懐かしの80年代に活躍したティーン俳優・女優たち(パート1)
映画産業が右肩上がりだった80年代、人びとの人気をさらったのはハリウッドのティーン俳優たちだった。いまだに活躍中の人物もいれば、すっかり過去の人となってしまったケースもある。一挙に振り返ってみよう。
同じく1985年、マイケル・J・フォックスも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ティーン・ウルフ』に出演して大人気に。80年代を代表するスターへと成長した。
順調にキャリアを重ね、ハリウッドの愛され俳優となったマイケルだったが、1998年にパーキンソン病を患っていることを発表。その後も、TVや映画に出演を続けてはいるが、全盛期に比べれば控えめだ。
80年代のティーン女優といえばフィービー・ケイツだ。『初体験/リッジモント・ハイ』(1982年)のリンダ役で一躍スターダムに躍り出ると、『グレムリン』(1984年)をはじめとする作品に出演し、地位を確立した。当時はまさに若者たちの憧れの的だったのだ。
1989年に俳優のケヴィン・クラインと結婚し、90年代半ばに女優業を引退。今ではニューヨークにブティックを構え、ビジネスと家庭生活に専念しているようだ。
80年代の若者の憧れの的だったコリー・ハイム。もろさとエネルギーを兼ね備えた魅力は『ルーカスの初恋メモリー』(1986年)や『ロストボーイ』(1987年)でいかんなく発揮されている。コリー・ハイムとコリー・フェルドマンという「コリーコンビ」は、まさに時代を象徴するものだった。
しかし、さまざまな虐待を受けていたことが発覚した上、2010年に早すぎる死を迎えたことで、何事も極端だった80年代の犠牲者として記憶されることになってしまった。
『ラビリンス/魔王の迷宮』(1986年)で映画界に衝撃を与えたジェニファー・コネリー。うっとりするような美貌と溢れんばかりの才能を兼ね備え、16歳にしてポップカルチャーの代表選手となった。
以来、年に1本のペースで映画に出演し続けており、2002年には『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞助演女優賞を手にした。
『キャント・バイ・ミー・ラブ』(1987年)のロナルド・ミラー役、『愛の宅配-ピザ・ボーイ』(1989年)のランディ役という重要なキャラクターを演じたものの、同世代の俳優たちと比べると出遅れた感の否めないパトリック・デンプシー。
しかし、イケメン俳優としてじわじわと人気が高まり、『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』のデレク・クリストファー・シェパード役をはじめ、さまざまな作品で大役を務めるようになった。2023年には『ピープル』誌の「最もセクシーな男性」に選出され、ふたたび大きな注目を集めている。
80年代青春映画の女王でジョン・ヒューズ監督のミューズだったモリー・リングウォルド。『すてきな片想い』(1984年)のサマンサ・ベイカー役、『ブレックファスト・クラブ』(1985年)のクレア・スタンディッシュ役、そして『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986年)のアンディ・ウォルシュ役などを演じ、当時の若者たちの悩みやもろさを巧みに表現した。
当時ほどの影響力はないものの、モリーは今も女優として活動を続けており、80年代の面影を残しつつ映画やTVに華を添えている。
80年代のエリザベス・シューはまさに絶好調。『ベスト・キッド』(1984年)のアリ・ミルズ役、『ベビーシッター・アドベンチャー』(1987年)のクリス役、『カクテル』(1988年)のジョーダン・ムーニー役を務めている。世界中がエリザベスの虜だったのだ。
1996年には『リービング・ラスベガス』でアカデミー賞にノミネートされたものの、受賞はならず。21世紀になってからの当たり役には、『ザ・ボーイズ』のマデリン・スティルウェル役がある。
1984年に『エルム街の悪夢』でデビューし、映画史上屈指の壮絶な最期を迎える役を演じた。その後、『マイアミ・ホット・リゾート』(1985年)や『クライ・ベイビー』(1986年)でティーンエイジャーのアイドルとしての地位を確立。
しかし、ジョニー・デップが一世を風靡したのはエドワード・シザーハンズ役やエド・ウッド役を務めた90年代だ。そして、21世紀になるとジャック・スパロウ役で伝説となった。元妻アンバー・ハードとの波乱の離婚劇を経て、現在ではミュージシャンとして活動を続けている。
『ルーカスの初恋メモリー』(1986年)や『ビートルジュース』(1988年)、『ヘザース/ベロニカの熱い日』(1989年)に出演し、世界中でファンを獲得。ときに優美にときに激しく、持てる才能を存分に発揮して一世を風靡した。
『ドラキュラ』(1992年)や『リアリティ・バイツ』(1994年)といった作品で90年代に大女優となったが、窃盗の罪で逮捕され一時はスランプに陥ってしまった。しかし、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で復活を遂げ、ふたたびファンを増やしている。
『アウトサイダー』(1983年)で知名度を上げ、『ベスト・キッド』(1984年)で一世を風靡したものの、その後は姿をスクリーンから姿を消していたラルフ・マッチオ。
しかし、『ベスト・キッド』の続編『コブラ会』で再びダニエル・ラルーソーを演じ、貫禄を見せつけることとなった。