チャールズ英国王が亡くなったらどうする?:葬儀計画「メナイ・ブリッジ作戦」とは

もしものための「メナイ・ブリッジ作戦」
葬儀計画を立案
「すべてを想定」
癌を公表した国王
体調は「良くない」
楽観視はできない
公務には復帰
葬儀のプランを練ること自体は通例通り
通常のプロトコル
ウェールズ公時代からのコードネーム
メナイ橋
10日間に及ぶプラン
関係者に通知
公式発表
半旗
セレモニーが開始
ウィンザー城へ埋葬
エリザベス女王の葬儀がハードルを上げている?
いまは健康を願おう
もしものための「メナイ・ブリッジ作戦」

イギリスのチャールズ三世が国王の座に就いたのは73歳の時だった。高齢での即位ということもあり、当初から、国王が他界したときにはどうするかというプランも策定されていた。それが「メナイ・ブリッジ作戦」だ。

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葬儀計画を立案

チャールズ国王は、母であるエリザベス二世が2022年に96歳で亡くなったことを受けて王座に就いた。そのとき、警察で王室警備を担当するサイモン・モーガンはチャールズ国王の葬儀計画がすでに立案されていることを認めている:「残念なことではありますが、『メナイ・ブリッジ作戦』の計画は翌朝より本格的に開始されます」2022年9月、『Today』誌上で語っている。

「すべてを想定」

モーガンはこう続けている:「もちろん、国王は即位に際して命の続く限り職務を全うすると述べておられます。とはいえいま73歳ですから、すべてを想定しておかねばなりません。警察としては将来に向けた計画立案を速やかに始める必要があります」

癌を公表した国王

そして、即位から1年後にはチャールズ三世が癌に罹患しているという衝撃のニュースが伝えられた。どういった種類の癌なのかは明らかにされていないが、公式の発表によると2月から治療が始まっているという。

体調は「良くない」

一時期治療のために公務から身を引いていた国王だが、すぐに復帰した。だが、ニュースサイト『デイリー・ビースト』のトム・サイクス記者によると、国王の体調はいまだ思わしくないようだ:「国王に近しい人々に健康状態について話を聞くと、みな口をそろえて『良くない』と言う」

楽観視はできない

国王の健康状態について不安になるような情報を伝えているのはサイクス記者だけではない。ある王室関係者も『In Touch』にこう語っている:「チャールズ国王は王室が公開した情報から伝わってくる以上に体調が悪く、機能不全を起こしている王族たちをまとめたり、王室の財政を管理したり、国王としての公務をこなしたりするのは単純に難しい」

公務には復帰

それでも、国王は4月30日にカミラ王妃とともに癌治療センターを訪問、医療関係者や患者たちと面会した。王室の発表によると「この訪問は、今後数週間にわたって国王陛下が行われる公務のうち最初のものにあたる」そうだ。

葬儀のプランを練ること自体は通例通り

王室関係者はチャールズ国王の公務継続に前向きな姿勢を示しているが、それでも葬儀の計画は練っておかねばならない。作家のクリストファー・アンダーソンによると、国王が存命のうちから葬儀のプランを練るのは普通のことだという:「国王が自分の葬儀をチェックする必要があるだけではありません。ほかの高位王族らも目を通すのです」

通常のプロトコル

アンダーソンはこう続ける:「チャールズ三世の治世は必然的に短いものになりますが、どれほど短いものになるかは誰にも分かりません。今のところは、葬儀の計画を練るという通常のプロトコルが実施されているからといって憶測をするべきではないでしょう」

ウェールズ公時代からのコードネーム

ところで、なぜチャールズ国王の死に備えるプランが「メナイ・ブリッジ作戦」と呼ばれているのだろうか。このコードネームはチャールズ国王がウェールズ公の称号を受け取ったときに付けられたもので、その地位と強い関係がある。

メナイ橋

メナイ橋はウェールズにある歴史ある吊り橋で、世界初の鉄製の吊り橋でもある。建造されたのは1826年、トーマス・テルフォードの設計による。

10日間に及ぶプラン

「メナイ・ブリッジ作戦」はいまのところ、「ロンドン・ブリッジ作戦」と同等のものになるとされている。「ロンドン・ブリッジ作戦」はエリザベス二世の葬儀計画だったもので、全部で10日間に及ぶプランとなっていた。

関係者に通知

作戦の概要はこうだ。まず、国王の死が王族や首相、閣僚、大臣や官僚、枢密院などさまざまな関係人物に伝えられる。

公式発表

それから、王室が国民に向けて公式に発表。関係者への諸通知が後に続く。

半旗

閣僚らが大臣や政府高官らにメールで通知し、政府関係施設の旗が半旗にされる。

セレモニーが開始

そしてまず首相が公式声明を発表。国防省が礼砲を用意し、全国での黙祷も組織される。

ウィンザー城へ埋葬

次に、後継者となるウィリアム王子が首相と面会し、マスコミを通じて国民に呼びかける。そして、バッキンガム宮殿の玉座の間からウェストミンスター・ホールにかけて安置された棺に関係者らが弔意を示すイベントの後、ウィンザー城に埋葬するという計画になっている。

エリザベス女王の葬儀がハードルを上げている?

もちろん、これらのすべてのイベントに入念な準備が必要で、決めるべきことは多い。『コスモポリタン』誌はある関係者の話として、エリザベス二世の葬儀と比較する声を伝えている:「エリザベス女王の葬儀はとてもきっちりと進行しました。そのせいでハードルが高くなっている面があります。大事なのは気持ちだとかそういう話ではありません。非常に重要な仕事であって、誰もへまを踏みたくはないのです」

いまは健康を願おう

こういう事態になれば、ウィリアム王子が国王に、キャサリン妃が王妃になるわけだ。そうなった場合、「国王の母親」というわけでもないカミラ王妃がいったいどういう立ち位置になるのかが気になるところだ。ともかく、今のところは現国王の健康を願い、イギリス国民にならって「Long Live the King」と言っておこう。

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