モナコ公国、アルベール2世の隠し子たちは今どうしている?
王室の華やかな生活はいつだって人々の注目の的。モナコ公アルベール2世も一挙手一投足が紙面を賑わす立場だ。しかし、プライベートを人目に晒したがらないアルベール2世は、報道陣のインタビューに応じることは滅多にないという。それにもかかわらず、彼の恋愛遍歴や隠し子は今でもメディアにとって格好の話題なのだ。
アルベール2世は2011年にシャルレーヌ・ウィットストックと結婚するまで、現在のような真面目な大公ではなかった。そのことは華やかな恋愛遍歴を見れば一目瞭然。
1990年代から2000年代初頭にかけて、アルベール2世はナオミ・キャンベルやグウィネス・パルトロウ、カイリー・ミノーグ、シャロン・ストーン(写真)、クラウディア・シファーといった大物セレブたちと浮き名を流していた。
しかし、アルベール2世のお相手はセレブたちだけではなかった。まず、米国人ウェイトレスのタマラ・ロトロと、その数年後にはトーゴ人CAのニコル・コステと関係を持ったのだ。その結果、それぞれジャズミン・グレース・グリマルディとアレクサンドル・グリマルディ・コステという隠し子が誕生することとなった。
1991年の夏、元夫と離婚したばかりのタマラ・ロトロはコート・ダジュールで休暇を過ごすためフランスにやって来ていた。そこで、モナコ公アルベール2世と出会ったのだ。2人は2週間のロマンスを楽しみ、タマラはカリフォルニアに帰郷。ところが、物語はそれで終わりではなかった。
9か月後の1992年3月4日、タマラはカリフォルニア州パームスプリングスでジャズミン・グレースを出産。少女は父親から遠くはなれて暮らし、はじめてモナコで対面したのは2003年のことだった。非嫡出子だったが、2006年6月、14歳の時にアルベール2世の認知を受けている。
ジャズミン・グレース・グリマルディは現在もカリフォルニア州在住で、母のそばで暮らしているという。30代になったジャズミンは父方の祖母グレース・ケリーと同じようにアーティストの道を歩んでおり、歌手や女優として活動中だ。2019年に「Fearless」というシングルをリリースしたほか、映画にも出演を果たしている。
さらに、ジャズミンは社会奉仕活動にも熱心に取り組んでいる。たとえば、恵まれない国の子供たちを支援するため「ジャズミン基金」を設立したほか、起業に挑戦する女性たち支援することを目的として米国人ファッションデザイナー、トリー・バーチがはじめた「エンブレイス・アンビション」キャンペーンにも参加している。
2017年には米国人ミュージシャンのイアン・メレンキャンプと交際をスタート。2人でハリウッドに邸宅を構えたという。米国のメディアによれば、邸宅の総額は300万ドルと「控えめ」だとのこと。
アルベール2世がニコル・コステと出会ったのは1997年。パリ=ニース便のフライトでの出来事だ。トーゴ人のニコルは当時28歳、エールフランスの客室乗務員だった。2人が出会ったとき、ニコルには15歳年上の夫がおり、子供も2人いたという。しかし、アルベール2世とのロマンスを選んだ彼女は一年後、離婚を決意。
一目を避けた交際を数年にわたって続けた2人だったが、当時モナコ公だった父レーニエ3世の命令で別れることになってしまったとアルベール2世は回想している。その後、ニコル・コステは2003年8月24日にパリで息子アレクサンドルを出産することとなる。
ニコル・コステは2021年、『Paris Match』誌のインタビューに応じ、「人々の噂とは違って、アルベール公は常に父親としての役割を果たしてきました」とコメント。ただし、アレクサンドルが正式に認知されたのは2年後の2005年、レーニエ3世がこの世を去ってからのことだった。
現在、アレクサンドル・コステ・グリマルディはフランスの大学に在籍している。生来のカリスマに恵まれ、モデルとしての活動にも興味を抱いているようだ。
写真:『Paris Match』誌の表紙、2021年9月
モナコ公に即位したアルベール2世は長女と長男をすぐに認知、ロイヤルファミリーの一員として迎え入れた。さらに、慈善イベントや王室行事の際にはなるべく同席するようにしている。
2022年11月、ニコル・コステは自身のInstagramアカウントに、ニューヨークを訪れたアルベール2世とジャズミン、アレクサンドルの写真を投稿。モナコ公一家の写真が公開されるのはとても珍しい。
写真:nicole.coste / Instagram
モナコ憲法第10条によれば、非嫡出子はモナコ公位の継承権を持たないとされる。したがって、アレクサンドルおよびジャズミン・グレースは、異母弟妹のジャックおよびガブリエラ(写真)とは異なり、モナコ公に即位する可能性はない。
ただし、およそ10億ドルに上るとされるアルベール2世の資産の一部については、相続権を有している。