ペットにあげてもよい食べ物とダメな食べ物
ペットを飼っている人なら一度は悩むのが、ペットフード以外の食べ物を与えても大丈夫なのかということ。そこで、今回はペットにあげてもよい食べ物とダメな食べ物をご紹介します。
米国のドッグトレーナー、シーザー・ミランによれば、犬は鶏肉・豚肉・牛肉・ラムをはじめ、どんな種類の肉でも食べることができると言います。ただし、揚げ物は禁物。グリルやオーブン調理したものを与えましょう。また、塩を振ってはいけません。
魚はペットにとっても健康的な食べ物。オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸が豊富に含まれており、ペットの毛並みやツヤを保つ上で役立ちます。もちろん、骨をきちんと取り除いてから与えてください。ただし、主食を上回るほど魚をたくさんあげてはいけません。また、魚の場合も塩は禁物です。
とくに、マグロは犬にも猫にもあげることができますが、ペットの主食にするのは不適切です。また、生のマグロの方が缶詰のシーチキンよりオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸を多く含むので、毛並みをきれいに保つためには生がオススメ。さらに、消化にもよいため胃の負担になりません。
タマゴは犬や猫にとって優れたタンパク源です。ただし、サルモネラ菌による汚染を防ぐため、加熱調理するようにしましょう。また、生卵にはアビジンというタンパク質が含まれています。これはペットにとって無毒ですが、ビタミンの吸収を阻害してしまう働きがあります。
ニンジンは生でも調理してもペットの身体によい食べ物だとされています。ただし、消化のしやすさを考えると加熱調理がオススメ。ビタミンAのもととなるベータカロチンが豊富に含まれており、ペットの視力改善に役立つほか、整腸剤のような働きもしてくれます。さらに、歯ブラシ代わりにもなります。
犬にも猫にもよい野菜がカボチャです。食物繊維が豊富に含まれており、腸内細菌叢の維持や便秘の解消に役立つのです。また、葉酸およびビタミンB9が抗酸化作用を発揮するほか、低カロリーなので食事療法の際にも便利。
ペットの身体によいリンゴですが、あげ過ぎは禁物。とくに、糖尿病を患っている場合は注意が必要です。さらに、種にはシアン化合物のもととなるアミグダリンが含まれているので、取り除かなくてはいけません。リンゴにはビタミン C・A、葉酸、抗酸化物質、カリウム、リン、マグネシウムが豊富に含まれているほか、水分補給にも役立ちます。
バナナは犬にも猫にもあげることができますが、下痢を引き起こしてしまうことがあるので、少しずつ量に気を付けて与えるようにしましょう。カリウムが豊富で骨や筋肉の健康によいほか、ビタミンB6とCが免疫システムを強化し、循環器疾患を予防してくれます。また、腸内細菌叢のバランス維持にも効果を発揮します。
乳糖不耐症でない限り、ペットもヨーグルトを食べることができます。ただし、砂糖や甘味料が含まれているものは避けましょう。ヨーグルトは便秘や下痢といった消化器系のトラブルを解消してくれるほか、カリウムやカルシウム、ナトリウムといったミネラルの供給源としても優れています。
食物繊維豊富なオートミールは消化を助けてくれます。ペットに与える際には、砂糖を加えずに調理することが大切です。
ブドウやレーズンを犬や猫にあげるのは厳禁。腎臓病や肝臓病の原因になってしまいます。
リンゴ同様、種にはシアン化合物が含まれており、ペットの健康を損なってしまう恐れがあります。
オレンジに含まれるソラレンは猫にとって有毒なので絶対に与えてはいけません。この物質はイチジクにも含まれています。一方、犬は少量ならオレンジを問題なく食べることができます。水分補給のほか、ビタミンC補給にもよいでしょう。
ペットにアボカドは禁物。果実に含まれるペルシンがペットにとっては有毒で、摂取すると胃の痛みや嘔吐、膵炎などを引き起こしてしまう恐れがあります。
クエン酸が下痢をはじめとする胃腸のトラブルや嘔吐の原因となるので、レモンや柑橘類はペットに与えてはいけません。
ナッツ全般やドライフルーツは、ペットの消化器系や神経系に悪影響を与えてしまうことがあり、危険です。とくにナッツはふるえや下痢、嘔吐の原因になります。
真夏の水分補給に最適なのがスイカ。種を取り除くとさらによいでしょう。
リンゴなどと同様、モモの種にはシアン化合物が含まれており、ペットに与えるのは危険です。
犬であれ猫であれペットにチョコレートをあげるのは厳禁です。チョコレートに含まれるテオブロミンは、ペットが代謝できないため中毒を引き起してしまいます。
タマネギに含まれるチオ硫酸塩はペットの赤血球を破壊してしまうため、結果として貧血を引き起す恐れがあります。
言うまでもありませんが、ペットにアルコールは禁物。適切に代謝する仕組みがないため、アルコールを与えられたペットは深刻な問題を引き起こし、死に至る場合もあります。
2000年に行われた研究では、ニンニクに含まれるn-プロピルジスルフィドがペットに貧血を引き起すことが示唆されており、日常的に与えるのはオススメできません。ただし、このような事態に陥るのは、日々ペットに大量のニンニクを与えた場合だけ。チューリッヒ大学の獣医薬理学・毒性学研究所によれば、ペットの体重1キロあたり5グラムを超える量のニンニクは有毒だとされています。しかし、1日あたり4グラムのニンニクを最長1週間与えることで、駆虫薬としての効果を期待することができます。
砂糖や甘いお菓子全般はペットの健康の大敵です。肥満や糖尿病のリスクを高めてしまうので、与えないようにしましょう。