思いがけない大抜擢:もともと主役を務めるはずだったのは誰?
裏話やエピソードには事欠かないハリウッド。名だたる名作のキャスティングに関しても、紆余曲折を伝えるこぼれ話が聞こえてくる。『タイタニック』の主演はもともとレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットではなかった!?それどころか、『セブン』や『フォレストガンプ』、さらには『スターウォーズ』の主役たちも違う俳優だったかもしれないのだ。幸か不幸か実現しなかったキャストで、本当はどんな風になるはずだったのか見てゆこう。
ハリソン・フォードは『スター・ウォーズ』で映画史に名を残す名演技を見せたが、もともとハン・ソロを演じる予定だったのは彼ではなかった。ハリウッドの別の大物俳優が先にオファー断っていたのだが、それは誰かというと……
『スター・ウォーズ』のハン・ソロ役を演じるアル・パチーノを想像できるだろうか?しかし、彼自身が打ち明けたところによれば、そうなっていたかもしれないのだ。けれども、パチーノは土壇場になって役を降りたらしく、『スター・ウォーズ』制作陣は若きハリソン・フォードを起用することになった。そして、その結果は誰もが知るところである。
『アイアンマン2』でブラック・ウィドウに命を吹き込んだのがスカーレット・ヨハンソンではなかったかもしれないなんて想像できるだろうか?しかし、最初に抜擢された女優が首を縦に振っていたら、そうなっていたかもしれない。では、このスーパーヒロイン役にマーベルが指名したのは誰だったのか?それは次の写真のあの人だ。
そう、エミリー・ブラントだ。 『クワイエット・プレイス』の主役を務めた彼女こそキャスティングチームが最初に白羽の矢を立てた女優だったのだ。しかし、結局、スカーレット・ヨハンソンがこの大役を演じることになった。エミリー・ブラントがオファーを断った理由はいろいろと囁かれているが、中でも次の2つが挙げられる。1つ目は彼女自身が述べた理由で、心の準備ができていなかったというもの。 しかし、オンラインマガジン『Deadline』の報道によれば、契約当事者たちが満足のいく金銭的合意に至らなかったのが原因だという。
『タイタニック』のジャック・ドーソン役を演じたことで、レオナルド・ディカプリオの名は世に轟くことになった。しかし、彼はそんなに簡単に主役の座を手に入れたわけではなかった。というのも、オスカー受賞歴のある別の俳優がジェームズ・キャメロン監督のオファーを断っていなければ、ディカプリオにお鉢が回ってくることはなかったからだ。さて、それは誰だったかというと……
何が起きたのかは詳らかでないが、何かあったのは確かだ:『タイタニック』でジャック・ドーソン役としてキャスティングチームが最初に抜擢したのはマシュー・マコノヒーだった。けれども、結局、彼がこの役を演じることはなかった。後年、主演女優ケイト・ウィンスレットとマコノヒー自身が打ち明けたところによると、二人はカメラテストを一緒に行い、『ダラス・バイヤーズクラブ』で男優賞を獲ったこともあるマコノヒーは制作会社からお墨付きをもらっていた。ところが、この予定は流れ、ディカプリオが主役の座をさらっていったのだった。
『タイタニック』では、ヒロイン役のケイト・ウィンスレットにも似たような話がある。彼女は若きローズ・デウィット・ブケイターを演じたことで観客や批評家たちから大喝采を浴びたが、実はもともと別の有力候補がいたのだ。それは誰だったかというと……
『ロミオ+ジュリエット』で力を発揮したレオナルド・ディカプリオとクレア・デインズという最高のコンビは、『タイタニック』で再び日の目を見る可能性があった。けれども、これは結局実現しなかった。クレア・デインズが、ジェームズ・キャメロン監督の指揮するこの映画の主演を断ったためだ。彼女自身がメディアで何度も公言しているところによれば、ローズ・デウィット・ブケイター役がもたらすであろう桁外れの評判を一身に集める心づもりができていなかったからだという。結局、最終的に選ばれたのはケイト・ウィンスレットだったが、後年になって、グウィネス・パルトローやガブリエル・アンウォーなどの他の役者の名前もヒロイン役候補に挙がっていたことが明らかになった。
『セブン』のファンなら、ブラッド・ピット以外の俳優が血気盛んな刑事デイヴィッド・ミルズを演じることなど想像もつかないだろう。しかし、数年が経ち劇場公開された後になって、この役にもともと内定していたのは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でオスカー賞を獲得した彼ではなかったらしいことが判明した。
後年、この映画を観て、あの役を断ったのは間違いだったと後悔を打ち明けたデンゼル・ワシントン。しかし、何かためらう理由があったのか、彼は『セブン』のキャスティングプロデューサーのオファーを断ってしまったのだ。デヴィッド・フィンチャー監督のこの映画でモーガン・フリーマンに口答えする彼の姿はご想像にお任せする。
「ラ・ラ・ランド」でミアをキュートに演じたことでアカデミー主演女優賞を勝ち取ったエマ・ストーンだが、どうやらデミアン・チャゼル監督が最初に指名したのは彼女ではなかったようだ。もし、その人物がそのとき首を縦に振っていたら、『ラ・ラ・ランド』は違ったものになっていただろう。
ヒロイン役として『ラ・ラ・ランド』の監督が最初に目を付けたのはエマ・ワトソンだった。しかし、スケジュールの都合で、『ハリー・ポッター』のハーマイオニー・グレンジャー役で印象を残した彼女はこのオファーを断らざるを得なかった。というのも、2017年の『美女と野獣』でベル役に選ばれており、撮影時期が重なってしまったからだ。
『ラ・ラ・ランド』ではライアン・ゴズリングにも似たような話がある。デミアン・チャゼル監督は、後にアカデミー賞を受賞することになるこの映画の主役カップルに別の俳優を起用するつもりだったのだ。エマ・ワトソンがミア役なら、誰がゴズリングの代わりにセバスチャンを演じることになっていたのかと言うと……
映画『セッション』で生み出されたマイルズ・テラーとデミアン・チャゼルの連携が『ラ・ラ・ランド』で再び日の目を見ることはなかった。何が起きたのか定かではないが、何かあったのだろう:テラーは最初、自分が演じるものだとばかり思っていたが、結局、エージェントからの連絡で制作会社がライアン・ゴズリングを選んだと知らされたのだ。そして、テラーはこのことをまだ根に持っているようだ。
『ソルト』でアンジェリーナ・ジョリーが演じた役はもともと全然違っていた。映画自体は同じだが、主人公は男性だったのだ。当然、ジョリーは主役候補ではなかったが、誰になるはずだったのかと言うと……
そう、女性スパイ、イヴリン・ソルトはもともと男性エドウィン・A・ソルトだったのだ。そして、主演に指名されていたのはトム・クルーズだったが、彼は結局プロジェクトを去ることになってしまった。そこで、制作会社のソニーは女性を活躍させたら面白いと考え、アンジェリーナ・ジョリーを起用することに。
リー・アン・テューイ役の素晴らしい演技でアカデミー主演女優賞を勝ち取ったサンドラ・ブロックだが、もともと制作陣は彼女とはだいぶタイプの異なる女優を指名していた。それは誰かというと……
噂によれば、ジュリア・ロバーツは『しあわせの隠れ場所』の脚本を受け取っていたのだが、どうやらヒロイン役がお気に召さなかったようだ。結局、彼女はこのオファーを断り、代わりにサンドラ・ブロックがヒロインに命を吹き込むことになったが、結果はいかに?
1995年、トムハンクスは『フォレストガンプ/一期一会』での輝かしい演技で2度目のオスカーを受賞したが、どうやら、まったく違う事態になっていた可能性もあったようだ。さて、彼の前にオファーを断ったハリウッドの有名俳優とは?
今では奇妙に思えるかもしれないが、『フォレスト・ガンプ/一期一会』の制作陣は明確なビジョンを持っていた:主演はジョン・トラボルタ以外にはありえない、と。ところが、『グリース』の主演俳優は首を横に振ったため、トム・ハンクスにお鉢が回ってくることに。一部メディアの報道にもあるように、ビル・マーレイやチェビー・チェイスといった俳優たちもこの役を断っていた。
『しあわせの隠れ場所』でオスカー賞を獲得した直後、『ゼロ・グラビティ』でライアン・ストーンの役を演じることになったサンドラ・ブロック。結果はこの上ない出来栄えで、再びゴールデングローブ賞にノミネートされることに。しかし、本来この役は彼女のものではなかったらしいのだ。
どうやら、アルフォンソ・キュアロン監督が最初に白羽の矢を立てたのは、こちらもオスカー女優のアンジェリーナ・ジョリーだったようだ。ジョリーは2010年にオファーを断ったが、理由は公にされていない。しかし、代わりにサンドラ・ブロックがこの大役を引き受け、大成功を収めることに。
ほかにも役者が変更になったオスカー賞レベルの役がある:『世界にひとつのプレイブック』のティファニー役だ。デヴィッド・O・ラッセルが監督を務めたこの映画でヒロインを演じたのはジェニファー・ローレンスだが、どうやら彼女は最有力候補ではなかったようだ。
アン・ハサウェイが『世界にひとつのプレイブック』のティファニー役を断ったのはどうやら別の映画が原因らしい:『ダークナイト ライジング』だ。結局、デヴィッド・O・ラッセル監督は、後にオスカー賞を獲得することになるこの映画の主役にジェニファー・ローレンスを選ぶことに。
『マトリックス』のネオ役としてキアヌ・リーブス以外の配役はありえないだろう。 しかし、ハリウッド一悲しい物語を主演した彼も、ウォシャウスキー姉妹が最初にオファーした人物ではなかった。では、誰の名がささやかれていたかというと……
後年になってウィル・スミス本人が打ち明けたところによると、彼こそ『マトリックス』のネオを演じるはずだったという。しかし、プロジェクトをよく理解していなかった彼は、幸か不幸かウォシャウスキー姉妹のオファーを断ってしまった。
『羊たちの沈黙』の印象的なヒロイン、クラリス・スターリングはジョディ・フォスターとは似ても似つかない容貌をしていたかもしれない。というのも、この映画を指揮したジョナサン・デミ監督はヒロイン役として別の女優を考えていたらしいのだ。さて、それは誰かというと……
後年になって、『羊たちの沈黙』の監督が最初に指名したのはジョディ・フォスターではなく、プリプロダクション(80年代後半から90年代前半)の時点でキャリアの絶頂期を迎えていたミシェル・ファイファーだったことが明かされた。ところが、この役柄の不吉さと陰鬱さを嫌ったファイファーは参加を断り、最終的に白羽の矢が立ったジョディ・フォスターがこの役でアカデミー主演女優賞を手にすることに。
今や、ヴィゴ・モーテンセン以外の誰かが『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルンを演じるなど考えられないだろう。しかし、このおいしい役を断った有名なハリウッド俳優がいるのだ。それは誰かと言うと……
そう、オスカー受賞歴もあるダニエル・デイ=ルイスが『ロード・オブ・ザ・リング』三部作でアラゴルンを演じる予定だったのだが、ピーター・ジャクソン監督の熱心なオファーにもかかわらず、彼は申し出を断ってしまった。伝えられるところによれば、アラゴルン役としてすでにいくつかのシーンを撮影していたスチュアート・タウンゼントが役を降ろされた(出来栄えにあまり満足がいかなかった監督自身の決断らしい)あと、最初に白羽の矢が立ったのがデイ=ルイスだったようだ。しかし、大長編に縛られるのを嫌った彼は結局、首を横に振ってしまった。