初夏のイギリス社交界を彩る「ロイヤル・アスコット2022」:ドレスの饗宴
イギリス社交界を代表するイベントのひとつである、王室主催の競馬レース「ロイヤル・アスコット」。ここにやロイヤルファミリーからセレブまで大勢が招かれている。
アスコット競馬場で一週間にわたり開催されるこのイベントには厳正なドレスコードがあり、伝統を重んじるエリアでは男性はトップハット、女性はドレスにハットを合わせなければならない。
英国王室が主催する「ロイヤル・アスコット」は300年以上の歴史を誇るイベントとして、王室関係者やセレブが集まることで知られる。
ロンドン出身の歌手カミラ・カースレイクを始め、各分野を代表するアーティストも出席している。
アーティストの中には詩人のロバート・モンゴメリーと、映画監督でモデルとしても活躍するグレタ・ベラマシーナの姿も見られた。グレタは「ザ・ヴァンパイアズ・ワイフ」のホワイトドレスにジュリア・ブラッドリーのハットを合わせた。
ファッション界からは英国トップモデルのひとり、デリナ・ゲズーが参加。
元女子プロボクサーでリオ五輪金メダリストのニコラ・アダムスも競馬レースをエンジョイ。両性愛者であることを公表している彼女は妊娠中の恋人とともに登場し、ブルーとグリーンのスーツ姿を披露した。
英国のエンターテイナーでTV司会者のホリー・ウィロウビー。キュートなピンクのドレスで笑顔を振りまいた。
英国テレビ局ITVのシャーロット・ホーキンスとマーク・ヘイズは「ロイヤル・アスコット」に連日参加し、会場から中継を行った。イベント2日目は一年で最も気温が高い日となったが、ホーキンスはロングスリーブドレスを涼しげに着こなしてみせた。
英国女優、ヘレン・ジョージはパフスリーブのドレス、赤の口紅、シックなブラックハットでまとめた。
英国のDJでTVパーソナリティのマヤ・ジャマは、ジマーマン(Zimmermann)のフューシャピンクのドレスにブルガリのハットで初日に登場。
ダイアナ元妃の姪で双子姉妹のアメリア・スペンサーとエリザ・スペンサー。レディ・エリザ(左)はジェーン・テーラーのハットにブラックのトップ。レディ・アメリア(右)はマイケル・コースのモノトーンドレスで合わせた。
注目を集めたカップルのひとつがケンブリッジ公爵夫人の両親。キャロルのドレスは、以前キャサリン妃が身に着けていた別のドレスによく似ているけど、まさか母娘でシェアしたとか?
イベント2日目のロイヤル・プロセッションで姿を見せた、オギルヴィ令夫人アレクサンドラ王女。優雅さと風格に溢れている。
乗馬が得意で馬術選手権大会での優勝経験も持つアン王女も、ロイヤル・アスコットには例年参加している。英国女王の長女として、ベージュのアンサンブルにフラワーモチーフの帽子というエレガントなスタイルで笑顔を見せた。
エリザベス女王の孫にあたるベアトリス王女とエドアルド・マペッリ・モッツィ夫妻。急速に英国王室のファッションインフルエンサーの1人になりつつある33歳の王女は、初日はジマーマンのフローラルドレスで登場。
イベント2日目にはクリームカラーのドレスに青と白のサマーハットを合わせたベアトリス王女。一部のメディアは今回彼女が「ベアトリス王女」ではなく、「エドアルド・マペッリ・モッツィ夫人」という「非王室」の肩書きで出席したことに注目。これは王室の伝統を破ることになるのだけれど......?
イベント5日目、水玉模様のドレスにツートーンのヘッドピースを合わせた「エドアルド・マペッリ・モッツィ夫人」のスタイルも視聴者の話題をさらった。
チャールズ皇太子やカミラ公爵夫人のそばにいることが多いウェセックス伯爵夫人。エリザベス女王が公の場に姿を現すことが少なくなってからというもの、王室イベントで大きな存在感を発揮している。
ロイヤル・アスコットでは連日のようにウェセックス伯爵夫人の優雅なドレス姿が見られた。イベント2日目にはロイヤルブルーのドレスで人々のため息を誘った。
エリザベス女王の孫のザラ・フィリップスと、元ラグビー英国代表のマイク・ティンダル夫妻。初日に姿を現したザラは英国ブランドであるアナ・メイソンのドレスにポンポン付きのハットを合わせた。
3日目にはLaura Green Londonのドレスにビビッドグリーンとフューシャピンクのハットを合わせた。夫のマイク・ティンダルとのカラーコンビネーションも完璧。
2022年のロイヤル・アスコットでは王室関係者が比較的控えめな帽子を着用したのとは対照的に、ゲストはイエローやフューシャピンクなど鮮やかな色彩で工夫を凝らし、アスコット競馬場に華を添えた。
モデルでインフルエンサーのケリー・イングランド・プレーン、高級シューズメーカー「Ghazal Paris」創設者ホウダ・ガザル、モデルのイクラム・アブディ・オマルの3人は、Ghazal Parisが主催したランチを経て観戦の列に加わった。
会期中、毎日午後2時にロイヤル・プロセッションが行われる。チャールズ皇太子とカミラ夫人やコーンウォール公爵夫人を始め、イベント主催者である王室関係者が馬車で入場する。初日のカミラ夫人は爽やかなライトブルーのドレスで姿を現した。
2日目のロイヤル・プロセッションでチャールズとカミラ夫人は出席できなかったエリザベス女王に敬意を表し、馬車の席を空けたままにした。
「ロイヤル・アスコット」は世界最高峰の馬が集まり、その走りに何百万ポンドもの賞金がかけられる英国最高の競馬イベント。それと同時に、英国王室にとっては叔父や叔母、従兄弟などの親戚が一堂に会す親族行事でもある。
グロスター公爵夫人バージット妃は鮮やかなブルーのドレスで、マイケル・オブ・ケント王子妃、グロスター公爵リチャード王子と馬車に乗り込んだ。
ロイヤル・プロセッションに参加しないゲストたちは華やかな馬車に乗り込んだ貴人を眺めたり、あるいは自分たちが眺められることを楽しんだ。
モデルでジャーナリストのケイト・ウォーターハウスは、グッチのテーラードスタイルで周りを驚かせた。コンパクトで魅力的なハットは、ネリダ・ウィンター(Nerida Winter)のもの。
南アフリカのダンスクイーンであり、タレントショーの審査員でもあるオティ・マブセは、イベント2日目に煌めくグリーンのサテンドレスで登場した。
ブルーのヴィンテージドレスに控えめな白のハットを合わせたアイルランド人セレブシェフのクロダグ・マッケナは、実業家で競馬通のパートナー、ハリー・ハーバートとつねに一緒だ。
セレブのスタイリストであるナナ・アチャンポンは、目も覚めるようなイエローのドレスで周りを圧倒。
起業家として世界を飛び回る中国系ノルウェー人のベティ・バッハズは、プリーンのブラックドレスとエイウォン・ゴールディングのハットでシックに。
シックなモノトーンをセレクトした参加者がいる一方、鮮やかな色彩のドレスやボリュームのあるハット姿も多く見られた。
ロイヤル・アスコットは、世界で最もファッション性の高いイベントのひとつとされている。
ロイヤル・アスコットがごく限られた人々のためのファッションであることは間違いない。公式サイトによれば、この競馬レースは「洗練され創造性に富んだ衣装とハットが集まる、優雅なファッションの」イベントなのだ。
いずれにせよ、スポットライトを浴びたい人や、上流社会に近づきたい人にとっては、人々の注目を集めることができる最高の機会となっている。