一生に一度は訪ねたい:ヨーロッパでもっとも美しい城ベスト20
ヨーロッパの国々にはそれぞれの歴史と文化を映し出す美しい城が残されています。今回はそうした城の数々をご案内しましょう。
ドイツのザクセン州にある人工湖に建てられたるモーリッツブルク城。もともとは16世紀中頃にザクセン公モーリッツが建てたルネサンス様式の狩猟小屋でした。1703年に大規模な増改築が行われ、バロック様式に仕上げられました。現在は豊富なコレクションを誇るバロック美術館になっています。
シャンボール城は、ロワール渓谷に点在する城のうち最大の大きさを誇ります。国王フランソワ1世のもとで1519年から建設が始められましたが、32年間にわたる在位期間中、王が滞在したのはわずか42日間だけでした。その後、シャンボール城はさまざまな王侯貴族の手に委ねられました。
バイエルン州の素晴らしい自然に囲まれた、ドイツで最も有名な城がノイシュヴァンシュタイン城です。1869年、バイエルン国王ルートヴィヒ2世によって建てられました。すらりとした塔がそびえる華麗な外観はウォルト・ディズニーの『眠れる森の美女』の城のモデルになったほか、『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズの制作者たちからも参考にされました。
ルーマニアで有名な城といえば壮大な規模を誇るペレシュ城。19世紀末にルーマニアのカロル1世の命で建てられ、ヨーロッパで初めて電気を導入した城としても知られています。また、内部には約2000点の絵画が収められています。
スロバキア北部の丘の上に建つ中世の壮大な城、ボイニツェ城。最初に建てられた城の跡は12世紀に遡り、それから100年後に建物が再建されたといわれます。まるでおとぎ話にできてきそうな雰囲気のロマネスク様式の宮殿。
フニャド城の名を聞いたことがあるでしょうか。これはルーマニアで最大の規模を誇るゴシック建築の建物で、起源は14世紀に遡ります。足元を流れるズラシュティ川に架けられた橋が城へのアクセスとなっています。トランシルヴァニア地方の旅では外すことのできない名所です。
スペイン南部、アンダルシア地方のベナルマデナに建つコロマレス城。1980年代後半にエステバン・マルティンにより、クリストファー・コロンブスにオマージュを捧げて建造されました。ネオロマネスク、ネオムデハル、ネオビザンチン、ネオゴシックなどさまざまな建築様式が組み合わされた稀代の傑作。
その優雅さと歴史が特徴で、ロワール渓谷で最も人気がある美しい城の一つでとされるのがシュノンソー城。カトリーヌ・ド・メディシス、ディアーヌ・ド・ポワティエ、カトリーヌ・ブリソネー、ルイーズ・デュパンなど身分の高い多くの女性が住んでいたことから、「貴婦人の城」という名で愛されています。
スコットランドのハイランド地方に位置し、この地方の古い家柄であるサザーランド伯爵夫人が所有するダンロビン城。中世に造営が行われ、1845年になりロンドンのウェストミンスター宮殿を設計したチャールズ・バリー卿によって増築されました。
素晴らしいネオゴシック建築のこの城は、ドイツ・シュトゥットガルト市から約50km離れたホーエンツォレルン山の頂上にあります。国内で最も訪問者数の多い城のひとつですが、その理由は城を一目見れば明らか:「壮麗」の一言に尽きます。
リトアニアの旧首都トラカイに建つトラカイ城は、その起源を14世紀にさかのぼります。島の上につくられたきわめて稀な城で、国内で最も訪問者数の多い観光名所のひとつ。バルト三国への旅行では外すことはできません。
スコットランド北東部、海抜50メートルの崖の上に建てられたダノッター城。もともと中世の要塞であり、さまざまな変遷を経て廃城されました。素晴らしい景観に魅かれて毎年数千人の観光客が訪れるほか、多種多様な鳥を目にすることができます。
今度はオーストリア北部にあるホーホオスタヴィッツ城をみてみましょう。標高175mの山頂に位置し、晴れた日には30km近く離れた場所からもその雄姿を目にすることができます。起源を9世紀にさかのぼる中世の城で、16世紀に入るまでたび重なる改修が行われました。
写真はロンバルディア州のシルミオーネ市入り口にあるスカリゲル城。この城は村と港を守るための要塞として、14世紀に建造されました。 四角平面の塔、高い城壁、優雅な中庭、中世のさまざまな石材からなる優雅で美しい建物です。
ルクセンブルクの東、ドイツとの国境近くに位置するヴィアンデン城。その起源は5世紀半ばにさかのぼり、11世紀と14世紀を中心に何度も増改築が行われました。現在では、ルクセンブルク大公国の中でも最も訪問者の多い史跡の一つとなっています。
ヴェルサイユ宮殿は言わずと知れた世界でもっとも有名な城のひとつ。パリ郊外にそびえるこの華麗な宮殿は、フランス史そのものであるといえるでしょう。歴代の国王ルイ14世、ルイ15世、ルイ16により増改築が行われ、宮殿はフランス王権の象徴とされていました。また、アドレ・ル・ノートルによって設計された見事な庭園も一見の価値があります。
写真:Mathias PR Reding, Unsplash
ヨーロッパ文化を代表する建物のひとつが、ウィーン随一の名所となっているシェーンブルン宮殿。「シシィ」の愛称で知られるエリーザベト(オーストリア皇后)の住居として、またハプスブルク家の居城としても知られています。広大な宮殿の敷地には、1752年に設立された世界最古の動物園がおかれています。
リスボン郊外のシントラにそびえる壮麗な歴史的建造物がペーナ宮殿。赤と黄色の鮮やかな組み合わせがユニークなこの城は比較的最近の19世紀中頃に建てられ、当時はポルトガル王フェルディナンド2世が所有していました。1910年に王政から共和制に移行したことに伴い宮殿は国有化され、現在は一般公開も行われています。
アッシュフォード城はアイルランドのコング村の郊外にそびえる中世の建物です。現在は5つ星高級ホテルに改装され、ドラマシリーズ『REIGN/クイーン・メアリー ~愛と欲望の王宮~』のロケ地としても使われました。ドラマの俳優だけではなく、観光客も城を訪れることができます。
首都ブダペストのセーチェニ島にそびえるヴァイダフニャド城は、ハンガリーによるカルパチア盆地制服千年紀を記念して1896年に建てられました。当初は期間限定の展示会場とされていましたが、来場者に好評だったことから最終的に常設展示場となりました。この城はルーマニアのフニャド城を手本としており、ハンガリー語でその名を冠しています。