世界各国の大統領や首相の年収とは?
首相や大統領といった政治指導者たちは、いったいどれくらいの年収を得ているのだろう。国により違いはあるものの、一般的に大企業の最高経営責任者に比べれば少なめといえる額のようだ。
中には、一般の人より少ない給与を得ている首相や大統領もいる。今回は2022年に最も年収の高かった、または低賃金だった政治リーダーたちを紹介していこう。
世界の首相や大統領の中でもっとも高い年収を得ているのが、シンガポールのリー・シェンロン首相。その年収は約160万ドルと推定されている。
政治家の給与が高ければ優秀な人材が集まり、政治家の汚職を未然に抑えることが可能になる。そのため、シンガポールは世界でもっとも汚職の少ない国に数えられている。
写真: Peter Nguyen/Unsplash
年収2位となったのは、第4代香港特別行政区行政長官の林鄭月娥だ。『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』紙によれば、その額は約67.2万ドル。
同紙によれば、香港政府が全政府高官に対し12.4%の年収引き上げを行ったことで、こうした高額が実現したという。
年収の引き上げには優秀な人材を政府内に維持、あるいは採用するという目的があるほか、インフレ緩和を狙う側面もあるという。
続く3位は、2022年1月1日にスイス連邦大統領に就任したイニャツィオ・カシス氏。大統領の年収は約48.3万ドルだという。
世界のリーダーと称されるアメリカ合衆国大統領の年収は意外にも低めだ。というのも、国の法律で大統領の年収は40万ドルと決められているのだ。
しかし、アメリカ大統領には40万ドルの報酬以外にさまざまな収入がある。公務遂行に伴う支出のために、5万ドルという経費が法律で認められているのだ。そのほかホワイトハウスや大統領専用ジェット機など、最高の設備を利用することができる。
労働党の党首で第31代オーストラリア首相を務めるアンソニー・アルバニージー氏の年収は約37.84万ドル。世界で5番目に年収額の高い首脳となった。
それに続くのがドイツ連邦のオラフ・ショルツ首相(写真)で年収は約36万ドル。次はニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相で年収約34万ドルだ。
8位にはモーリタニアのモハメド・ウルド・ガズアニ大統領で年収33万ドル、9位はオーストリアのカール・ネーハマー首相の32.8万ドル、そしてルクセンブルクのグザヴィエ・ベッテル首相(写真)が27.8万ドルで10位となった。
2015年からカナダの首相を務めているジャスティン・トルドーは、年収26.7万ドルで12位となった。
2022年10月にイギリス首相に就任したリシ・スナクは、年間18.67万ドルを受け取ることになっている。『サンデー・タイムズ』紙によれば、スナク首相はイギリスの富裕者ランキングで222位にランクインしているので、年収の高低は気にとめていないだろう。
一方、年収の低い指導者たちもいる。ラオスの国家主席は年収1630ドル、キューバのミゲル・ディアス=カネル大統領は360ドルだ。イランの最高指導者アリー・ハーメネイー(写真)にいたっては、給料を受け取っていないとされる。
政府高官の給与があまりに低いと独裁色の強い国家では汚職につながることが多い。そのほか、建て前として給与としての年収額は高くなくとも、経費等で数百万ドルを自由に使えるようになっていることもある。