エリザベス英女王を含む、地球上で最も裕福な王室トップ10
エリザベス女王の資産は一体どのくらいあるのだろう?世界のリッチな王族はどうなのだろう?世界の王族がどれくらいの資産をもっているのかトップ10を見てみよう。
(出典:経済紙『ビジネス・インサイダー』、『フォーブス』、『CEOワールド』、『ザ・ガーディアン』)
世界一裕福な君主とされるのは、ラーマ10世として知られるタイのワチラロンコン国王。その純資産は430億ドルとされている。
タイのワチラロンコン国王は1952年生まれ。これまでに5回の結婚と3回の離婚を経験、二人の女性と同時に結婚するドラマティックな人生を謳歌。身分はそれぞれ王妃、側室となっている。
妻の間に見え隠れする確執。というのは、側室のシニナート妃は軍出身でパイロット資格所持者、国王が所有する38機の飛行機やヘリコプターのコックピットに座り、空の旅に出ることもあるからだ。これは2020年のタイ王室のスキャンダルのきっかけとなった。
ブルネイ王国のスルタンであるハサナル・ボルキアは、長らく世界で最も裕福な王族であった。その資産が消えたわけではないが、世界一の座はタイのワチラロンコン国王に奪われてしまった。とはいえスルタンの資産は推定280億ドルと複数の金融メディアが報じている。
さまざまな使い道の中でも、ハサナル・ボルキア国王はイスタナ・ヌルル・イマン宮殿に巨額の金を投じている。ギネスブックにも載っている、世界最大級の部屋数1788を誇る宮殿だ。
(写真:スルタンの娘婿アブドラ・アル・ハシミ、王女ファジラと王子マティーン、王宮にて)
ハサナル・ボルキア国王は数百台のロールスロイスを含む数千台の車を所有している。さらに定期的な髪の手入れを惜しまず、その散髪費用は約2万ドルにのぼる。時計にもこだわりを見せ、写真のように天文学的な値段のオリジナル時計を腕に光らせている。
サウジアラビアのサルマン国王の資産は約180億ドル。その大部分はオイル、天然ガス産業と国営石油会社サウジアラムコからもたらされる。サルマン国王は豪華クルーズ船、高価な絵画への投資がお好みのようだ。
サウード家全体の資産を合わせると、1兆4千億ドルと推定される。なおこの額にはサルマン国王の甥であるアル=ワリード・ビン・タラル王子と息子であるムハンマド・ビン・サルマン・アール=サウード皇太子の資産も含まれている。
二人の王族は過去数年にわたり何度か論争を引き起こしている。アル=ワリード王子は汚職容疑で逮捕され、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子については、2018年に起こった反政府ジャーナリストのジャマル・カショギ氏殺害への関与が疑われている。
7つの首長国からなるアラブ首長国連邦の長、そしてアブダビ首長であるハリーファ・ビン・ ザーイド・アール・ナヒヤーンの資産は推定約150億ドルだ。なおアラブ首長国連邦はアブダビ、ドバイ、シャールジャ、アジュマーン、ウンム・アル=カイワイン、フジャイラ、ラアス・アル=ハイマからなる。
アール・ナヒヤーン一族は高級車、飛行機、ヨットだけでなく、不動産投資にも熱を上げている。世界で最も高いビルとして知られるドバイのブルジュ・ハリファ、そしてロンドンには推定71億ドル(55億ポンド)の不動産も所有している。
『ザ・ガーディアン』によると、ロンドンに所有する不動産はアール・ナヒヤーン王家に年間2億590万ドルの利益をもたらしているそうだ。
ドバイ首長国のムハンマド・ビン・ラシド・マクトム首長の純資産は140億ドルと推定される。この君主は馬好きとして知られ、最高品種の馬や厩舎に何百万ドルも費やすが、その資産額を考えればスズメの涙といえるだろう。
また、ドバイの首長は6番目の妻であるハヤとの離婚、財産分与、子ども達の親権を巡り抗争を続けており、弁護士、訴訟費用に法外な額を払っている。
『タイムズ』誌によれば、ロンドンの高等裁判所は2021年10月、首長が元妻のハヤ元妃とその弁護士の電話をスパイウェアで盗聴することを許可したと認定。また、娘シャムサとラティーファを拉致したとして、イングランドとウェールズの高等裁判所から有罪判決を受けたと『ザ・ガーディアン』が述べている。
モロッコの国王がビジネスで受けとる収入は、488,604ドルという控えめなものと『ビジネス・インサイダー』は報じている。では、多くのメディアにより21から82億ドルと推定される富を、国王はどんな手段で手に入れたのだろうか?
モロッコのムハンマド6世はいわゆる敏腕ビジネスマンで銀行家でもあるとするのは『ビジネス・スタンダード』誌。国王は国内に多くの不動産を所有しており、『タイムズ』誌によれば派手な不動産に散財するのが好きで、2020年末にはパリのエッフェル塔近くに12の寝室をもつ豪邸を約8,000万ユーロで購入。
『フォーブス』誌によれば、モロッコ国王とその家族が居住する宮殿には一日あたり96万ドルの運営費がかかる。これはすべて国民からの税金で支えられている。
小国の裕福な元首と言えばこの人だろう。リヒテンシュタインのハンス・アダム2世は35〜72億ドルの資産を所有している。ただしメディアによって推定資産額は異なり、『ビジネス・スタンダード』は一番低い35億ドル、『ブルームバーグ』と『ラブ・マネー』は44億ドルと推定。『インサイダー』は最高推定額の72億ドルを挙げている。
王家が運営するプライベートバンク「グローバルトラスト」で数十億ドルの利益を手にした王子は、ルーベンス、ラファエル、サルヴィアーティなどの名画を集めることで知られる。こうした作品はリヒテンシュタイン美術館を通じて一般に開放されている。
(Image: the Royal Vaduz palace in Liechtenstein, by Henrique Ferreira/ Unsplash)
リヒテンシュタイン公は芸術を愛するだけでなく、良質なワインにも関心があるようだ。国内に複数のワイナリーと農業会社を所有している。ここからも一定の収益があるのは言うまでもない。
ルクセンブルクの君主であるアンリ大公も忘れてはならない。40億ドルの純資産があるとされるが、歳出と歳入がいまひとつよくわからない謎めいた君主の一人だ。
というのもアンリ大公は妻、5人の子供、4人の孫からなる家族とともにベルク城に居住しており、多くの城を所有してはいるがそれに財産を費やしているようにはみえないのだ。ほか、南フランスに休暇用の別荘を所有しているが、アンリ大公の支出と収入に関してははっきりしない部分が多いと『ビジネス・スタンダード』は報じている。
アンリ・ルクセンブルク大公は『フォーブス』のような経済紙が大公の財産について話題にすることを嫌がっている。2019年、同紙が世界で最も裕福な君主リストを発表すると、ツイッターで不満を表明。”大公の資産額がある出版社により発表されたが、これは単なるファンタジーだ。実際の資産については、最近噂された数字よりもごくわずかなものだ”
1980年生まれ、永遠のスマイルを持つカタールの首長こそ世界で最も若い君主の一人である。その推定純資産は推定21億ドルにのぼると『ビジネス・スタンダード』は報告している。
カタール首長であるタミーム・ビン・ハマド・アール=サーニーの財産は主にカタール投資局からもたらされる。同庁は国内のオイル、ガスから得られる利益をセインズベリーやハロッズなどの外国企業に投資している。またロンドンに位置する欧州きっての超高層タワー「ザ・シャード」にも出資をしている。
画像:タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー(左)、サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール=サウード国王(右)
カタールの首長は、世界屈指のサッカー選手であるメッシ、ネイマール、エムバペを抱えるパリ・サンジェルマンFCのオーナーとしても知られている。2021-2022シーズンは総額3億7444万ユーロもの給与をチームに支払った。
小国の主であるアルベール2世はヨーロッパで三番目に裕福な君主である。その推定資産は10億ドルで、王族が運営するモンテカルロ歌劇場やカジノが主な財源とされている。
モナコ公はスーパーモデルやセレブリティーと写真に納まり、豪華なパーティーをしたり旅行に出るのが好きなようだ。また彼の父親のレーニエ3世のクラシックカーコレクション、母親のグレース・ケリーのフィラデルフィアの邸宅を譲り受けた。ABCニュースによれば、こうした財産は約754,000ドル相当と見積もられている。
2011年アルベール2世公は南アフリカ出身の元競泳選手シャーリーン・リネット・ウィットストックと史上最高額ともいわれる豪華な結婚式を挙げた。『マリ・クレール』誌は、この結婚式には6,500から7,500万ドルの費用がかかったと推定。現在、夫妻は二人の間に生まれた双子のガブリエラ、ジャックと共にモナコ大公宮殿で暮らしている。
世界一有名な君主がなかなかランキングに登場しないことに、驚いた方もいるだろう。そう、11位にようやくイギリスのエリザベス2世女王が登場する。『サンデイ・タイムズ』によると英女王の純資産は3億5千万ポンド、一方『フォーブス』によると約5億ポンドと推定される。
英国王室全体の純資産額はさらにそれを上回る。イングランドとスコットランドに所有する王領地、そして所有するランカスター、コーンウォール公領からの不動産収入を合わせ約280億ドルにのぼる。
エリザベス女王は倹約家として知られ、個人的な趣味に散在することはない。だが馬だけは例外のようだ。『イブニング・スタンダード』によると厩舎とサラブレットの維持費は年間60万ポンドと推定されている。