近い将来に行けなくなってしまう観光地:ラスベガス、モルディブ、ヴェネツィア……
環境汚染、地球温暖化、海面上昇に天変地異やオーバーツーリズム……これらに共通する点はなんだろうか。
それは、世界有数の観光地を脅かす地球規模の問題だということ。では、いったいどんな観光地が危険なのだろうか。
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モルディブは1,200ほどの島からなる国だ。国土はインドの南端沖にあり、標高は1メートルほどに過ぎない。人気のリゾート地だが、わずかでも海面が上昇すれば致命的な問題となる。
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いまのままだとインド洋は40年後には20~30センチほど海面が上昇していると考えられており、2100年にはモルディブの80%は水没してしまう恐れがある。
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ラスベガスはモハビ砂漠の真ん中に位置し、水の確保に問題がある。唯一の貯水池は人口湖であるミード湖で、町の需要の90%を賄っている。だが、温暖化の影響で湖の水位が下がり続けており、ラスベガスの将来に暗い影を落としている。
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アマゾンの熱帯雨林は世界最大で、多くの二酸化炭素を酸素に変えていることから「世界の肺」とも呼ばれることもある。そんなアマゾンも、林業や農業の無節操な拡大で危機に瀕している。
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イタリアの都市ヴェネツィアは20年ごとに4センチのペースで海に沈んでいっている。イタリア政府は、なんの対策も取られない場合70年後には水没してしまうと試算している。
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サンゴ礁は小さな生命体の集合だが、オーストラリアのグレートバリアリーフは巨大で宇宙からも見ることができる。美しいだけでなく海中の生態系にとっても欠かせない存在だが、海の汚染が進み、酸性度や海水温が上昇しているせいで、早ければ2030年には消滅してしまう可能性があるという。
マイアミ沖の島国、バハマは透き通るような海が素晴らしい、地上の楽園とも思えるような場所。だが、ここもまた海面上昇によって海岸やビーチ、さらには都市までもが水没の危機にある。
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ナポリから10キロ足らずほどの距離にはヴェスヴィオ山がある。これは世界有数の活火山で、噴火すれば大惨事になるかもしれない。
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世界有数の巨大建造物タージ・マハルは毎年数百万人の観光客を迎えている。だが、その観光客たちが不埒な行いに及ぶことが多く、保存のためにインド政府は公開の停止を検討している。
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現存する唯一の世界7不思議、ギザのピラミッドは、大量の観光客や環境汚染、砂による侵食にも負けず、今なおその勇姿を保っている。だが、それもいつまで続くだろうか。
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ダーウィンが進化論を構想するきっかけとなったことで知られるガラパゴス島。その豊かな生態系が、毎日のようにやってくる大量の観光客を乗せた船のせいで脅かされている。
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アメリカ初の自然保護区としても知られる、フロリダのエバーグレーズ湿地も、開発のあおりを受けて危機に瀕している。
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2,000年間変わらずその姿を残してきた中国の万里の長城だが、近年、大量の観光客による破壊や侵食、メンテナンス不足が表面化してきている。なんの対策も取らなければ、2040年を待たずして廃墟と化してしまうかもしれない。
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アフリカの歴史都市、トンブクトゥのモスクは世界遺産にもなっているが、そこに危機が迫っている。気温の上昇や降水量の増加、過激派の存在などがその原因だ。
昨今の気温上昇のせいで、アルプスの氷河は年間3%の割合で失われていっている。このままだと、2050年には完全に消えてしまうことになる。
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マチュピチュもまた、過剰な観光客に脅かされている。あまりにも多くの人がこの地にやってきたため、地すべりでエリア全体が失われてしまう恐れすら出てきているのだ。
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アフリカ最高峰(5,895メートル)のキリマンジャロは、20世紀に積もった万年雪の9割を喪失した。このままだと、2035年には雪がすべて溶けてしまうと見られている。
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南米大陸最南端に位置する、パタゴニアのペリト・モレノ氷河も気候変動の影響を受けている。雄大に広がっているかのように見えるが、降水量の減少や気温上昇のせいで消滅する日も近い。
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マヤ時代の都市の廃墟、ティカルはグアテマラ最大の観光地だ。だが、ここも盗掘や違法な伐採などの影響で損害を被っている。
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世界最大の塩湖、死海の水はすべてヨルダン川から流入している。しかし、イスラエルとヨルダンがその川の水を過剰に利用しているせいで、流量が98%も減少。このままだと2075年には干上がってしまう。
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マダガスカルの熱帯雨林は、現在ではかつての16%ほどの面積にまで減少している。原因は伐採など人間の活動によるもので、このままだと2060年には世界第4の熱帯雨林が消滅することになる。