新たな美の世界を切り拓いた21世紀のモデルたち:義手、そばかす、トランスジェンダー......
『スポーツ・イラストレイテッド』誌で豊かなボディ曲線やセルライトを堂々と示したプラスサイズモデル、ハンター・マクグラディ。『デイリー・メール』紙に対し「今の自分の身体に対し、自信と心地よさを感じている」と語る。
左右の眼の色が違うオッドアイで世界を制覇したサラ・マクダニエル。「LAモデルズ」と契約し、『プレイボーイ』誌初のノン・ヌード特集号のカバーガールに抜擢され一躍人気を博した。
20歳のときに脳卒中で倒れ、服用した薬のアレルギー反応で顔に色素が沈着してしまったマエバ。やがてそれを生きることへの願いと生命力の表れと受け止め、ヨーロッパやアジアのランウェイを制覇。
生まれつきホルモンバランス異常により体毛が過剰に伸びるPCO症候群(多嚢胞性卵巣症候群)を抱えている、英国出身の女性ハーナム・カウル。長年にわたるいじめや差別を乗り越え、モデルとしての地位を築いた。ボディポジティブ・ムーブメントにも参加し、いじめや差別に対するキャンペーンを行う活動家でもある。
一面のそばかす笑顔が印象的なハマド・ジャマン。どこに行っても人気者。
生まれた時は男性、後に性別適合手術を受け女性になったアンドレア・ペジック。それまでのタブーを破り、ファッション界で大きな成功を収めた最初のユニセックスモデルの一人。ジャン・ポール・ゴルチエ、ジョン・ガリアーノ、ポール・スミス、ラフ・シモンズなど一流デザイナーのランウェイで活躍している。
リタッチなしで堂々たるボディラインを披露するアシュリー・グラハム。ボディポジティブを推進し、雑誌『ヴォーグ』、『ハーパーズバザー』、『グラマー』、『エル』等のイメージキャラクターを務める。有名ブランドのランウェーを歩くほか、自身のアパレルブランドも立ち上げたビジネスウーマンだ。
アフリカ系のアルビノとして生まれたアヴァは多くのデザイナーやブランドから注目を集める子役モデル。ファッション界でも映画界でも将来を有望され、最も若いスターの一人に数えられている。
90歳を迎えた今も現役で、世界の名だたるファッションショーへの出演を続けるカルメン・デロフィス。雑誌『ヴォーグ』、『ハーパーズバザー』、『W Magazine』で活躍したほか、シャネルの香水「Nº5」の顔にも選ばれている。
若い頃は右頬のアザを除去することを考えたカサンドラ・ナウド。しかし、思いがけずそれが個性となり、ファッション業界で多くの人々を魅了することになった。この出来事から自分を愛することを学んだと告白している。
ブラジル出身のダイアン・コンテラトは男性的なルックスで有名雑誌の表紙を飾り、一躍有名に。ユニセックスな雰囲気で有名メゾンを魅了している。
70歳でキャリアをスタートさせたダフネ・セルフ。すでに90代に突入しているにも関わらず、マリオ・テスティーノやニック・ナイトといった有名写真家の前でポーズをとり、Olay、Nivea、ドルチェ & ガッバーナのキャンペーンにも出演している。
アフリカ系アメリカ人初のアルビノスーパーモデル、ディアンドラ・フォレスト。メイクアップブランド「Wet'n Wild」の顔となり、カニエ・ウェストのミュージックビデオ「Power」に出演するなど、活躍の場をさらに広げている。
スポーツ月刊誌『スポーツ・イラストレイテッド』誌で初めてヒジャブとブルキニ姿で表紙を飾ったムスリムモデル、ハリマ・アデン。英国版『ヴォーグ』の表紙に登場したほかニューヨーク・ファッションウィークのランウェイでも多くの観衆を魅了した。
それまでの美の固定観念を打ち破り、『ロレアル』を始めさまざまなトップブランドを制覇したトランスジェンダーモデル、ハリ・ネフ。現在29歳でさまざまなブランドキャンペーンの広告塔を務めている。
「メラニンの女神」と呼ばれる黒人モデル、コウディア・ディオプ。見事な漆黒の肌を持つことを理由に子供の頃にいじめを受けたが、それを乗り越え、ファッション界で高く評価されている。
「黄金の足を持つモデル」、ローレン・ワッサー。24歳の時にトキシックショック症候群(TSS)を起こし、両足の切断というつらい選択を受け入れなければならなかった。苦しみを乗り越えてモデルの世界に復帰、義足をつけたモデルとしてさまざまなブランドで活躍している。
「リア T」として知られる彼女は、ブラジルで最も有名なトランスジェンダー・トップモデルの一人。「Redken」や「ベネトン」などのイメージキャラクターとして人々を魅了するほか、「ジバンシィ」のクリエイティブ・ディレクターを務めていたリカルド・ティッシのミューズである。
たっぷり厚い唇とすきっ歯をチャームポイントに成功を収めたのはリンジー・ウィクソン。
ダウン症を抱えたモデルとして人々の固定観念を覆したマデリン・スチュアート。ランウェイを歩き、有名雑誌の表紙を飾った最初のダウン症モデルの一人。
スペイン人初のダウン症モデル、マリアナ・アビラ。2018年9月、ニューヨーク・ファッションウィークでタリーシャ・ホワイトの春夏デザインのためにランウェイを歩き、幼い頃からの夢を叶えた。
吸い込まれそうな目をしたトップモデル、マーシャ・ティエルナ。その大きく見開かれた瞳が数多くの有名ブランドや雑誌を虜にしている。
生まれながらに外胚葉異形成症を患い、毛髪、歯、爪、皮膚に形成異常がみられるメラニー・ゲイドス。しかしそれを誰にも真似られない個性に変えてモデルとして大きな成功を収め、ファッション業界に革命を起こした。
斜視が原因で学校でいじめを受けていたモフィーは、やがて世界的に活躍するモデルへと成長した。彼女を見出したのはケイト・モスを輩出した事務所「ストーム・モデルズ」。モフィの将来は約束されていたといえるだろう。
その個性的な容姿からいじめを受けたことを告白するモリー・ベア。ファッション業界で成功を収め、有名ブランドのミューズとなっている。
妖精のように白い肌をもつアルビノモデルのナスチャ・クマロヴァ。異次元の美しさでファッション業界を魅了し、アメリカ、ヨーロッパ、アジアのランウェイを制覇。
自身のそばかすを愛し、キャンペーンに出演するたびに自分を受け止めることの大切さを伝えるニキ・フェニックス。ファッションだけではなく俳優としても活躍中だ。
生まれつき右前腕がないレベッカ・マリーンは、モデルのキャスティングで何度も落とされたが決してあきらめなかった。2015年、ついにバイオニックアーム(義手)をつけてニューヨーク・ファッションウィークのランウェイを歩き、ファッションの歴史に名を刻んだ。
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ファッション業界では数少ないアルビノの男性モデルとして活躍するスティーブン・トンプソン。2011年に「ジバンシィ」の顔になり、各国のランウェイや雑誌の表紙にも登場している。
フランス版『エル』誌の表紙を飾った数少ないプラスサイズモデルの一人、タラ・リン。
片足に障害をもって生まれたヴィクトリア・モデスタは15回の手術に失敗し、脚を切断することに。しかし芸術性を感じさせる義足のモデルとしてファッション業界で独自の地位を築いた。
幼い頃に尋常性白斑にかかり「まだら肌」となったウィニー・ハーロウ。白斑を持つ女性として初めて世界の主要な美容ブランドやファッションショーに出演し、モデルのほか講演活動でも知られる。「America's Next Top Model」で一躍有名になり、「ヴィクトリアズ・シークレット」の”エンジェル”の一人に指名されるなどトップモデルとして活躍している。