書いた本がベストセラーになり大金持ちに:作家たちの長者番付
言わずと知れた英国人作家、J. K. ローリング。ハリー・ポッター・シリーズで売り上げ総額5億部を突破する世界的大成功を収め、10億ドルに達する財産を築きました。しかも、彼女の生み出した伝説的キャラクターが銀幕のヒーローになったことで、脚本家兼プロデューサーとして、さらなる収入を手にすることに。
『Forbes』、『Celebrity Net Worth』、『The Richest』など、世界長者番付を毎年発表している雑誌はいくつもあります。では、こういった番付を参照しつつ、史上もっとも裕福な作家は誰であるか見てゆくことにしましょう。まず、トップにランクインするのはフランスのフェミニズム哲学者で歴史家、実業家のエリザベット・バダンテールです。彼女はパリのエコール・ポリテクニークの教授も務めており、2010年には「フランスで最も影響力のある知識人」に認定されました。 20冊の本を出版した彼女の資産は13億ドルと見積もられています。
さきほどご紹介した二人の10億ドル作家に比べると慎ましい額ですが、第3位につけるのは有名アメリカ人サスペンス作家、ジェイムズ・パタースン。 J. K. ローリングの場合と同様、パタースンに成功と富をもたらしたのは彼が生み出した心理学者兼FBI捜査官のアレックス・クロスで、このキャラクターが登場する作品は65冊を超えます。資産は推定5億6000万ドル。
ホラー小説、ミステリー小説と言えば、誰もが思い浮かべるのがスティーヴン・キング。リチャード・バックマン名義で書かれた作品もあり、キャリアを通じて3億5000万部以上の売り上げを達成しています。『キャリー』『シャイニング』、『ミザリー』、『グリーンマイル』など映画になった作品も多く、約4億ドルの財産を築いたとされています。
ノーラ・ロバーツのペンネームで知られるエレノア・マリー・ロバートソン。大ヒット作家となった彼女は4億ドルに迫る資産を築きました。ロマンスとサスペンスの名人としてたぐいまれなる才能を発揮するロバーツですが、J. D. ロブ名義で幻想小説も出版しています。アメリカロマンス作家協会の殿堂入り第一号。
恋愛小説作家として知られるニューヨーク出身のダニエル・スティールですが、若い頃は詩人としてキャリアをスタートさせました。トータル8億部を突破する売り上げを誇り、女性作家としては史上第4位につけています。彼女の作品群は『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストに390週以上連続でランクインし続けたほか、21作品がテレビドラマになりました。これによって、3億1000ドルの財産を築き上げたとされています。
長者番付によると3億ドルの資産を保有しているとされる英国人作家のバーバラ・テイラー・ブラッドフォード。『ヨクシャー・イブニング・ポスト』紙のタイピストとしてキャリアをスタート、続いて女性向け記事を担当するようになり、その後『ロンドン・イブニング・ニュース』紙の記者になりました。しかし、1979年にデビュー作『炎のエマ』を出版し、ヒット作家の道を歩み始めたときには、すでにニューヨーク在住。彼女の作品は世界90カ国で8000万部以上を売り上げました。
作家ダイアン・カプリとの共著で、『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーに数えられる作品をいくつも生み出したナイジェル・ブラックウェル。彼の名前がマスコミで取りざたされることはまずありませんが、それでも2億9,250万ドルあまりの莫大な財産を築いたとされています。これは、2006年にブラックウェル出版を5億7200万ユーロで売却し、利益の一部を手にしたことも関係しています。
弁護士および民主党議員として活躍した経歴を持つグリシャムは、作家になってもリーガル・サスペンスが得意分野。キャリア全体で250部以上の売り上げを記録し、資産は2億2000万ドルに上るとみられています。
グリシャム同様、かつては政治の場で活躍していたジェフリー・アーチャー。イギリス下院で保守党議員を務めたこともあります。作家としは20あまりの作品でおよそ3億3000万部の売り上げを記録し、ベストセラー作家の仲間入り。約1億9500万ドルの財産を保有するとされています。
『ダ・ヴィンチ・コード』(2003年)で世界的に知られるようになったダン・ブラウン。主人公ロバート・ラングドン教授が活躍するシリーズは『天使と悪魔』、『ダ・ヴィンチ・コード』、『ロスト・シンボル』、『インフェルノ』、『オリジン』の5部作で完結しました。これらの作品は映画にもなっています。また、シリーズとは別に小説や児童向け作品なども執筆しており、約1億7800万ドルの資産を保有するとされています。
長者作家リストの中では異彩を放つナイジェリア人作家、デビッド・オエデポ。というのも、その他の作家たちとは異なり、オエデポはキリスト教牧師の立場から、読者を導くことを目的として作品を執筆しているのです。自前の出版社、Dominion Publishing House(DPH)から70冊以上の書籍、豆本、雑誌、その他の作品を出版しており、1億5000万ドルの財産を築いたとされています。
しばしばスティーヴン・キングと比較されるとおり、ホラー作家として世界的成功を収めたディーン・クーンツ。彼の小説は17の言語に翻訳され、その売り上げは世界中で5000万部を突破、映画やテレビドラマにもなっています。多くのファンを抱えるクーンツの資産は推定1億4500万ドル。
J. K. ローリングと同様、文学作品で収めた成功で映画プロデューサーとしても活躍しているアメリカ人作家、ステファニー・メイヤー。『狼の月』、『夜明けの守護神』などを含む『トワイライト』シリーズの作者として有名です。小説がベストセラーになったばかりか、そこから生まれた3本の映画で18億ドルの収益を上げています。その結果、現在1億2500万ドルの資産を持っているとされています。
長者作家番付で異彩を放っているのはオエデポだけではありません。催眠術師、行動科学者、ラジオ・テレビのアナウンサーとしても活躍するイギリス人作家ポール・マッケンナもその一人。自己啓発本の出版で1億ドルもの財産を築き上げました。
ニューカッスル生まれベルファスト育ちの作家、ジャック・ヒギンズですが、これはペンネームで本名はヘンリー・パタースン。スパイ小説作家として大ヒットを飛ばした彼のもっとも有名な作品は『鷲は舞い降りた』(1975年)でしょう。世界中で5,000万部以上を売り上げたほか、マイケル・ケイン、ドナルド・サザーランド、ロバート・デュヴァル主演で同名の映画が制作されました。資産は約8600万ドルと見積もられています。
バダンテールやオイデポ、マッケンナと同様、インド人作家、ディーパック・チョプラのテーマもまたフィクションではありません。彼は、インドにつたわる伝統的な教えに従い、医学治療おける精神の重要性を書籍で説く医師なのです。広範囲にわたる作品群で、推定8000万ドルの財産を築き上げたとされています。
アメリカ人作家で、本名はジャネット・シュナイダー。はじめはステッフィー・ホール名義で恋愛小説を書いていましたが、ペンネームをジャネット・イヴァノヴィッチに変更。ステファニー・プラムを主役に据えたサスペンス小説で世界に認められ、一躍ベストセラー作家に。彼女の作品は40の言語に翻訳され、売り上げは世界で2億部を突破、8000万ドルに達する財産を築きました。
小説家兼脚本家として、やはり推定8000万ドルの財産を築き上げたスーザン・コリンズ。彼女の世界的な成功は、言うまでもなく『ハンガー・ゲーム』3部作とその映画によるものでしょう。また、それ以前にも『アンダーランド年代記』シリーズで大成功を収めています。