世界で最も深いプール「ディープ・ダイブ・ドバイ」とは
競泳用のプールの深さは、3メートルくらいあるという。では、世界で最も深いプールはどれくらいの深さだろうか? 15メートルくらいだろうか? なんと、世界で最も深いプールは水深60メートルもあるのだ。
アラブ首長国連邦(UAE)に2021年7月にオープンした「ディープ・ダイブ・ドバイ」は、その水深がギネス世界記録に登録されている。なお、ここはプロのダイバーだけでなく、一般の人も使うことができる。
写真:Facebook - Deep Dive Dubai
「ディープ・ダイブ・ドバイ」ができるまでは、ポーランドにある水深45メートルの「ディープスポット」が世界で最も深いプールだった。
写真:Facebook - Poland's Deepspot
「ディープ・ダイブ・ドバイ」をの入場料はいくらだろう。現在、日本円にして約3万円の入場料を支払えば、だれでも楽しむことができる。
「ディープ・ダイブ・ドバイ」を訪れる人がまず圧倒されるのは、1,400万リットルの水をたたえるプールである。水温は30℃に設定されている。
水温が30℃に設定されているのは、潜水時の快適さを考えてのこと。薄いネオプレン・ウェットスーツか、あるいは通常の水着で潜るのにちょうどいい。
プールに張られた水は、海水ではなく真水である。したがって、深海生物に襲われる心配もない。
「ディープ・ダイブ・ドバイ」最大の目玉は、水底に水中都市が眠っていることである。これがダイビングにさらなる愉悦を与えてくれる。
21世紀版アトランティスともいえるその水中都市には、駐車場に車があったり、建物が打ち捨てられていたりと、探検者をそそるギミックが随所に仕掛けられている。
2021年夏にオープンした「ディープ・ダイブ・ドバイ」は、ドバイを訪れる何百万人もの観光客にとって、ぜひとも足を運びたいスポットのひとつになっている。
ドバイのハムダーン・ビン・ムハンマド・アール・マクトゥーム皇太子、彼はダイビングの愛好者なのだが、この施設をいちはやく体験しその体験をSNSで共有することができた数少ない幸運なビジターの一人である。
写真:Instagram - @faz3
おまけに「ディープ・ダイブ・ドバイ」は水中映画スタジオとしても機能する。施設のすぐ近くには編集室がある。プールの周囲に56台のカメラが設置されており、安全対策もバッチリだ。
ところで、ドバイを訪れる人は「ディープ・ダイブ・ドバイ」のウェブサイトに記載されている注意書きを事前に読んでおいたほうがよい。そこには、「ダイビングをした直後に超高層ビルにのぼらないでください」とある。ダイビングをしたその足でブルジュ・ハリファ(写真の超高層ビル)に向かうのはリスクが高いのだ。
「ダイビングのあと地上300メートル以上のビルにのぼる場合、18時間から24時間ほど時間を空けることが推奨されます」。ブルジュ・ハリファは最頂部の高さが地上829.8メートルに達し、最も高いラウンジは高さ585メートルに位置する。体が気圧の急速な変化(減圧)に耐えられず、減圧症(潜水病)になる危険性があるのだ。
写真:Facebook - Deep Dive Dubai
ただ、その逆は問題ないという。つまり、「世界で最も高い建築物を訪れたあとに潜水することは全く問題ありません」。よって、ブルジュ・ハリファを訪れてから、その後に「ディープ・ダイブ・ドバイ」の水中都市に向かうのがドバイのおすすめの回り方である。