日本を代表する国際派俳優、渡辺謙が紆余曲折を経て手にした成功

世界的に最も知名度が高い日本の俳優のひとり、渡辺謙。数々のハリウッド映画に出演しただけでなく、ブロードウェイの舞台にも立つなど俳優としてあらゆる成功を手にしてきた。しかし、彼の人生は決して順風満帆なものではなかった。

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渡辺謙は1959年10月21日に新潟県で生まれた。『婦人公論』誌によれば、中学・高校時代は吹奏楽に打ち込んでおり、俳優になろうとは思っていなかったという。しかし、高校卒業後に上京し、演劇『夜叉ヶ池』を観て感銘を受け、本格的に役者の道に進むことを決めた。

NHKのオンライン記事によれば、渡辺の原点といえる街は19歳から8年間の下積み時代を過ごした東京世田谷区の八幡山だ。当時は劇団に所属しながらアルバイトをする生活で経済的に苦しく、米だけは田舎から送られてきたのでお握りを作り、友達のおかずと交換していたという。

転機が訪れたのは1987年、渡辺が26歳のときだ。NHKの朝ドラでヒロインの夫を演じ高評価を得ると、翌年のNHK大河ドラマ『独眼竜正宗』の主役、伊達政宗に大抜擢されたのだ。

画像：Instagram, @kenwatanabe____

『独眼竜正宗』は高い人気を得て、NHK大河ドラマ史上最高の視聴率を記録した。渡辺の名は全国的に知られるようになり、一気に人気俳優の仲間入りを果たす。

画像：Instagram, @kenwatanabe____

以降、テレビドラマや舞台作品で次々と大役を務め、映画『天と地と』で映画初主演を果たすことになった。しかし本作の撮影開始後の1989年に急性骨髄性白血病を発症してしまう。

そのため『天と地と』を降板し、闘病生活を送ることになった。一時期は生命も危ぶまれるほどだったが、治療が功を奏して1年後に俳優業に復帰。しかし、5年後に再発してしまう。再治療を経て、翌年に無事復帰することができた。

入退院を繰り返した30代の終わりに、再び大きな転機が訪れた。ハリウッド映画『ラスト サムライ』（2003年）のオーディションに合格したのだ。

『ラスト サムライ』のオーディションにあたって、渡辺謙は全力を傾けた。42歳にして英語を学び直し、5ヵ月間の特訓の末、見事に役を獲得したのだ。完成した本作は市場で高い評価を受け、渡辺自身もアカデミー賞やゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされた。

画像：Instagram, @kenwatanabe____

『ラスト サムライ』の成功を機に、渡辺は拠点をロサンゼルスに移しハリウッドを中心に活動するようになる。そして2006年、クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』で主役の座を射止めた。

さらに2015年にはブロードウェイ・ミュージカルの『王様と私』に出演。日本人として初めてトニー賞・ミュージカル部門主演男優賞にノミネートされた。

プライベートでは80年代に一般女性と結婚していたが2005年に離婚が成立。その後、女優の南果歩と再婚した。出会いのきっかけはテレビドラマでの共演だという。芸能界のおしどり夫婦として知られていたが、2017年に渡辺の不倫が発覚。

『デイリースポーツ』紙によれば、南が乳ガンで闘病中に、渡辺（57歳）は21歳年下の一般女性と関係を持っていたという。南は不眠や気持ちの落ち込みからガンに加えて重度のうつ病も発症してしまった。二人は2018年に離婚を発表。

2023年6月、渡辺は再々婚したことを発表した。『女性自身』誌によれば、南との離婚後も渡辺は浮気相手である一般女性との関係を継続。2023年6月になり、この女性と籍を入れたという。

渡辺には初婚の一般女性との間に生まれた2人の子供がいる。俳優の渡辺大と、同じく女優でモデルの杏だ。

画像：Instagram, @annewatanabe_official

2024年、渡辺はテレビ東京のドラマ『生きとし生けるもの』で末期がん患者の役を好演。『スポーツニッポン』紙によれば、「自分の体験から患者の本当の苦しさや悩みはドラマでは描けない」と考え、これまで医療ドラマの出演は断ってきたが、生と死を演じてみたいと思い直し、7キロの減量をして撮影に臨んだという。

現在、渡辺が俳優そしてエグゼクティブ・プロデューサーを務める日米共同制作による超大作ドラマ、『TOKYO VICE』のシーズン2がWOWOWで配信されている。大成功を収めた前作の続きとして大きな注目を集めている。

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