世界の各都市を彩る巨大クリスマスツリー
12月に入ると世界の各都市に大きなクリスマスツリーが飾られる。今回は各地を代表する壮麗なクリスマスツリーを紹介していこう。
メキシコシティの中央広場ソカロには、毎年クリスマスが近づくと巨大なツリーとスケートリンクが設置される。2009年のツリーは、世界最大としてギネス世界記録に登録された。
アメリカのクリスマスは、マンハッタンにあるロックフェラー・センターのクリスマスツリー点灯式からはじまる。数え切れないほど多くの映画やTVに登場した有名なツリーで、長年に渡ってアメリカのクリスマスを象徴している。
クリスマスといえば欧米のイメージが強いが、クアラルンプールも負けていない。毎年12月にペトロナスツインタワーの足元に設置される巨大なクリスマスツリーは、クアラルンプールの冬のランドマークとなっている。ちなみにペトロナスツインタワー(451.9m)は、2004年に台湾の台北101(509m)が建てられるまで世界一の高さを誇っていた。現在でもツインタワーとしては世界一の高さだ。
パリの冬の風物詩となっているのが、ギャラリー・ラファイエット百貨店の本館ドームにあるクリスマスツリー。美しいアール・ヌーヴォー様式の天井近くまで届くツリーは、毎年異なるテーマで飾り付けされることでも有名だ。
クリスマスマーケット発祥の地とされるドイツは、どの都市もクリスマスの装飾に力を入れている。中でもブランデンブルク門の脇に設置させる巨大なクリスマスツリーが有名だ。
華やかなクリスマスイルミネーションで有名なマドリード。ソル広場やマヨール広場などにはLEDライトのクリスマスツリー、最近改修されたスペイン広場には伝統的なツリー、そしてアルカラ通りとセビージャ通りが交わる先にあるフォーシーズンズ・ホテルの外観には、高級感溢れるツリーが設置される。
数多くのクリスマスマーケットやツリーが市内に点在するハンブルグ。中でも興味深いのは、エルベ川の水面に浮かぶクリスマスツリーだ。
クリスマスツリーが水面に浮かぶ街はハンブルクだけではない。リオデジャネイロのロドリゴ・デ・フレイタス湖に浮かぶ巨大ツリーは、世界最大の「水に浮かぶツリー」としてギネスブックに登録された。水上ツリーの華やかな点灯式は、1996年からの恒例行事となっている。
洗練された美しい装飾とイルミネーションで有名なロンドンのクリスマス。ダウニング街10番地にある首相官邸前のクリスマスツリーは、他のツリーと比べて慎ましやかなものではあるが、まちがいなくロンドンを代表するツリーだ。
ドイツ最大のクリスマスツリーはドルトムントにある。かつては世界最大のツリーだった。ツリーの周りには、300軒以上の屋台が立ち並び、訪れる人を楽しませている。
ホワイトハウス前の広場に設置されるツリーは「ナショナル・クリスマスツリー」と呼ばれている。大統領や著名なアーティストも参加する点灯式が、1923年から続く伝統行事となっている。
木組みの家を背景にしたレーマー広場のクリスマスツリーは、まさにメルヘンの世界そのものだ。フランクフルトでは、クリスマスツリーに毎年異なる名前が付けられる。
カトリック教徒が多いバイエルン州ミュンヘンは、クリスマスを最も盛大に祝う地方のひとつだ。クリスマスマーケットはもちろん、ツリーもまた規模が大きい。1977年から常に同じ場所、市庁舎前に11月末から1月6日まで設置される。
クリスマスイルミネーションが華やかなことで定評のあるブダペスト。荘厳なツリーが、国会議事堂の前に設置される。
おとぎ話そのままの世界が広がるチェコの首都プラハ。クリスマスイルミネーションで彩られた街は、いっそうメルヘンチックな雰囲気で訪れる人を迎える。ドイツ人も羨むようなクリスマス マーケットも自慢のひとつだが、主役となるのは大聖堂前に置かれる大きなクリスマスツリーだ。
ブリュッセルは魅力を最大限に生かす術を知っている。だからこそ、クリスマスになると荘厳な建築物が立ち並ぶことで「世界で最も豪華な広場」と呼ばれるグラン・プラスに、印象的なクリスマスツリーを置くのだ。
北欧のクリスマスもまた見応えがある。首都ストックホルムの旧市街の埠頭には、巨大なツリーも登場する。スウェーデンの人たちは窓辺を照明やキャンドルで飾ることを好むが、クリスマスとなると誰もが競い合うようにして窓辺を飾るので、街全体が美しさを増す。
アルザス地方ストラスブールのクレベール広場には、ヨーロッパ最大級のツリーが飾られる。またストラスブールのクリスマスマーケットは、ヨーロッパで最も古いマーケットのひとつで、現在は1か所だけでなく、市内10カ所以上の場所で開催されている。
世界最大のクリスマスツリーはイタリアにある。しかも人口3万人ほどの小さな町グッビオにあり「世界最大のクリスマスツリー」として1991年からギネス記録を保持している。ただし、正確には一本の木ではなくインジーノ山の斜面に電線とライトで描かれた高さ2,130m、幅350mのツリーだ。ローマ教皇が点灯式でスイッチを押したこともある。
東京で見逃せないツリーは、4万個のイルミネーションで飾られる高さ15メートルの東京タワーのツリー、表参道ヒルズの本館吹き抜け大階段のツリー、WHITE KITTEや東京オペラシティ、そして東京湾の夜景を背景にした高さ20mのお台場のツリーだ。
フィレンツェのドゥオーモ広場では、毎年伝統にのっとり12月8日の「聖母マリアの無原罪の御宿り」の祝日に盛大なクリスマスツリーの点灯式が行われる。ツリーは1月6日まで、フィレンツェの街を華やかに彩る。
リスボンのコメルシオ広場にたつツリーは、2005年に世界で一番大きなクリスマスツリーとしてギネスブックに登録されたが、2006年に1位の座をリオデジャネイロに奪われてしまった。現在はヨーロッパ最大級のツリーとなっている。
クリスマスツリーが広く普及したのは100年ほど前からで、当初キリスト教は樹木崇拝を異教の伝統として否認していた。現在、カトリック教会の総本山であるサン・ピエトロ大聖堂の前には、30mに達する美しいクリスマスツリーが飾られている。
タリンのクリスマスツリーは、ヨーロッパで初めて広場に立てられたツリーだとされている。毎年コンテストで選ばれた、エストニアで最も美しいトウヒの木が旧市庁舎広場(ラエコヤ広場)に設置され、数千個のライトで飾り付けされる。
首都ヴィリニュスのクリスマスマーケットに設置されるクリスマスツリーは、近年最も注目を集めている。様々なサイトで「ヨーロッパで最も美しいクリスマスツリー」に選出された。
ミラノはスカラ広場やヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアのクリスマスツリーに定評があるが、一番人気は世界最大級のゴシック建築ミラノのドゥオーモ前に置かれるクリスマスツリーだ。
ポーランドもクリスマスイルミネーションに力を入れている国だ。首都ワルシャワの旧王宮前のクリスマスツリーは、プロジェクションマッピングとともに楽しむことができる。
アメリカ合衆国の首都、ワシントンD.C.では、アメリカ合衆国議会議事堂の前に大きなクリスマスツリーが飾られる。このツリーは2022年にノースカロライナ州のピスガ国有林で伐採されたものだ。
このクリスマスツリーは軍装備品などを覆う迷彩柄のネットで作られている。2022年、ウクライナ南部の街ムィコラーイウでは、ロシアと戦争中にもかかわらず、地元市民達ができる限りクリスマスを祝おうとしていた。このツリーは「不屈のツリー」と名付けられた。
フランスの首都パリには多くのクリスマスツリーが設置されるが、2022年にヴァンドーム広場に飾られた美しい2本のクリスマスツリーの人気がとても高かった。
レバノンの首都ビブロスに設置されるツリーは「世界で最も美しいクリスマスツリー」に選出されることが多い。このクリスマスツリーは2022年のもの。
赤道直下に位置するシンガポールでは本物の雪が降らない。毎年人工雪でクリスマスの雰囲気を盛り上げている。
クリスマスシーズンになるとサンフランシスコに光のトンネルが登場する。クリスマス・ツリー・レーンと呼ばれる杉の並木が1万個もの電飾で飾られ、サンフランシスコの冬の風物詩となっている。
ベネズエラの人々はクリスマスが大好き。首都カラカスには毎年趣向を凝らしたツリーが設置される。2022年の巨大ツリーは、リサイクル用のペットボトルで作られた。住民たちがカラカスの路上で1万5,000本ものペットボトルをかき集めたという。
レゴ発祥の地デンマークにはレゴのテーマパークがあり、クリスマスシーズンとなれば、レゴをテーマにしたクリスマスツリーが園内に飾られる。