexels - Kindel Media
襲撃、逃亡、その他不測の事態が発生した場合、あるいはその警察官が供述できないような事態になったとしても、指紋を残すことによって犯罪と結びつけることができる。
停止した車に横から近づくのは、ドライバーが急に車をバックさせても轢かれたりしないようにするためだ
。
警察官が問題なく運転席までたどりつくと、窓の上のルーフ部分に手を置くのもよくある仕草だ。これもまた指紋を残すためで、運転席側のルーフ部分とトランク部分は、指紋が見つかりやすい場所の筆頭となっている。
たとえ呼び止められた人物が逃走したとしても、警察官の指紋を除去するために洗車場に立ち寄るとは考えにくい。さらには、犯罪者たちが警察官の仕草の意味を知っていることが前提となる。