マレーシアの第17代国王に即位したスルタン・イブラヒム・イスカンダルとは?
マレーシアの国王は各州のスルタンが実質的に輪番で務めることになっており、今年1月にはジョホール州のスルタン・イブラヒム・イスカンダルが第17代国王に即位。そして、7月20日にようやく戴冠式が行われる運びとなった。
スルタン・イブラヒム・イスカンダルはジョホール州におけるテメンゴン家のスルタンとしては5代目にあたる。
新国王の正式な名前はイブラヒム・イブニ・アルマルフム・スルタン・イスカンダル。1958年11月22日に、父で先任のスルタンだったイスカンダル・イブニ・アルマルフム・スルタン・イスマイルと英国人の母ジョゼフィーヌ・ルビー・トレヴォローの息子として誕生した。
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新国王の公式ウェブサイトによれば、父がジョホール州のスルタンに即位した際、同氏のスルタン位継承権は第2位だったそうだ。しかし、当時から父のもとでジョホール州の統治について学び、来たるべきときに備えていたという。
スルタン・イスカンダルがこの世を去ると、息子のイブラヒム・イスカンダルが摂政に任命され、2010年1月23日にはスルタンに即位。しかし、マレーシア紙『ザ・スター』によれば、正式に戴冠したのは5年後の2015年3月23日であり、これをもって公式にジョホール州のスルタンになったという。
『エコノミスト』誌によれば、スルタン・イブラヒム・イスカンダルはイスラム色が強いマレーシアにあって穏健なイスラム教を掲げており、州民が高等教育を受けられるよう支援策を打ち出すなどしたことから、リベラル派のスルタンとして支持を集めているそうだ。
また、スルタン本人もかなり今風であり、ニュースサイト「ブルームバーグ」は「バイクやフェラーリを乗り回し、Instagramを駆使する王様」と形容しているほどだ。
画像:officialsultanibrahim / Instagram
中東衛星放送アルジャジーラによれば、マレーシア統治者評議会は昨年10月27日にスルタン・イブラヒム・イスカンダルを次期マレーシア国王(現地では”アゴン”と呼ばれる)に指名し、今年1月31日に正式にアゴン位を授けたという。
『マレー・メール』紙いわく、ジョホール州からマレーシア国王が出るのは1980年代にアゴン位にあった新国王の父スルタン・イスカンデル以来で、およそ30年ぶりの出来事だ。イブラヒム新国王は2016年にもアゴンに指名されたことがあるが、そのときは申し出を断っており、代わりにクランタン州のスルタンが国王に即位した。
そして7月20日、イブラヒム国王はクアラルンプールのイスタナ・ネガラ王宮で戴冠式に臨み、第17代マレーシア国王として宣誓を行った。
マレーシア国王の任期は5年。『マレー・メール』紙の報道によれば、ペラ州のスルタン・ナズリン・シャーが副王として、イブラヒム国王の補佐に当たるという。