オペラ界の貴公子マッテオ・ボチェッリ(26):イタリアの至宝、アンドレア・ボチェッリの次男として
マッテオ・ボチェッリは、世界最高峰とされるテノール歌手アンドレア・ボチェッリの3人の子供のひとりだ。その豊かな才能と恵まれたルックスで人気を高めている。
2024年2月、マッテオ・ボチェッリは父アンドレア・ボチェッリとともに、チリで行われた南米最大級の音楽祭「ビニャ・デル・マール音楽祭」に出演。同音楽祭では、最優秀アーティストに捧げる「金のカモメ」と「銀のカモメ」とが父親アンドレアに授与されるという記念すべきイベントとなった。
このときの親子共演を通じ、マッテオは歌手としての才能はもちろん、ステージで見せた親しみやすくかつ優雅な立ち居振る舞いで多くの人々の心を捉えた。そしてソーシャルメディアのフォロワー数は瞬く間に100万人を突破。
「ビニャ・デル・マール音楽祭」出演以来、ソーシャルメディアではマッテオに対し限りない賛辞が贈られている:「チャヤンヌ(ラテン系人気歌手の名前)よ、さようなら。音楽界に新たな恋人が現れたんだ」「人類の罪を贖うために神が遣わされた存在」「アンドレア・ボチェッリはチリの女性たちの『義父』となった」といった具合だ。
人気沸騰中のマッテオ・ボチェッリだが、どんな生い立ちなのだろうか。マッテオは1997年10月8日、21世紀最高峰といわれるイタリア出身のテノール歌手アンドレア・ボチェッリの次男として、イタリアのトスカーナに生まれた。現在26歳だ。
マッテオのルックスは父親似といわれることが多い。オペラについては父親とは歌唱法が異なるものの、声には父親を思わせるところがある。
世界的歌手のもとに生まれたマッテオは、幼い頃からピアノと音楽の勉強を始めた。やがて父親と同じく歌を志望するようになったが、父親は当初、息子が同じ道を歩むことを望まなかったという。
「(父は)僕の夢はオペラ歌手になることなのだと少しずつ理解してくれましたが、つねに『おまえはまだ若すぎる、まだ準備ができていない』といっていました。僕が16歳のときには(名プロデューサーとして知られる)デイヴィッド・フォスターとアルバムを作ることもできたのですが......」
「…...そして、父は私に歌手としての道を進ませまいとあらゆる努力をしました。なぜなら父は音楽業界について熟知しており、その厳しさも身に染みていたからです。とはいえ、だれもぼくの夢をあきらめさせることはできないし、決心をくつがえすこともできません」とマッテオは語っている。
最終的にアンドレア・ボチェッリは息子をサポートし、マッテオは2018年にディズニーの映画作品『くるみ割り人形と秘密の王国』で「Fall on Me」を父親とともに歌い、歌手デビューを果たした。
マッテオは父親と同じく主にクラシック音楽に取り組んでいるが、ほかのジャンルとも積極的にコラボレーションを重ねている。
たとえば、2022年にコロンビア出身の人気歌手セバスティアン・ヤトラと組み、スペイン語の楽曲「Tu Luz Quedó」を発表。この曲はYouTubeで700万回を超える再生回数を記録した。
アルバム発表のほか、マッテオはチリの「ビニャ・デル・マール音楽祭」をはじめ国際的な舞台でパフォーマンスを行っている。このときの公演後、「チリ訪問は今回が初めてですが、これ以上は考えられないほどの反応をいただきました。 まったく信じられません。素晴らしい観客の皆さまにお礼申し上げます」と地元テレビ局「チャンネル13」にコメントしている。
2023年、マッテオ・ボチェッリはファーストアルバム『マッテオ』をリリース。本作ではポップ音楽の要素を取り入れ、エド・シーランとマやシュー・シーラン等が提供した英語の曲とイタリア語の曲を組み合わせている。
現在、マッテオはオーストラリア、米国各地、ヨーロッパ諸国を巡るワールドツアーを行っている。そのとどまることを知らない活躍から目が離せない。