歴史に名を刻まれたあまりにも傍若無人な暴君たち:浪費で破滅、100人単位の側室を海に投げ込む......
同時代の人々や後世の歴史家から、常軌を逸した人物とみなされている暴君がいる。実際に精神病を患っていたと言われる人物から、政治的決断の結果によって暴君と恐れられるようになった王まで、その理由は様々である。
暴君として知られるローマ帝国の第3代皇帝カリグラは、その残虐な性格や性的倒錯が後世に伝えられている。「インキタトゥス」と名付けた愛馬にローマ元老院の職を与えるなど傍若無人ぶりを示すエピソードが残っている。
同じローマ帝国皇帝のネロも暴君として有名だ。ローマが大火におそわれた際にも竪琴を演奏していたという逸話や、母親や妻など近親者を殺害したことで悪名高い。
カスティーリャ女王のフアナは、深刻な鬱病を患っており、夫のフィリップ美公の死後、その棺の埋葬を許さなかったエピソードが最も有名である。
皇帝の直轄領であるオプリーチニナを設置し、そこに恐怖政治を敷いたことで悪名高い。オプリーチニナでは、極端な専制政治により数多くの人々が容赦無く粛清された。また、激怒して我を忘れ、自分の息子を殺害したことでも知られる。
バイエルン王のルートヴィヒ2世は、ノイシュヴァンシュタイン城のような壮麗な城を建設し、破滅的な浪費を繰り返したことで「狂王」とまで呼ばれた。精神疾患を疑われて廃位され、まもなく謎の死を遂げた。
Netflixの『クイーン・シャーロット~ブリジャートン家外伝』では、妻シャーロット王妃の視点からイギリス国王ジョージ3世の治世が描かれている。ジョージ3世は、双極性障害やポルフィリン症を患い、精神疾患に悩まされていたという。晩年には狂気におちいり、何日間も無意味な言葉を喋り続けたと伝えられている。
16世紀のスウェーデン王であるエリク14世も、精神疾患を患っていたと言われる。反逆を恐れて疑心暗鬼となり、冤罪で何人もの貴族たちを処刑した。
オスマン帝国18代皇帝のイブラヒムは精神的に不安定で、280人の側室を突如海に投げ込むなど暴挙の末、廃位されることとなった。
ラナヴァルナ1世は、英仏の影響力から自国の独立を守る意図もあり、キリスト教徒や外国人を迫害。結果としてマダガスカルの人口は激減した。「マダガスカルの狂気の女王」とも呼ばれ、暴君として歴史に名を残してしまった。