急逝から1年、米俳優レイ・リオッタの死因が判明
個性派俳優として人気を博していたレイ・リオッタが2022年5月にこの世を去ってから1年。ようやく、死因が公式発表されることとなった。
ニュースサイト「TMZ」によれば、レイの死因は「呼吸不全、肺水腫、および急性心不全」だったという。
ベテラン俳優のレイ・リオッタはドミニカ共和国に滞在中だった2022年5月26日に急逝。
『Deadline』誌によれば、レイは睡眠中に息を引き取ったとされている。享年67。当初、死因について詳細の発表はなかった。
当時、レイ・リオッタはドミニカ共和国で映画『Dangerous Waters』の撮影に臨んでいた。
2021年には複数のメディアが、レイ・リオッタとジェイシー・ニットロの婚約を報道。しかし、レイは結婚目前にこの世を去ることとなってしまった。
1997年から2004年まで女優のミシェル・グレースと結婚していたレイ・リオッタ。2人の間には娘のカーセンがいる。
レイが大ブレイクする切っ掛けとなったのは、マーティン・スコセッシ監督の名作『グッドフェローズ』(1990年)だった。
しかし、レイは『グッドフェローズ』に出演する前から映画界で試行錯誤を続けており、80年代後半にはマイナーな映画賞に何度かノミネートされるようになっていた。その中には、メラニー・グリフィス&ジェフ・ダニエルズが主演したジョナサン・デミ監督の『サムシング・ワイルド』における助演が含まれている。
1988年には、『アマデウス』で知られるトム・ハルスとともに『ニッキーとジーノ』で主演。忘れられがちなこの作品だが、ジェイミー・リー・カーティスも出演していた。
『グッドフェローズ』でブレイクを果たしたレイ・リオッタは、ジョン・トラボルタやアンディ・マクダウェエルといったスターたちと肩を並べるようになる。けれども、個性的な容貌や振る舞いから悪役を任されることが多かった。
シャツの好み(写真)から言動にいたるまで、レイのスタイルはハリウッドの標準からかけ離れたものだった。
『グッドフェローズ』の後も様々な作品に出演したレイだが、同作のマフィア役以上の当たり役に恵まれることはなかった。とはいえ、ロバート・デ・ニーロやハーヴェイ・カイテル、シルヴェスター・スタローンと共演した『コップランド』をはじめ、数々の作品で存在感を発揮している。
1994年には人気ドラマ『ER緊急救命室』にゲスト出演。死の淵で波乱の人生を回想する役を演じ、プライムタイム・エミー賞を獲得した。
『羊たちの沈黙』の続編、『ハンニバル』(2001年)では、ハンニバル・レクターに脳を調理されてしまうシーンで有名だ。
スカーレット・ヨハンソン&アダム・ドライヴァーが主演したノア・バームバック監督の『マリッジ・ストーリー』(2019年)では、短い出番ながらも見事な演技を披露。
1954年12月18日にニュージュージー州ニューアークで誕生したレイ・リオッタ。自分が養子であることを知らされたのは6歳のときだったとたびたび回想している。母のメアリーは秘書、父のアルバートは自動車ディーラーとして働いていた。
その後、マイアミ大学で演技を学び、舞台俳優としてキャリアをスタート。
才能のわりに役に恵まれなかったようにも見えるレイ・リオッタだが、スクリーンに強い印象を残したのは間違いない。彼の急逝でハリウッドが失ったものは大きい。