聞いたことはあるけれど…… だれの名言か知っている?
突然ですがクイズです。次の名言はだれのことばか当ててみましょう。
「ブルータス、お前もか」
「ブルータス、お前もか」は、シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』の中のセリフ。
「右の頬を打たれたら、左の頬をも差し出せ」
「右の頬を打たれたら、左の頬をも差し出せ」は、イエス・キリストの言葉。
「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」
「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」は、ドイツの哲学者、ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルの言葉。ミネルヴァはローマ神話の女神で、技術・学芸・戦いを司り、ふくろうと関係が深い。
「人間いたるところ青山あり」
「人間いたるところ青山あり」は、幕末期の僧、月性(げっしょう)の言葉。青山(せいざん)とは人が死んで骨を埋める土地のこと。たとえ故郷に戻らなくとも、人はどこにでも死に場所を見つけられる、ということ。
「そこに山があるから」
「そこに山があるから」は、イギリスの登山家ジョージ・マロリーの言葉として広く伝えられている。
「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界は変わっていただろう」
「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界は変わっていただろう」は、17世紀フランスの思想家、ブレーズ・パスカルの言葉。
「少年よ大志を抱け」
「少年よ大志を抱け」は、お雇い外国人のひとり、札幌農学校で教えたウィリアム・スミス・クラーク博士の言葉。
「それを言っちゃあおしめえよ」
「それを言っちゃあおしめえよ」は、『男はつらいよ』シリーズの「寅さん」こと車寅次郎の決め台詞。
「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」
「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」は、発明王トーマス・アルバ・エジソンの言葉。
「ローマは一日にして成らず」
「ローマは一日にして成らず」は、スペインの作家、ミゲル・デ・セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』に登場する言葉。
「ペンは剣よりも強し」
「ペンは剣よりも強し」は、イギリスの作家・政治家であるリットン卿ことエドワード・ブルワー=リットンの戯曲中の言葉*。慶應義塾大学のエンブレムもその名句に由来する。
*野津寛編著『ラテン語名句小辞典』研究社、2010年
「人は誰も自分の愛する者を殺す」
「人は誰も自分の愛する者を殺す」は、アイルランド出身の詩人・作家、オスカー・ワイルドの言葉。「ワイルドの言うことはほとんどつねに正論である」*と、アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスは評している。
*J. L. ボルヘス『続審問』中村健二訳、岩波文庫、2009年
「わだばゴッホになる」
「わだばゴッホになる」は、青森出身の版画家、棟方志功の言葉。
「健康っていうのは医者をだます能力のこと」
「健康っていうのは医者をだます能力のこと」は、作家デニス・ジョンソンの連作短編集『ジーザス・サン』の一節。「でも俺には前々から、医者に嘘をつく傾向があったのだ。健康っていうのは医者をだます能力のことだと思ってるみたいに」*。
*デニス・ジョンソン『ジーザス・サン』柴田元幸訳、白水社、2009年
「メディアはメッセージである」
「メディアはメッセージである」は、カナダ出身の英文学者、マーシャル・マクルーハンの言葉。彼はウディ・アレン監督の映画『アニー・ホール』にも客演している。
「翼よ! あれが巴里(パリ)の灯だ」
「翼よ! あれが巴里の灯だ」は、1927年、大西洋の単独無着陸横断飛行に初めて成功した飛行士チャールズ・リンドバーグの名言としてつとに有名だが、彼がそのようなことを実際に言った事実はないという。
「戦に出て走れなくなったときは死ぬときだ」
「戦に出て走れなくなったときは死ぬときだ」は、黒澤明監督の映画『七人の侍』のなかで、加東大介が農民たちに言うセリフ。
「なんにも要らない 遅すぎる後悔も……」
「なんにも要らない 遅すぎる後悔も……」は、ロシアの歌手ワルワーラ・パーニナのロマンス曲の一節*。歌詞の翻訳は望月恒子。
*ガイト・ガズダーノフ『クレールとの夕べ/アレクサンドル・ヴォルフの亡霊』(望月恒子訳、白水社、2022年)の訳註を参照。
「愛をちょっぴり少なめに、ありふれた親切をちょっぴり多めに」
「愛をちょっぴり少なめに、ありふれた親切をちょっぴり多めに」は、アメリカの作家、カート・ヴォネガットの言葉*。
*カート・ヴォネガット『スラップスティック』浅倉久志訳、早川書房、1983年
「悪い自由は、いい監獄よりはまだましなんだ」
「悪い自由は、いい監獄よりはまだましなんだ」は、ロシアの作家ミハイル・ショーロホフの大河小説『静かなドン』*で主人公が言うセリフ。
*ショーロホフ『世界文学全集44 ショーロホフ III』横田瑞穂訳、河出書房新社、1960年