信心深いセレブ、そうでないセレブ:キリスト教・イスラム教・無神論・スピリチュアル……
無神論を声高に主張するリッキー・ジャーヴェイス。X(旧Twitter)上でたびたび宗教をやり玉にあげる投稿を行っている。いわく:「サンタクロースや『歯の妖精』を大人になっても信じているようなものさ。おまけに人殺しや戦争まで始めるんだから、とんだ笑い種だね」
毎日教会に足を運ぶほど敬虔なマーク・ウォールバーグ。自身のカトリック信仰について「ハリウッドではウケが悪い」としつつも隠すことはせず、信仰のおかげで「より良い自分」を目指すことができるとしている。
一方、女優のキーラ・ナイトレイは高次の存在や死後の世界を否定する無神論者だ。『Interview』誌に対し、「無神論者でなければ、何をしたっておとがめなし。だって、神に赦しを請えばよいだけでしょう? 罪悪感を抱えて暮らすよりはよさそうね」とコメントしている。
自身の信仰について「ジーザス・ガイ」であると公表しているジャスティン・ビーバー。名声に圧倒されそうになったとき自分を見失わずに済んだのは信仰のおかげだとしているが、一部の教条には同意せず、イエスの教えに直接触れるようにしているとのこと。
トム・クルーズはサイエントロジーを信仰していることで有名だ。いわく、個人的な葛藤を克服し、俳優として成功を収める上で信仰が役立ったとのこと。カルト宗教というレッテルを張られがちだが、トムは「素晴らしい宗教ですよ」と反論している。
キリスト教から東洋哲学に至るまで、さまざまな思想を探究してきたオプラ・ウィンフリー。バプテストの家庭で育ったオプラは自身の信仰について、毎晩神に祈るような伝統的な信者ではないものの、キリスト教徒だとしている。
カントリー歌手のシャナイア・トゥエインは2022年にポッドキャスト『テーブルマナー』の中で、宗教の話題をめぐってオプラ・ウィンフリーとの会話が「険悪になった」ことがあると明かした。いわく「私は熱心に何かを信仰しているという意味での信者ではありません。どちらかといえばスピリチュアルな人間なんです。強いて言えば探究者でしょうか」とのこと。ちなみに、オプラは「とても信心深く」、信仰について議論したがらなかったという。
長年、不可知論者を自認するモーガン・フリーマンだが、『The Story of God with Morgan Freeman』というドキュメンタリーを制作するほど宗教に関心を抱いている。同番組の中では、とりわけゾロアスター教との出会いについて語った:「(ゾロアスター教は)私の本質的な信念体系と合致します。端的に言えば『正しい考え、正しい言葉、正しい行い』です」
熱心な仏教徒であり、長年ダライ・ラマを支持してきたリチャード・ギア。心の平穏を見出し、世界をより深く理解する上で信仰が役立ったとのこと。
『グリーンブック』や『ムーンライト』で知られるアカデミー賞俳優のマハーシャラ・アリは、2000年にイスラム教の一派「アフマディーヤ」に改宗して以来、敬虔な信者だ。『ガーディアン』紙のインタビューでは、「私はさまざまな宗教を掘り下げ、神との合一を探究しました。その結果、イスラム教に辿り着いたんです」としている。
チャンス・ザ・ラッパーの歌詞にはキリスト教信仰にまつわるフレーズがたびたび登場する。生まれたばかりの娘が心房粗動を患っていたことで信仰を失い、ふたたび取り戻したことを公言しており、『Teen Vogue』誌のインタビューでは「オレはクリスチャン・ラップを作っているわけじゃない。オレ自身がクリスチャン・ラッパーなんだ」とコメント。
英国の俳優でコメディアンでもあるスティーヴン・フライは無神論を公言しており、体系的な宗教を批判。いわく:「宗教なんて邪悪の極みです。これほど不条理と苦痛に満ちた世界に創造者がいたとして、そんな気まぐれかつ意地の悪い愚かな神にどうして敬意など払わなくてはならないのでしょう?」
TVドラマ『The King of Queens』で知られる女優のリア・レミニは元サイエントロジー信者だが、2013年に棄教して以来、古巣に対して痛烈な批判を行っている。サイエントロジーに関する著作(写真)を出版したほか、「教会を離脱することになった人々が経験した虐待や苦悩、嫌がらせにまつわるショッキングな物語」を扱ったドキュメンタリー番組まで制作してしまった。
画像:Troublemaker, Leah Remini, Ballantine Books
末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の敬虔な信徒であるダニー&マリー・オズモンド。兄妹のキャリアや結婚生活、堅実な生活は信仰によるところが大きい。実際、モルモン教の教義では薬物やアルコールをできる限り遠ざけることが奨励されている。
映画『食べて、祈って、恋をして』をインドで撮影する前からヒンドゥー教に改宗していたジュリア・ロバーツ。2011年に自身の信仰と実践について初めて口を開き、ニーム・カロリ・ババ師の写真を目にしたことがきっかけだったと明かした。
敬虔なクリスチャンとして知られるデンゼル・ワシントンは、自身について「神を畏怖する男」だと形容している。そして、ウィル・スミスが平手打ち事件を引き起こした際には、聖書の一節を引き合いに出して「最高の瞬間には気を引き締めなくてはならない。悪魔に狙われるのはまさにそのときだ」と諭した。
『ハリー・ポッター』シリーズの主役、ダニエル・ラドクリフは無神論者を自認しており、死後の世界や高次の存在を信じていないという。2012年には『アティテュード』誌のインタビューで、「ぼくは信仰を持たない無神論者ですが、宗教が立法に口を挟むようなら断固戦います。学校には性教育が必要です。同性愛であれ異性愛であれ、幼いころから人間関係を学ばなくてはならないのです」とコメントした。
『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』の女優で神経科学者でもあるメイム・ビアリク。リベラルな改革派ユダヤ教の家庭で育ったが、本人は現代における正統派ユダヤ教徒を自認し、誇り高く信仰を実践しているという。
ポップバンド「ワン・ダイレクション」の元メンバー、ゼイン・マリク。イスラム教徒だったが、2018年に行われた『Vogue』雑誌のインタビューで、スピリチュアルな側面を失ったわけではないがイスラムの根本原理はもう信じていないと明かした。いわく:「決められた方法で処理された特定の肉を食べなければならないとは思いませんし、決められた言語で1日5回お祈りを詠唱する必要があるとも思いません」
カントリー歌手のキャリー・アンダーウッドは敬虔なクリスチャンであり、その信仰は歌詞にもよく表れている。また、神との関わりが人生やキャリアにどのように作用したかについても常々公言してきた。
性的暴行疑惑で渦中の人となってしまったコメディアンのラッセル・ブランド。キリスト教やヒンドゥー教、仏教などさまざまな信仰をめぐるスピリチュアルな探究を行ったことで知られている。高次の存在とつながることで得られる変革力について語るのを好み、そのおかげで依存症を克服することができたと主張。FOX放送のインタビューでは「私には神が必要です。そうでないとこの世界と折り合いを付けられないんです」とコメントした。
音楽を通してスピリチュアルな自己探求を続けるアラニス・モリセット。カトリック信者として育ったが仏教をはじめとする東洋の伝統に傾倒しており、ダライ・ラマにも面会したことがある。
天体物理学者で俳優でもあるニール・ドグラース・タイソンは不可知論者を自認。科学と宗教の交わりについてよく議論するが高次の存在については懐疑的で、批判的思考の必要性を説いている。
伝説のプロレスラー、ハルク・ホーガンは内的な葛藤や逆境を乗り越える上でキリスト教の信仰が役立ったと言う。神とのつながりや祈りの必要性についてしばしば語り、イエスこそが「唯一本物である」としている。
2018年のMTVアワードで「神は実在し、あなたを愛しています」と述べたクリス・プラット。しかし、後に『メンズ・ヘルス』誌のインタビューを受けた際には、自身の信仰についてスピリチュアルなだけだと訂正した。いわく:「本当は信心深くないのに、宗教の顔になってしまうとは思いもよりませんでした(中略)信仰、つまり人間が生み出した習慣に従って神聖な存在に対する畏怖をときに私物化してしまうことと、それを利用して人々を支配したり、金儲けに走ったり、子供たちを虐待したり、土地を奪ったり、憎しみを正当化したりすることは区別されなくてはなりません」
インド出身の女優、プリヤンカー・チョープラーはさまざまな神秘主義に触れて育ったというが、ヒンドゥー教徒を自認。オプラ・ウィンフリーのインタビューでは、自宅には祭壇があって祈りを欠かさず、高次の存在も信じると語っている。
一方、アカデミー賞女優のジョディ・フォスターは無神論者を自認。SF映画『コンタクト』に出演した際には、「私は人々に畏怖の念を起こさせるような未解明の神秘や科学の美しさを信じています。今のところ原理がわからず神秘と呼ばれている現象も、いずれ科学的な解明がなされるはずです」とコメントした。
キリスト教信仰が依存症の克服に役立ったと語るビジュアル系ロッカーのアリス・クーパー。毎日、聖書を読み神に祈りを捧げているそうで、人生におけるキリスト教の役割と音楽に与えた影響についても熱弁している。
アンジェラ・バセットはペンテコステ派のキリスト教徒であり、自身の信仰がキャリアに与えた影響についてよく口にしている。それによれば、人生や女優業で岐路に立たされたとき彼女を導いてくれたのは神とのつながりだったという。
敬虔なクリスチャンとして知られるNBAスターのステフィン・カリーはファンと信仰を共有することを好み、神との関係こそ私生活およびキャリアにおける成功の秘訣だと信じて疑わない。ドキュメンタリー番組の中でも、「私にとって信仰とは目に見えないものを信じることであり、この世での活動に意味を与えてくれる高次の存在を確信することです」と語っている。
ミュージシャンのスティングはタントラやヨガ、瞑想をはじめ、スピリチュアルな実践に広く取り組んできた。カトリックの家庭で育ったものの自身は不可知論者であるとしつつ、超越的な体験も信じているそうだ。いわく:「信仰はあるのかと問われれば『オレは敬虔なミュージシャンだ』と答えるよ。音楽を通して、人知を超えたこの世ならざるものや神聖なものに触れることができるのさ」
ポッドキャスト『Bright Minded』の中で語ったところによれば、子供のころ性的マイノリティの友人が矯正治療を受けさせられるのを目の当たりにして教会に行くのをやめたという。また、マイリ―自身も保守的な教会のせいでセクシュアリティの受け入れに苦労させられたとのこと。
マジシャン兼エンターテイナーのペン・ジレットは無神論を標榜。体系化された宗教を批判する彼はこのテーマに関する著作も出版しており、懐疑主義と批判精神を擁護している。 いわく:「心から信じたいことがあるなら、まっさきにそれを疑うべきです」