侵攻下のウクライナを訪問したジェシカ・チャステインとハリウッドの著名人たち

ウクライナを訪問したジェシカ・チャステイン(2022年アカデミー賞受賞) 
真実に耳を傾け、事実を受け止めること
ウクライナでの任務
ウクライナを訪れたハリウッドスター
ベン・スティラー
国連難民高等弁務官事務所の親善大使
ベン・スティラーの感動
アンジェリーナ・ジョリー
寄宿学校を訪問
重要な国際任務
ショーン・ペン
2度目の訪問
ドキュメンタリー映画でウクライナを支援
U2のボノとジ・エッジ
名曲演奏で応援
自由のための戦い
ホセ・アンドレス
ワールド・セントラル・キッチン
直面した危機
リーヴ・シュレイバー
ウクライナの防空壕を訪ねる
ウクライナの人々を支援
ウクライナを訪問したジェシカ・チャステイン(2022年アカデミー賞受賞) 

8月上旬、オスカー主演女優賞を受賞したジェシカ・チャステインが突然ウクライナを訪れた。ジェシカはウォロディミル・ゼレンスキー大統領に面会、その際の写真は感謝の言葉とともに大統領本人のテレグラム・チャンネルから世界へ発信された。

 

真実に耳を傾け、事実を受け止めること

『Variety』誌によるとゼレンスキー大統領は、以下のように述べている:「米女優ジェシカ・チャステインがウクライナを訪れている。こうした著名人の訪問がもたらす意義は大きい。おかげで、世界各国の人々がこの国で起きていることを耳にしたり、理解したりできるのだから。ジェシカ・チャステインのサポートに感謝している」

ウクライナで戦争が始まってから、すでに5カ月以上が経過している。

 

ウクライナでの任務

『タミー・フェイの瞳』に主演しオスカーを手にしたジェシカは、キーウのオフマディット小児病院を訪問。『Variety』誌によると、その後「重要な人道的会議」に出席し、ゼレンスキー大統領とウクライナ大統領府長官アンドリー・イェルマーク氏と面会した。なお、ウクライナ支援を公言し、戦地を訪れたセレブはジェシカが初めてではない。

 

ウクライナを訪れたハリウッドスター

6月、同国の国防省は、「危険な状況にも関わらず」ウクライナを訪問したセレブたちに感謝の意を示した。現地を訪れ元気を与えてくれただけではなく、ウクライナの人々の戦いを世界に発信してくれたことへの感謝だ。

写真: Twitter / @DefenceU

 

ベン・スティラー

『ズーランダー』主演のベン・スティラーは6月、各地に戦火が上がるウクライナを訪問した。その日は「世界難民の日」でもあった。自身の妻と2人の子どもを家に残し、戦争の被害者となったウクライナ市民に会いに行ったのだ。

国連難民高等弁務官事務所の親善大使

スティラーは2016年初頭以来、国連難民高等弁務官事務所を支援している。2018年7月からは同事務所の親善大使を務め、ドイツ、ヨルダン、グアテマラ、レバノンの難民たちを訪問してきた。そして2022年、スティラーはついに自身の”ヒーロー”、ゼレンスキー大統領と面会を果たした。

写真:国連難民高等弁務官事務所

ベン・スティラーの感動

CBSニュースによると、ウクライナがロシアに侵攻され激しい戦火に見舞われた初期の頃、スティラーはゼレンスキー大統領とイルピンで面会し、「あなたは私のヒーロー」だと伝えたそうだ。そしてスティラーは次のように続けている:「大統領が国と世界のために奮起したことに深く感動している」

写真:国連難民高等弁務官事務所

アンジェリーナ・ジョリー

戦争下のウクライナを訪れたのはベン・スティラーとジェシカ・チャステインだけではない。ハリウッドの名女優アンジェリーナ・ジョリーは、ドネツク州の街ポクロフスクから避難列車で到着する国内避難民を迎えるため、4月にリヴィウ中央駅を訪れている。

寄宿学校を訪問

『ガーディアン』紙によると、6人の子どもの母でもあるアンジェリーナは避難民の子どもたちの話に耳を傾け、寄宿学校も訪問している。リヴィウのコジツキー知事によると、アンジェリーナは子どもたちとの会話にとても心を動かしていたという。そして、彼らとは再会の約束をしている。

 

重要な国際任務

アンジェリーナは2012年から国連難民高等弁務官事務所の特使を務めており、今回のウクライナ訪問前には親善大使としてイエメンを訪れ、50以上の平和維持活動を行ってきた。国連難民高等弁務官事務所を代表する特使として、外交レベルで難民問題解決へ向けた活動をしている。

 

ショーン・ペン

ショーン・ペンは侵攻が始まる以前からウクライナを訪れていたセレブの1人だ。監督としてウクライナ戦争を取り上げたドキュメンタリーを制作中であり、彼の現地訪問の詳細についてはその中で明らかにされるだろう。

 

2度目の訪問

2度オスカーを手にしているペンは、ロシアによるウクライナ侵攻開始後すぐに現地入りし、その様子を肌で感じてきた。戦闘が激化し、徒歩でポーランドに逃げ込んだこともあったという。6月にふたたびウクライナを訪れた彼はゼレンスキー大統領から温かい歓迎を受け、再会の固い握手を交わしている。

 

ドキュメンタリー映画でウクライナを支援

『ニューヨーク』紙によると、ゼレンスキー大統領は自身のテレグラム・チャンネルで、ペンが制作しているドキュメンタリー映画について感謝の言葉を投稿した:「彼の映画のおかげで、いずれ世界はこの戦争にまつわる真実のすべてを知ることになるだろう。ウクライナとウクライナ国民に対するサポートに対し、感謝の意を伝えたい」

U2のボノとジ・エッジ

U2のボノとジ・エッジは各地に戦火が上がるウクライナを5月に電撃訪問し、防空壕として使われている地下鉄の駅でパフォーマンスを行った。この即興ライブはU2の公式ツイッターアカウントが伝えているように、「ウクライナの人々との団結を示すために」企画されたものである。

(写真は2017年の2人のツーショット)

名曲演奏で応援

2人が披露した曲の1つが、ベン・E・キングの名曲「Stand By Me」だ。彼らはウクライナ出身の歌手タラス・トポリアとポップ・ロックグループAntytilaのメンバーとステージで共演した。現地のバンドメンバーは現在、祖国のために兵士として従軍している。なお、キングの「Stand By Me」をカバーした際は、歌詞の一部を「Stand By Ukraine」に変えている。

 

自由のための戦い
2人は「Vertigo」、「With or Without You」等の名曲を演奏し、『エンターテインメント・ウィークリー』誌にこう語っている:「勇敢なウクライナの人々は、形容しがたい暴力と不当な占拠に直面しながらも、自分たちのために、そして自由のために戦っている」

 

ホセ・アンドレス

著名なスペイン人シェフのホセ・アンドレスもまたウクライナ侵攻が始まると、荷物をまとめウクライナ国境へ向かった。アンドレスは戦火に巻き込まれた人々に食事を提供するため、同国と周辺諸国を行き来している。

 

ワールド・セントラル・キッチン

アンドレスは避難を強いられ飢えに苦しむウクライナの人々に1億3,000万食以上の食事を提供し、前線の命綱になっている。CBSニュースに対し次のように述べている:「人生はフィクション映画ではなく、痛みと苦しみを伴うもの。今しなければならないのは、寸暇を惜しんで、人々が直面している苦難を和らげることだ」

写真:Instagram @chefjoseandres

 

 

直面した危機

ハリコフで支援活動をしているレストランの1つ、ワールド・セントラル・キッチンがロシア軍のミサイル攻撃を受けた。4人のスタッフが負傷したが、幸い命に別状はなかった。アンドレスはどんな困難にもめげず、必要に迫られた人々に食事を提供するために奮闘を続けている。

リーヴ・シュレイバー

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』で主演したリーヴ・シュレイバーの母方の祖父はウクライナとポーランドの血を引いている。シュレイバーはウクライナでの惨事に心を痛めており、同地で熱心に人道的活動を行い、電撃訪問をするなど被害を受けた人々を支援している。

 

ウクライナの防空壕を訪ねる

シュレイバーは安全を求めてリヴィウの防空壕に避難している人々の元を訪ねた。つまり、市民の多くが国を出ようとしているときに、彼はウクライナに足を向けたのだ。また、インスタグラムのアカウントを通じ、家族を安全な場所に避難させようとウクライナに留まったマークという男性の物語を紹介している。

写真:Instagram / @Liev Schreiber

ウクライナの人々を支援

シュレイバーは「ウクライナ支援を目的に草の根運動を行う非営利団体を特定、審査し、資金を提供するネットワーク」である「BlueCheck」を共同で設立した。彼は最も必要としている人たちに支援を提供するため精力的に活動し、ウクライナの人々の強さに感嘆の意を示している。またロイター通信には「ウクライナの人々のたくましさに圧倒されている」と語っている。

 

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