暑さで倒れる兵士が続出...... 英王室の伝統行事「トゥルーピング・ザ・カラー」を画像でふりかえろう
6月17日、74歳のチャールズ国王即位後初のトゥルーピング・ザ・カラーが開催された。トゥルーピング・ザ・カラーとは国王の誕生日を祝う行事で、チャールズ国王の実際の誕生日は11月14日だが伝統的に毎年6月の土曜日に行われている。
これは1748年から続く伝統ある行事で、王室の公式ウェブサイトによれば今年は1400人以上の兵士や200頭以上の馬が参加したという。
しかも、単に伝統ある行事というだけでなく、王室のメンバーが一堂に会するさまを目撃できる貴重な機会でもある。国王やそのきょうだい、皇太子などを支えるために多くの王族たちが集まるのだ。
暑さで兵士が倒れたり、チャールズ国王が亡き父親に怖いほど似ていたりと今年も目が離せないイベントとなった。ほかにも空軍のサプライズや王族のちびっ子たちの様子をとらえた楽しい写真も多い。写真でイベントのハイライトを振り返ってみよう。
まずは主役のチャールズ3世と、プリンセス・ロイヤルのアン王女が並び、近衛騎兵隊ブルーズ・アンド・ロイヤルズに新たな王旗を示した。
トゥルーピング・ザ・カラーは国王への敬礼と、ホワイトホールでの閲兵式から始まった。
SNS上ではチャールズ国王が父親の故フィリップ殿下にあまりにも似ていることに衝撃を受ける人が多かった。BBCがフィリップ殿下時代の映像を再放送しているのでは、と思ってしまった人も少なくなかった。
国王の前を通っての敬礼が済むと、兵士たちはバッキンガム宮殿に帰ってそこでもう一度敬礼をする。その道のりも目が離せないものとなった。
式の開始前には全力を挙げての準備が行われた。ヴィクトリア記念堂の像は輝きを増すために直前まで念入りに磨かれた。
本番に先立つ6月10日に行われたリハーサル、カーネルズ・レビューの時にはロンドン警視庁の警察官たちがバッキンガム宮殿の前からエジプトガンを追い払おうとがんばる一幕も。
儀式に立ち塞がるのは鳥だけでなく、日光も。重くて分厚い制服を着ているならなおさらだ。このトロンボーン奏者はリハーサル中に日に当てられて卒倒してしまった。
カーネルズ・レビューではほかにもグレナディアガーズの隊員も倒れてしまった。
王室ファンなど多くの国民がパレードを一目見ようと駆けつけた。国王をベストな位置から見ようと数時間も前から場所取りする人も。
パレードではイギリス最高の馬と兵士が勢ぞろい。近衛騎兵隊が馬上で威容を示した。
ウィリアム皇太子はウェールズ近衛連隊長として騎馬で参加、10日のカーネルズ・レビューのあと馬に乗ってバッキンガム宮殿まで帰った。連隊長としては就任後初の公務だ。
本番では父のチャールズ国王とともにバッキンガム宮殿に帰還。ウェールズ近衛兵の伝統的な制服に身を包み、頭には特徴的な黒い熊皮の帽子をかぶっていた。
キャサリン公妃と三人の子どもたちなど、ほかの王族たちも後ろから馬車に乗って続いた。
キャサリン公妃は3月にアイルランド近衛連隊長に就任。アンドリュー・ゲンとフィリップ・トレイシーがデザインしたドレスと帽子を身につけ、アイルランドカラーの緑色をアピールしていた。
だが、宮殿までの途上、公妃の顔には悲し気な表情が浮かぶことも。暑さのせいか、故エリザベス二世のことを思い出してしまったのか。
カミラ王妃はフィオナ・クレールの赤いシルクのコートで登場。これは1月に自身が連隊長となったグレナディアガーズの制服を意識したチョイスだ。
これはチャールズ国王の妹、アン王女のベストショット。自然な笑顔と楽しげな様子がすばらしい。夫のティモシー・ローレンスはエディンバラ公爵夫人ソフィーとともに馬車に乗っている。
Beulahのクリーム色のドレスに身を包み、ジェーン・テイラーの帽子をかぶったソフィーは夏らしいエレガントさにあふれている。
当然、今回のイベントの目玉はバッキンガム宮殿のバルコニーに王族たちが揃って登場するこの瞬間。「王室のスリム化」を経たとあって、いままでとは少々違った趣だ。
ここでも注目を浴びたのは5歳のルイ王子。観衆の喝采を一身に浴びてたいへんご機嫌な様子。
ウィリアム王太子やヘンリー王子が子どものころにバルコニーに登場した時のことを覚えている人も多いだろう。特に、1988年にヘンリー王子が観衆に向かって舌を出したときのことは印象深い。ルイ王子は舌は出さずに凛々しい敬礼を披露、観衆を魅了した。
空軍の航空ショーも楽しみなイベントのひとつ。バッキンガム宮殿の上を赤白青のユニオンジャック・カラーが彩った。
国王と王妃も揃って眼下の観衆に手を振った。「お揃い」のはずの赤色はこうしてみるといまいち揃ってるとは言い難かったが……
空軍が頭上にCRという文字を描く一幕も。CRとはCharles Rexの略で、Rexはラテン語で王を意味する。
日光のせいで少々まぶしそうな表情になってしまっているが、ウィリアム皇太子一家のこの写真もほほえましい。家族の絆が伝わってくる一枚だ。
会場の喧騒は幼いルイ王子にはつらかったらしく、ジェット機が真上を飛んだ時には耳を押さえることも。
残念だが時間が来たら戻らねばならない。バルコニーでの時間が終わって帰るときには、ウィリアム王太子が子どもたちを促す場面もあった。また会いましょう、ルイ王子。