東欧の宝石ブルガリア：大聖堂からビーチリゾートまで魅力に満ちた観光国

ブルガリアは海あり山ありの自然の宝庫だ。そして他のヨーロッパ諸国と比べて物価が安く、グルメやショッピングも思い切り楽しめる。今回は、そんな魅力あふれるブルガリアの魅力と観光地を紹介していこう。

ブルガリアの歴史は長く、紀元前5000年までさかのぼる。古代ギリシア、ローマ帝国、オスマン帝国などに支配され、近代では共産主義時代も経たことからさまざまな文化や建築様式がまざりあう独特な景観が生まれた。

ブルガリアで一番有名な観光地がリラ修道院。10世紀に建てられたブルガリア最大の正教会の修道院で、ユネスコの世界遺産に登録されている。ブルガリア語のみ対応可の電話予約が必要なので難易度は高いが、修道院内で宿泊することもできる。日中は多くの団体観光客でひしめくので、宿泊すれば本来の神聖な雰囲気を味わえる。

バルカン半島で最も高いリラ山脈（2925m）の大部分は、国立公園となっている。リラとは「水豊かな山」を意味し、その名のとおり200近くの氷河湖が点在する。首都ソフィアから南西に車で2時間ほどの距離にあり、多くのハイカーが訪れる。

どこを見ても絶景のリラ国立公園で一番人気は、セブン・リラ・レイクと呼ばれる山頂付近の7つの湖を訪れるハイキングコースだ。全長8kmほどのコースで、出発地点まではスキー客用のチェアリフトを利用できる。コース最後の登りがキツイが、7つの湖を全て見渡せる絶景が広がっている。

ブルガリアの首都ソフィアは、ヨーロッパ最古の都市のひとつ。街中に様々な時代の遺跡が点在し、さらにはヨーロッパ風のエレガントな建物と、共産主義時代の無機質な建物が入り混じる、唯一無二の景観をもつ。

ソフィアのシンボルとなっているのが、アレクサンドル・ネフスキー大聖堂。1912年に完成したブルガリア正教の大聖堂で、総面積3170㎡、高さ52ｍの威容を誇る。

14世紀末にオスマン帝国によって滅ぼされるまで、第二次ブルガリア帝国の首都として栄えた街。5000年の歴史をもつ古都で、崖の上に情緒あふれる町並みが広がっている。元大関の琴欧州の出身地でもある。

ヴェリコ・タルノヴォを代表する観光スポットが、ツァレヴェッツの丘。12世紀から14世紀にかけての第2次ブルガリア帝国時代に皇族や総主教の住まいなどがあった場所で、丘の周囲は城壁で囲まれている。

ブルガリア第2の都市プロヴディフは、6000年におよぶ歴史をもつ。古代ローマに支配されていたので、ローマ劇場、円形競技場など数多くのローマ遺跡が残る。

そんな数あるローマ遺跡の中でも最も重視されているのが7000人収容可能なローマ劇場だ。保存状態がとても良く、現在でもオペラやコンサートなどの会場となっている。

ブルガリアで最も美しい村とされるのがコプリフシティツァ。ヨーロッパの美しい村30選にも選ばれた。石畳に伝統的家屋が立ち並び、豊かな自然に囲まれている。この写真の橋から、500年におよぶオスマン帝国支配からの独立を目指す革命運動が広がったことから、歴史的にとても重要な村でもある。

黒海は硫化鉄の多い深層水の影響で、海水が黒みを帯びて見える。お隣のエーゲ海と比べるとなおさらだ。そのため、古代から不気味な存在とされてきたが、現在はビーチリゾートとしてブルガリア国内だけでなくドイツやロシアから観光客が押し寄せる。ちなみに夏の間は黒海とはいえ海面は明るく、白い砂浜との対比もとても美しい。

黒海に面したビーチリゾートを代表するのがヴァルナ。ブルガリア第3の都市で、夏の首都と呼ばれている。ヴァルナはローマ帝国支配の時代から温泉保養地として有名で、ヨーロッパで4番目に大きいローマ時代の公衆浴場跡がある。さらに日本人には嬉しいことに、現在でもビーチ沿いに源泉かけ流しの露天風呂がある。しかも、無料で24時間オープンだ。

ビーチ・リゾート地として絶大な人気を誇るネセバル。紀元前6世紀から交易の拠点として栄え、古代ギリシャ、ローマ帝国、オスマン帝国に支配された歴史をもつので、町の至る所に様々な様式の建物が点在し、町全体が世界遺産に登録されている。ビーチだけでなく歴史も楽しみたい人に打ってつけの場所だ。

黒海リゾートの玄関口となるブルガスには、地球のものとは思えない景色が広がる。塩田の一部を利用した天然スパ、泥温泉ソルニツィだ。塩田の塩により人体には無害なバクテリアが発生し、水がピンク色に染まる。豊富なミネラルを含むので、ピンク色の塩田で泳ぐとお肌がスベスベになる。また、黒海の天然の泥は、あらゆる疾患に効果があるとされるので、全身に泥を塗り真っ黒になった人がたくさんいる。