リスクに直面している世界の有名観光地:エジプトのピラミッド、ヨルダンの死海......
公害、地球温暖化、気温上昇、海面上昇、自然災害、オーバーツーリズム。これらに共通するものは何だろう?
写真:Unsplash - Grant Cai
「新・世界七不思議」に登録されたタージ・マハル。毎年何百万人もの観光客が訪れるが、深刻なオーバーツーリズムにより周辺の環境が悪化したことから、インド当局が閉鎖を検討する事態となっている。
写真:Unsplash - Julian Yu
これらは世界的に有名な観光地を危険にさらしている地球規模の問題で、このまま放置すると近いうちに消滅してしまうエリアもあるという。
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インド洋に浮かぶモルディブ共和国は、約1200の島々から成り立つ。その80%が海抜1mであるため、気候温暖化による海面上昇が大きな問題となっている。
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現在のペースで気温上昇が続けば40年後に海面が20~30cm上昇し、2100年にはモルディブを構成する島々の80%が海に沈んでしまうことになる。モルディブの大統領は「今世紀末には国が消滅してしまうだろう」と危機的状況を明らかにし、各国に呼びかけを行っている。
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世界屈指のカジノタウンであるラスベガスは、モハーヴェ砂漠の真ん中に位置している。全米最大の人工湖であるミード湖が、ラスベガスと周辺地域が必要とする水の90%を供給しているが、地球温暖化の影響でミード湖が干上がりつつあるという。今後、水の供給がますます困難になればカジノの存続も危うくなるだろう。
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「地球の肺」と呼ばれる世界最大の熱帯雨林が、伐採や無秩序な農業拡大により深刻な脅威にさらされている。
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「水の都」ヴェネツィアは、20年に4cmのペースで沈下している。イタリア行政当局は、このまま放置すれば70年後にヴェネツィアは消滅すると見積もっている。
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宇宙からも見ることができる巨大なグレートバリアリーフも死滅の危機に瀕している。汚染や気候変動で海水の酸度が高まったことで、2030年までに消滅してしまう可能性がある。
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「地球上で最も透明度の高い海」を誇るバハマは、海面上昇により水没することで国土の全てが失われる可能性がある。
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「世界で最も危険な活火山」のひとつがイタリアのヴェスヴィオ火山。ナポリの街は、そのヴェスヴィオ火山からわずか9キロの場所に位置している。
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古代「世界の七不思議」の中で唯一現存するギザの大ピラミッドも、オーバーツーリズム、公害、砂の腐食などによって危機に晒されている。
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ダーウィンの進化論にインスピレーションを与えたガラパゴス諸島は、他では見ることのできない固有の動植物の宝庫。しかし、毎日寄港するクルーズ船によるオーバーツーリズムで消滅の危機にさらされている。
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アメリカ最大の湿原地帯で、多種多様な動植物が生息するエバーグレーズ国立公園。都市開発による水位の低下や水質汚染が問題となり、危機遺産リストに追加された。
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「人類史上最大の建造物」とされる万里の長城は、2000年の歴史を持つ。しかし、ここ数十年のオーバーツーリズム、破壊行為、浸食、メンテナンス不足などで危機的状況に瀕しており、2040年までに廃墟と化すおそれがあるという。
写真:Unsplash - William Olivieri
1988年に世界遺産に指定されたが、保存状態の悪化により危機にさらされている世界遺産リストに登録されてしまった。砂による浸食、降雨量の増加、地域のジハード主義に傾倒した過激派イスラム勢力の脅威などが主な原因だ。
他の山脈より標高が低いため、気候変動で毎年3%の氷が失われている。このままでは2050年までにアルプス山脈の氷がなくなってしまうという。
写真:Unsplash - Jonas Verstuyft
「新・世界七不思議」のひとつであるマチュピチュは、オーバーツーリズで危機的状況にある。多くの観光客が押し寄せることで、土砂崩れなどが懸念されているのだ。
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アフリカ大陸最高峰の標高5.895mのキリマンジャロは、赤道付近に位置しているが山頂部に氷河がある。しかし、過去100年の間に氷河の面積は90%減少しており、このままいけば2035年には全て溶けてなくなると予測されている。
写真:Unsplash - Kristoffer Darj
地球温暖化による気温の上昇で、世界中の氷河が危機的状況にある。ペリト・モレノ氷河もそのうちのひとつで、後退をし続けている。
写真:Unsplash - Pedro Lima
マヤ文明の遺跡だけでなく、貴重な動植物が多く生息することから複合遺産に登録されたティカル国立公園。違法な略奪や焼き畑などによるジャングルの消失で危機的状況にある。
写真:Unsplash (Hector Pineda)
ヨルダンとイスラエルがヨルダン川の乱開発を続ければ、2075年までに死海が消滅するおそれがある。死海の唯一の水源がヨルダン川であるにもかかわらず、ヨルダン川から死海への流量はすでに98%減少しているのだ。
写真:Unsplash (Craig Vodnik)
マダガスカルでは30万㎢あった森がわずか5万㎡になってしまった。無計画な森林伐採や農地への転用が原因で、人為的な森林破壊を食い止めなければ、2060年までに森林がなくなってしまうという。