ヨルダン王室のラーニア妃:才色兼備で知られる50代妃
ヨルダン国王アブドゥッラー2世の妃、ラーニア王妃は50代を迎えた今もフレッシュな美しさを誇っている。
ヨルダン王妃はトップモデルのような容姿で知られるだけではなく、国内でさまざまな公務に加え外交でも活躍、さらに慈善活動にも積極的に取り組んでいる。
画像: Queen Rania / Facebook
Copyright, The Royal Hashemite Court
ラーニア妃の名が人々の間で知られるようになったのは1993年初頭、ヨルダン王国のプリンス、アブドゥッラーとの交際が伝えられたときのことだ。パレスチナ人医師の娘として生まれたラーニア妃の人生は一変し、たちまち多くのマスコミに追われる存在となった。
ヨルダン王子との交際が公にされて以来、ラーニア妃は約30年にわたり数えきれないほど多くの紙面を賑わせてきた。 1993年6月にアブドゥッラー王子と結婚したのち、4人の子どもに恵まれている。
洗練されたセンスとたぐいまれな美貌により、しばしばファッション誌に取り上げられるラーニア妃。王室入り以来、ロイヤル界のファッションアイコンの一人となっている。
ロングヘアに大きな瞳のラーニア妃は、ヨルダンのシンディ・クロフォードと呼ばれることもあった。しかし、人目を惹くファッションには社会的あるいは政治的観点から批判の声が出ることもあり、2000年代以降はスタイルに変化が生じつつある。
ラーニア王妃はさまざまな機会を通じ「地球上で最もエレガントな王妃」と評されてきた。しかし、著しい経済格差を抱えるヨルダンでは、富を誇示していると批判されることもあった。
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『エル・パイス』紙によれば、「アラブの春」でかつてないほど大規模な民主化運動が各国で広がった際、ラーニア王妃のライフスタイルや大富豪やセレブたちとの交友関係が批判の的になったという。
『Hello Magazine』誌が「U2のボノが所有する豪華クルーザーでラーニア妃の姿がたびたび目撃された」と伝えたことを始め、夏には高級避暑地コート・ダジュールを訪れ、セレブたちと過ごしていたことが報じられている。
2018年の時点で、ラーニア妃のロイヤルライフを維持するには年間25万ユーロ以上が必要だとされている。そのため「マスコミから浪費を非難されたラーニア王妃は、自身を擁護すべく反論をせざるを得なくなった」と『ヴァニティ・フェア』誌は伝えている。
さらに『ヴァニティ・フェア』誌は、2018年の衣装代には26万7000ユーロが費やされたとしている。
『ヴァニティ・フェア』誌によれば、ラーニア妃は「ドレス、スーツ、アクセサリーなどのほとんどは、高級ファッションメーカーから借りたり贈与されたり、特別な割引価格で購入したりしたものです」と反論したという。
ヨルダンの王妃は、メディアが自身のスタイルばかりを取り上げ、さまざまな公務については触れないことに困惑しているようだ。
こうした問題は、レーニア妃と同じくロイヤルビューティとして知られるスペインのレティシア妃にも共通している。両妃はメディアからしばしば比較され、どちらも公務そのものよりもファッション面で高い注目を集めてきた。
同席するたびに比較の対象とされるラーニア妃とレティシア妃のファッションは、「スタイル対決」、「ライバル関係」、「勝者と敗者 」といった見出しで取り上げられてきた。ただし、『ヴァニティ・フェア』誌は、こうした記事はジェンダーバイアスを生み出すとしている。
そして、王妃とは国の代表者としての務めを果たす存在であり、ファッションショーのモデルとして生きる必要はないと『ヴァニティ・フェア』誌は論じている。
ラーニア王妃は『Harpers Bazaar Arabia』誌のインタビューで、「人前に出る女性であることのデメリットのひとつは、服装や容姿についてつねにコメントされ、今後もされ続けるということです」と語っている。
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ラーニア妃はスタイルに気を配ることが好きであり、ファッションを公務に役立てることもあるが、必要以上に重視することはないという。インタビューを通じ、「一日を振り返ったとき、ワードローブではなく仕事の中身で自分を判断したいと思います」としている。
メディアに取り上げられることは少ないが、ラーニア妃は難民支援活動に熱心に取り組んでいる。『Harpers Bazaar 』誌に対し、「戦争や死の危険、あるいは絶望的な状況から逃れてきた罪のない人々を見捨てることはできません」と語っている。
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ヨルダンは2011年以来、100万人以上のシリア難民を受け入れてきた。そうした人々が母国シリアでの暮らしに不安を抱きヨルダンに庇護を求める一方で、難民の受け入れを継続することを不安視する声も上がっている。
ラーニア妃はこうした問題について、「恐怖はとても強烈な感情で、現在の不確実な世の中において政治的に大きな力も持つことがあります」とコメントしている。
ノルウェーのメッテ=マリット王太子妃やアンジェリーナ・ジョリーなどと並び、ラーニア妃もユニセフに協力し、親善大使を務めている。
ラーニア王妃はさらに、一族の名誉を守るためとして親族が女性を殺害する風習である「名誉殺人」の廃止や、若者の教育改善などにも取り組んでいる。
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女性差別が根強いアラブ世界において、ラーニア妃は女性の声を代弁する存在でもある。『Harper's Bazaar』誌に対し、「女性はたいてい、危険な過激派あるいは抑圧された犠牲者という2つの基本タイプのどちらかに分けられてしまいます」という。
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そして、「男女格差の深刻な中東社会でも、自分の意見を言える女性や、こうした固定観念を打ち破るべく日々奮闘している女性がいるのです」としている。
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ラーニア妃によれば、「アラブ女性は強く、決断力があり、野心的で、たくましい。しかも、教育へのアクセスや準備態勢も充実しつつあります」
ラーニア妃は、「世界の国々が私たちの成功と功績を認めてくれるのを待っていることはできません。私たち自身が女性に対する認識を変え、そしてアラブ女性に対する世界の認識に変化を変えていく必要があります。そのため、皆で弛まぬ努力をしなければなりません」と語っている。
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