古代版と現代版がある?:世界の七不思議

「世界の七不思議」
驚異的な建築物
バビロンの空中庭園(イラク)
ギザの大ピラミッド(エジプト)
アルテミス神殿(トルコ)
オリンピアのゼウス像(ギリシャ)
マウロス霊廟(トルコ)
ロドス島の巨象(ギリシア)
アレクサンドリアの大灯台(エジプト)
「新・世界の七不思議」
世界中からの投票
最終候補に残った21カ所
「新・世界の七不思議」
ペトラ(ヨルダン)
タージ・マハル(インド)
マチュ・ピチュ(ペルー)
チチェン・イッツァのピラミッド(メキシコ)
コロッセオ(イタリア)
万里の長城(中国)
コルコバードのキリスト像(ブラジル)
「世界の七不思議」

「世界の七不思議」をご存じだろうか?世界の7つの驚くべき建造物を指し、古代ギリシャの数学者で旅行家でもあったフィロンが紀元前2世紀頃に記した「世界七つの景観」がもとになっているという。

写真: Pexels - Maahid Photos

驚異的な建築物

「世界の七不思議」は、その美しさはもちろん、各時代の土木技術レベルを超越した驚くべき建築物を意味する。まずは、古代の数学者が記した「世界七つの景観」をもとにした「世界の七不思議」をみていこう。

写真: Pexels - Mouad Mabrouk

バビロンの空中庭園(イラク)

バビロンの空中庭園は「世界の七不思議」のうち場所が確定していない唯一の遺跡で、現在のイラクにあたる古代都市バビロンの中にあったとされる。新バビロニア帝国のネブカドネザル2世が、紀元前600年頃に造った宮殿にあったという壮大な空中庭園だ。

ギザの大ピラミッド(エジプト)

「世界の七不思議」の中で、唯一現存するのがギザにある世界最大のピラミッドだ。紀元前2570年頃に建てられ、完成時の高さは146.5m。古代エジプト第4王朝のファラオ、クフ王の遺骨が納められた墓だとされている。

写真: Unsplash - Hossam M. Omar

 

アルテミス神殿(トルコ)

紀元前550年にクロイソス王の命で、現在のトルコ西部エフェソスに再建された総大理石の神殿。紀元前356年に放火で消失し、その33年後にアレキサンダー大王が再建を命じたとされている。

 

オリンピアのゼウス像(ギリシャ)

紀元前435年に高名な彫刻家ペイディアスによって建造された天空神ゼウスの彫像。現在のギリシアに位置する古代都市オリンピアにあったゼウス神殿に納められ、本体は杉材で表面を象牙で覆い、座席は金、象牙、黒檀、宝石で飾られていた。座像でありながら全長が12mあったとされる。

 

マウロス霊廟(トルコ)

ヘカトムノス朝のマウソロスが存命中に、彼と妻の遺体を安置するために造営を命じた霊廟。紀元前350年、彼の死から1年後に完成した。類をみない建物の大きさと、高名な彫刻家たちが施した見事な大理石のフリーズは、当時のどの建物よりも際立っていたとされている。

 

ロドス島の巨象(ギリシア)

紀元前3世紀頃にリンドスのカレスによって12年の歳月をかけて建造された太陽神ヘーリオスの彫像。全長34メートル、重さ70トン、内部を通って頭部に行くことができ、灯台の役割を果たしていたとされる。紀元前226年、ロドス島で地震が発生した際に倒壊し、永遠に失われてしまった。

 

アレクサンドリアの大灯台(エジプト)

紀元前3世紀頃にアレクサンドリア湾岸のファロス島に建造された134メートルの大灯台。エジプトのヘレニズム国家プトレマイオス朝の初代ファラオの命により、クニドスのソストラトスが38年かけて建設した。市内にある二つの港に到着する船を誘導する役割を担い、建築当時はギザの大ピラミッドに次いで地球上で2番目に高い人工物だった。

「新・世界の七不思議」

「古代版・世界の七不思議」が現代社会にそぐわないとして、世界中からの投票によって現代版の「新・世界の七不思議」が選出されることになった。

写真:Unsplash - Agnieskza Mordaunt

 

世界中からの投票

スイスに本拠を置く「新世界七不思議財団」が世界的規模の投票を組織し、2007年に「新・世界の七不思議」が選出された。

写真: Unsplash - Gabriel Rissi

最終候補に残った21カ所

この投票には世界各国から1億人以上が参加し、2000年以前に造られた建造物の中から、アルハンブラ宮殿(スペイン)、アテナイのアクロポリス(ギリシャ)、自由の女神(アメリカ)などを含む21カ所が最終候補に残った。さらに、そこから7つの建造物が選び抜かれたのだ。

写真: Pexels - Chiaroscuro

「新・世界の七不思議」

それでは2007年に新たに選出された、現代版の「新・世界の七不思議」をみていこう。

写真: Pexels - Boris Ulzibat

ペトラ(ヨルダン)

紀元前2世紀頃から交易路の要塞として繁栄していた都市の跡地。岩を直接削って造られた建築物や、紀元前312年に建設された高度な給水設備が大きな見どころとなっている。

写真: Pexels - Yasir Gürbüz

タージ・マハル(インド)

ムガル帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーンが、14番目の息子を出産した際に亡くなった愛妃ムムターズ・マハルのために建設した総大理石の墓廟。1632年着工、1653年に完成した。イスラム、ペルシャ、インド、トルコの要素が組み合わされた美しい建築物で、インド観光の目玉的存在となっている。

写真: Pexels - Zhanggeldy Beimish

マチュ・ピチュ(ペルー)

ペルーのクスコにある15世紀のインカ帝国の遺跡。標高2,430mのアンデス山脈の屋根にあり、山裾からは存在が確認できないことから空中都市と呼ばれている。偶然発見されるまで深い密林に覆われていた。帝国に発展したアンデス文明は文字を持たなかったため、多くの謎がいまだ解明されずに残っている。

写真: Unsplash - Federico Scarionati

チチェン・イッツァのピラミッド(メキシコ)

メキシコ南部ユカタン半島にあるマヤ文明の遺跡。マヤの最高神ククルカンに敬意を表して建てられたピラミッドで、4面に各91段の階段をもち、最上段の神殿でマヤ文明の儀式を行っていた。

写真:Unsplash - Mario La Pergola

コロッセオ(イタリア)

西暦80年に造られた円形競技場で、ローマを代表する観光地となっている。直径187.5m、短径156.5mの楕円形で当時としては最大規模の建物。推定5万人から8万7千人の観客を収容したとされる。

写真: Unsplash - Rubén Ramírez

万里の長城(中国)

紀元前5世紀から16世紀にかけて外敵の侵入を防ぐために築かれた、長さ21,200kmにおよぶ城壁。現在は、高さ7メートル、幅5メートルの城壁が3分の1ほど残っているにすぎないが、それでも世界最長の城壁となっている。

写真: Pexels - Manuel Joseph

コルコバードのキリスト像(ブラジル)

リオデジャネイロのコルコバードの丘にある高さ30mの巨大なキリスト像。1922年のブラジル独立100周年を記念して、10年かけて建設された。内部は150人程が入れる礼拝堂になっている。

写真: Unsplash - Marcos Ferreira

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